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空き家買取 - 空き家の処分|6つの方法の選び方・費用・期限を早見表で比較【2026】
空き家買取

空き家の処分|6つの方法の選び方・費用・期限を早見表で比較【2026】

「空き家を処分したい」と思い立った人が最初に検索するのは、たいてい解体費です。壊せば片が付く、と考えるからでしょう。ところが処分の手段を並べてみると、所有者が確実にお金を払うのは解体と国への引き渡しの2つだけで、残りは支出がないか、むしろお金が入ってくる側にあります。結論から3点にまとめます。

  1. 処分の方法は6つあります。仲介で売る、買取で売る、貸す、解体して土地として売る、寄付や譲渡、相続土地国庫帰属制度。持ち出しが確実に発生するのは解体と国庫帰属だけです
  2. ルートを決める順番は「現状のまま値段が付くか」から始めます。次に「建物を残すか」、最後に「急ぐか待てるか」。解体は最初の一手ではなく、値段が付かなかったときの手段です
  3. 期限が2つ動いています。相続した空き家の3,000万円特別控除は令和9年(2027年)12月31日まで、低額の土地に使える100万円特別控除は令和10年(2028年)12月31日まで。相続した家なら、その前に相続登記が要ります

どのルートが自分に合うかは、家の状態より「土地に出口があるか」で決まります。まず早見表で、自分の状況に近い行を探してください。

空き家の処分ルート早見表

空き家の処分ルート早見表のイメージ

💡 この章の要点: 処分ルートは「状況」で決まります。立地がよく建物も使えるなら仲介、古い・遠い・急ぐなら買取、手放したくないなら貸す、更地の需要がはっきりあるなら解体、値段が付かないなら譲渡か国庫帰属。費用が確実に出るのは解体と国庫帰属の2つで、ほかは代金から差し引かれるか、持ち出しがありません。

あなたの状況 向くルート 費用感 所要期間
立地がよく、建物もまだ使える 仲介で売る 仲介手数料・登記などの諸費用(代金から差し引き) 買い手が付くまで(数か月単位)
築古・残置物あり・遠方・早く終えたい 買取で売る 原則なし(解体費や処分費は価格に織り込み済み) 数週間〜1か月程度
手放したくない、収入にしたい 貸す・活用する 修繕やリフォームの初期費用 入居者や利用者が付くまで
更地の需要がはっきりある土地 解体して土地として売る 解体費(木造30坪で90〜150万円が目安)の先払い 解体の工期+土地が売れるまで
隣地の人が欲しがっている、値段が付かない 寄付・譲渡 登記費用など。もらう側に税が出ることがある 相手との合意次第
相続した土地で、買い手も引き取り手もない 相続土地国庫帰属制度 解体費+審査手数料1万4,000円/筆+負担金(基本20万円) 申請後の審査が標準8か月

費用の内訳は費用の章、ルートを決める順番は決め方の章で扱います。

空き家処分 状況別ガイド

💡 この章の要点: 知りたいことが「方法の一覧」なら6つの方法へ、「どれを選べばいいか」なら決め方へ、「いくらかかるか」なら費用へ、「相続したばかり」なら相続の章へ。自分の状況に近い行から読み始めてください。

あなたの状況 読むべきセクション
処分の方法を一通り知りたい 空き家を処分する6つの方法
どの方法が自分に合うか決めたい 自分に合う処分ルートの決め方
費用がいくらかかるか知りたい 空き家の処分にかかる費用の目安
税金の特例と期限を知りたい 処分で使える税の特例と期限
相続した空き家をこれから処分する 相続した空き家を処分するときの順番
放っておくとどうなるか知りたい 処分せずに放置したときに起きること
実際の流れをイメージしたい 築50年の実家を解体せずに現状買取で手放すまでの具体例
業者を比較したい 空き家の処分に対応する買取業者7選

空き家を処分する6つの方法

💡 この章の要点: 6つの方法は「所有権を誰に移すか」と「建物を残すか」の2軸で整理できます。売る(仲介・買取)は建物ごと相手に移す、貸すは所有権を残す、解体は建物を消してから土地を移す、寄付・譲渡と国庫帰属は対価なしで移す。それぞれの向き不向きと、詳しく知りたいときの読み先をまとめます。

仲介で売る

不動産会社に買い手を探してもらい、市場価格で売る方法です。立地がよく、建物がそのまま住める状態なら、6つの中で手取りが大きくなりやすい方法です。

ただし買い手が現れるまで売れず、その間の固定資産税と管理は所有者のままです。内見のたびに現地を開ける必要もあり、遠方に住んでいると負担になります。築古で傷みが進んだ家は「土地として買う人」しか付かず、その場合は解体費分だけ値引きを求められることが多い。仲介と買取の手取りの差と使い分けは空き家の買取と仲介どちらが得かで比べています。

買取で売る

不動産会社が自分で買い取る方法です。買い手を探す期間がなく、数週間から1か月程度で決済まで進みます。残置物も解体も業者側の作業になるので、所有者は片付けも修繕もしないまま引き渡せます。

引き換えに、価格は仲介で売れる価格の7〜8割が目安です。業者は買い取ったあとに解体するか直すかして再販するので、その費用と利益を差し引いた額が提示されます。

「安く買い叩かれる」と感じるかもしれませんが、7〜8割は業者の取り分ではなく、解体費や処分費を所有者の代わりに引き受けた分の引き算です。掛け目の根拠は空き家の買取相場、仕組みと流れは空き家買取とはにまとめています。

貸す、または活用する

所有権を残したまま、賃貸・民泊・倉庫・駐車場などで収入を得る方法です。「処分」の検索でここに来た人には遠回りに見えるでしょうが、手放したくない事情がある人、将来自分で使う可能性がある人には、この道が残っています。

問題は初期費用です。人に貸せる状態にするには修繕やリフォームが要り、その投資を家賃で回収できる立地かどうかで成否が分かれます。回収の見込みが立たないなら、貸すより売るほうが持ち出しは小さい。賃貸・民泊・空き家バンクなど8つの活用を収支で比べた空き家活用の選択肢に、判断の物差しがあります。

解体して土地として売る

建物を壊して更地にし、土地として売る方法です。更地の需要がはっきりある土地なら、建物付きで売るより高く、早く売れることがあります。

一方で、所有者が先に解体費を払う唯一のルートでもあります。木造30坪で90〜150万円が目安で、更地になると住宅用地の固定資産税の特例も外れます(仕組みは空き家の固定資産税)。そして更地にしても売れる保証はない。「壊してから考える」は、この三つの先行負担を一度に引き受けることになります。解体して売るか現状で売るかの手取り比較は空き家は解体すべきか売却すべきかで扱っています。

寄付する、隣地に譲る

自治体や法人に寄付する、あるいは隣地の所有者などに無償か低額で譲る方法です。自治体への寄付は、使い道のない土地を受け取る理由が自治体側にないため、断られることがほとんどです。現実に成立しやすいのは隣地の所有者への譲渡で、庭を広げたい、駐車場にしたいという動機が相手にあれば話が進みます。

もらう側に贈与税などの税が出ることがあり、登記費用の負担をどちらが持つかも決めておく必要があります。4つの手放し方と税の扱いは空き家の寄付・国庫帰属にまとめています。

相続土地国庫帰属制度で国に引き取ってもらう

相続または遺贈で取得した土地を、審査を経て国に引き取ってもらう制度です。令和5年4月27日に始まりました(法務省 相続土地国庫帰属制度の概要)。買い手も引き取り手もない土地にとって、確実性の高い最後の出口です。

ただし空き家の処分に使うには、条件が2つ重なります。この制度は建物がある土地を却下事由にしているので、家を壊して更地にしてからでないと申請できません。

そのうえで審査手数料が土地一筆あたり1万4,000円(却下・不承認でも返還されない)、承認後に負担金が基本20万円かかります(法務省 負担金)。解体費の上に手数料と負担金が乗るので、持ち出しは解体して売る場合より確実に増えます。

自分に合う処分ルートの決め方

💡 この章の要点: 6つの方法から1つに絞る分岐は3つ。「現状のまま値段が付くか」「建物を残すか」「急ぐか待てるか」の順に答えると、たいていのケースで行き先が1つか2つに決まります。解体は3つの分岐のどこにも最初の手として出てきません。

分岐1: 現状のまま値段が付くか

では、6つの方法を全部比べてから決めればよいのでしょうか。そうしたいところですが、貸す・解体する・国に渡すという判断は、どれも「売れるのか売れないのか」がわからないと下せません。だから最初に確かめるのは、現状のまま(片付けず、壊さず、直さず)いくらの値段が付くかです。

これは買取査定を取れば数日でわかります。値段が付くなら、あとは仲介と買取のどちらで売るか、貸すほうが得かの比較になります。値段が付かない、あるいは0円や持ち出しの相談になるなら、原因は建物ではなく土地の需要にあり、寄付・譲渡か国庫帰属の側に進みます。

「解体すれば値段が付くのでは」と思う人もいるでしょう。解体費を差し引いた額が買取の提示額なので、解体しても土地値そのものは変わりません。値段が付かない理由が土地にあるなら、壊しても同じです。

分岐2: 建物を残すか

値段が付くとわかったら、次は建物を残して売るか、壊してから売るかです。ここで初めて解体が選択肢に入ります。

  • 残して売る: 買い手か買取業者に建物ごと渡す。所有者の先払いはなく、解体するかどうかは相手が決める
  • 壊して売る: 更地の需要が明らかで、解体費を払っても手取りが増える見込みがあるときだけ成り立つ。見込みは両方の見積もりを並べないとわからない

「更地にしたほうが売りやすい」という言い方は、更地の需要がある地域では正しく、ない地域では解体費だけが残ります。売れるかどうかを確かめる前に壊さない、が順番です。

分岐3: 急ぐか、待てるか

最後の分岐は時間です。相続の期限や自分の年齢、管理に通う負担を考えて、数か月以内に終えたいなら買取、1年以上待てるなら仲介や空き家バンクという分かれ方になります。

処分ルートの決め方(3つの分岐)

分岐1 現状のまま値段が付くか?
  ├ 付く   → 分岐2へ
  └ 付かない → 隣地への譲渡を打診 → 難しければ 相続土地国庫帰属(解体が前提)
                                     または 0円・引き取りでの買取相談

分岐2 建物を残すか?
  ├ 残す   → 分岐3へ
  ├ 壊す   → 更地の需要と解体費を見積もり → 手取りが増えるなら解体して土地売却
  └ 手放さない → 貸す・活用する

分岐3 急ぐか?
  ├ 数か月以内に終えたい → 買取
  └ 1年以上待てる       → 仲介(買取と並行して査定を取っておく)

待てる人でも、買取の査定だけは先に取っておく価値があります。仲介で売れなかったときの下限がわかっていれば、値下げの判断も撤退の判断も早くなります。売れないときの原因の切り分けと打ち手の順番は空き家が売れない時の対処法を参照してください。

空き家の処分にかかる費用の目安

💡 この章の要点: 費用は「誰が払うか」で見ると整理しやすい。解体費と国庫帰属の手数料・負担金は所有者の先払い、仲介手数料と登記費用は代金からの差し引き、買取は原則として持ち出しなし。税は売った利益にかかり、特例で0になることがあります。

処分方法別の費用

処分方法 所有者が払う費用 払うタイミング
仲介で売る 仲介手数料、登記費用、印紙代、譲渡所得税 決済時に代金から差し引き。税は翌年の確定申告
買取で売る 登記費用、印紙代、譲渡所得税 決済時に代金から差し引き。解体費・残置物処分費は業者負担
貸す・活用する 修繕・リフォーム費、管理の手間、固定資産税(継続) 貸し出す前に先払い
解体して土地として売る 解体費(木造30坪で90〜150万円が目安)、残置物処分費(2t車1台5〜10万円が目安)、滅失登記、その後の売却費用 解体時に先払い
寄付・譲渡 登記費用(負担者は相手と取り決め)。もらう側に税が出ることがある 譲渡時
相続土地国庫帰属 解体費+審査手数料1万4,000円/筆+負担金(基本20万円、市街化区域等の宅地・農地と森林は面積で増額) 手数料は申請時、負担金は承認通知の翌日から30日以内

解体費と残置物処分費の目安は空き家の解体費用に出典付きでまとまっています。国庫帰属の負担金は、市街化区域等の宅地や農地、森林では面積に応じて20万円より増えるため、正確な額は法務省の負担金ページで自分の土地の区分を確かめてください。

「処分費用」の大半は解体費

処分の費用を検索すると、たいてい解体費の相場が出てきます。理由は単純で、6つの方法の中で所有者が確実に先払いするまとまった費用は、解体費と、その上に乗る国庫帰属の手数料・負担金だけだからです。仲介手数料や登記費用は代金から引かれるので、手元から出ていく感覚がありません。

つまり「処分に費用がかかるか」という問いは、「解体するか」という問いとほぼ同じです。買取で現状のまま渡すなら、解体費も残置物の処分費も業者側の作業になり、所有者の支出は登記と印紙代程度に収まります。そのぶん価格から差し引かれてはいるものの、先払いと売れないリスクを負わない形になります。

処分で使える税の特例と期限

💡 この章の要点: 売って利益が出ると譲渡所得税がかかりますが、空き家には特例が2つあります。相続した空き家の3,000万円特別控除は令和9年(2027年)12月31日までの譲渡、低額の土地に使える100万円特別控除は令和10年(2028年)12月31日までの譲渡が対象です。どちらも要件が細かく、処分の順番と時期に影響します。

相続した空き家の3,000万円特別控除(令和9年12月31日まで)

被相続人が一人で住んでいた家を相続して売ったとき、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例です(国税庁 No.3306)。主な要件は次のとおりです。

  • 昭和56年5月31日以前に建築された家屋で、区分所有建物(マンションなど)でないこと
  • 相続開始の直前に、被相続人以外に住んでいた人がいなかったこと
  • 相続の時から売るまで、事業・貸付・居住に使っていないこと
  • 相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること
  • 売却代金が1億円以下であること
  • 令和9年12月31日までの譲渡であること

令和6年1月1日以後の譲渡では、売った年の翌年2月15日までに耐震改修か取り壊しが完了すれば適用でき、相続人が3人以上いる場合の控除額は2,000万円になります。「相続から3年」と「令和9年末」の2つの期限のうち、早いほうが自分の期限です。要件の落とし穴と申請手順は空き家3,000万円特別控除で扱っています。

処分の順番に効くのは、「相続の時から貸していないこと」という要件です。値段が付くまでのつなぎに貸すと、この特例は使えなくなります。売る可能性が残っているうちは、貸す判断を急がないほうがよい。

低未利用土地等の100万円特別控除(令和10年12月31日まで)

土地の値段が低い地域で効く特例です。都市計画区域内の使われていない土地を、所有期間5年超で、親族以外に売却額500万円以下(一定の区域では800万円以下)で売ったとき、譲渡所得から100万円を控除できます(国税庁 No.3226)。市区町村長の確認書が必要です。

適用期限は、令和8年度税制改正大綱で3年延長され、令和10年(2028年)12月31日までの譲渡が対象になりました(財務省 令和8年度税制改正大綱)。国税庁のページは延長前の期限のままなので、期限は大綱の側で確かめてください。

買取で低額になる空き家の敷地は、この特例の範囲に入りやすい。制度の詳細は空き地買取と100万円控除で解説しています。

譲渡所得税は所有期間で税率が変わる

特例を使っても利益が残る場合、譲渡所得税がかかります。税率は所有期間の長短で区分され、相続した家の所有期間は被相続人が取得した日から数えます。親が長く住んだ家なら、相続直後に売っても長期のほうの税率になるのが通常です。税率と計算式は空き家の譲渡所得税を参照してください。

相続した空き家を処分するときの順番

💡 この章の要点: 相続した空き家は、処分の前に相続登記が要ります。登記は令和6年4月から義務化され、取得を知った日から3年以内、それ以前に相続した未登記の家は令和9年3月31日までが期限です。名義を整えてから、3,000万円控除の期限を逆算して処分の時期を決めます。

相続登記を済ませる

売るにも国に渡すにも、名義が亡くなった人のままでは手続きが進みません。相続登記は令和6年4月1日から義務化され、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に申請しないと、正当な理由がなければ10万円以下の過料の対象になります(法務省 相続登記の申請義務化)。

見落としやすいのは、義務化より前に相続した家の扱いです。令和6年4月1日より前に相続して未登記のままの不動産は、令和9年3月31日までに登記する必要があります。祖父母の代から名義が動いていない実家は、この期限の対象です。

簡易な手続きとして相続人申告登記がありますが、これでは売却できません。処分を前提にするなら、通常の相続登記まで済ませておく必要があります。手順と費用は相続登記の義務化にまとめています。

共有名義を一本化する

相続人が複数いて共有名義になっていると、売却にも国庫帰属の申請にも全員の合意が要ります。一人でも連絡が取れない、反対している、という状態では処分が止まります。遺産分割協議で一人の名義にまとめるか、全員で足並みをそろえるかを先に決めておくと、査定から先がスムーズに進みます。

相続そのものをどう進めるか、放棄という選択肢はあるかは空き家相続の手順で扱っています。相続放棄は期限が短く、家だけを選んで放棄することはできないため、「処分に困りそうだから放棄」は慎重に判断する必要があります。

期限から逆算する

相続した空き家の処分には、期限が3つ重なります。

  • 相続登記: 取得を知った日から3年以内(施行前の相続は令和9年3月31日まで)
  • 3,000万円特別控除: 相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで、かつ令和9年12月31日まで
  • 管理不全空家等の勧告: 期限ではないが、放置が続くと固定資産税の特例が外れる

相続から2年が過ぎている家なら、控除の期限まで1年を切っている可能性があります。仲介で買い手を待つには短く、買取なら間に合う、という判断がここで生まれます。

処分せずに放置したときに起きること

💡 この章の要点: 令和5年12月施行の改正空家法で、管理が行き届いていない空き家は「管理不全空家等」として勧告の対象になり、勧告を受けると土地の固定資産税の住宅用地特例(最大1/6)が解除されます。さらに進むと特定空家等として命令・代執行の対象です。

「処分に費用がかかるなら、そのまま置いておく」という選択が、費用がかからない選択だとは限りません。

改正された空家等対策の推進に関する特別措置法は令和5年12月13日に施行されました(国土交通省)。この改正で、管理が行き届いていない空き家を「管理不全空家等」として自治体が勧告できるようになっています。

勧告を受けると、住宅用地の固定資産税を最大1/6に減額する特例が解除され、土地の税額が上がります(国土交通省 空き家対策リーフレット)。

  • 管理不全空家等: 管理が行き届いていない状態の空き家。勧告で住宅用地特例が解除される
  • 特定空家等: 倒壊のおそれがあるような状態。安全確保の措置を命令され、従わなければ代執行(自治体が対策を実施し、費用を所有者から徴収)の対象になる

「更地にすると固定資産税が上がる」と聞いて解体をためらう人は多い。ところが放置して勧告を受けても、同じ特例が外れます。つまり住宅用地特例は「家を残しておけば守られる」ものではなく、「管理された家を残しておけば守られる」ものです。勧告までの流れと解除の方法は管理不全空き家の判定基準、特定空家の認定と税は特定空き家とはにまとめています。

築50年の実家を解体せずに現状買取で手放すまでの具体例

築50年の実家を解体せずに現状買取で手放すまでの具体例のイメージ

💡 この章の要点: 遠方に住む相続人が、「処分=解体」と思い込んで解体見積もりから始め、隣地への打診を経て、片付けも解体もしないまま買取で手放したモデルケースです。3つの分岐を順にたどると、こういう流れになります。

数字は仕組みを示すための仮のもので、実在の取引ではありません。

【前提】地方都市の郊外、木造2階建て30坪、築50年、父の死後に相続
  ・父が一人で住んでいた家。家財はそのまま
  ・相続人は長女一人、車で2時間の距離に居住
  ・相続登記は済んでいる。相続から1年半

1か月目  「処分するなら壊すもの」と考え、解体業者に見積もり
         → 解体120万円+残置物処分35万円=155万円の先払い
         → 更地にしても売れる保証がなく、翌年から土地の固定資産税が上がると知り保留

2か月目  分岐1「現状のまま値段が付くか」を確かめるため、買取査定を2社に依頼
         → 写真と間取り図、固定資産税の課税明細をメールで送付
         A社: 土地値260万円 − 解体・処分155万円 − 諸費用等 = 50万円
         B社: 同じ土地値の見立てで 30万円
         → 値段は付く。分岐2へ

3か月目  分岐2「建物を残すか」。隣地の所有者に「土地として買わないか」と打診
         → 「解体してくれるなら」と言われ、解体費を払っても手取りは増えないと判断
         → 建物を残したまま渡す。分岐3へ

同月     分岐3「急ぐか」。3,000万円控除の期限(相続から3年目の12月31日)まで1年半
         → 仲介で待つ余裕はあるが、通う負担と管理の心配から買取を選択
         → A社と契約。貴重品と写真だけ回収し、残置物はそのまま

4か月目  決済・引き渡し。解体も処分も業者が実施

【所有者の支出】0円(登記・印紙代など数万円を除く)
【手取り】50万円
【最初の計画(解体して土地売却)との比較】
  155万円を先払いし、土地が260万円で売れれば手取り105万円
  ただし売れるまでの税・管理費と、売れないリスクを所有者が負う

この例で分岐が効いたのは、1か月目の「保留」です。最初の見積もりのまま解体していたら、155万円を払った時点で、あとは売れるのを待つしかなくなっていました。査定を先に取ったことで、解体費を払わない道が見えた。それだけの違いが、手取りと支出の両方を分けています。

空き家の処分に対応する買取業者7選

💡 この章の要点: 6つの処分方法のうち、片付けも解体もせずに数週間で終えられるのが買取です。全国対応で現状のままの買取に強みを持つ業者を中心にまとめました。選び方の基準と査定書・契約書の見方は空き家買取業者の選び方で扱っています。最終的には複数社の査定額と契約条件を比較したうえで判断してください

おすすめ買取サービス比較一覧
順位サービス対応エリア特徴
🥇アキラッキーイチオシ全国47都道府県全国47都道府県対応の空き家買取専門サービス。他社が断る物件も現状のまま買取詳細
🥈株式会社ウィントランス(空き家パス)全国対応空き家専門の全国対応買取サービス。残置物そのままで買取相談可詳細
🥉タウンライフ(空き家対策)全国対応複数社の見積もりを一括で取れる空き家マッチングサービス詳細
4株式会社ハウスドゥ全国(FC加盟店経由で対応)全国700店舗超のFCネットワーク、空き家買取サービス「ハウス・リースバック」も展開詳細
5株式会社AlbaLink(アルバリンク)全国対応訳あり物件専門の全国買取業者。難物件のノウハウが豊富詳細
6株式会社カチタス全国130店舗以上全国130店舗以上で中古住宅を買い取り再販する大手。買い取り実績8万戸以上(公式表記)詳細
7株式会社リプライス全国(都道府県別に再生住宅を展開)カチタスグループの買取再販業者。全国で再生住宅を手がけ、累計販売戸数15,000戸超詳細

11位:アキラッキー

全国47都道府県対応の空き家買取専門サービス。他社が断る物件も現状のまま買取

  • 残置物・廃屋・倒壊リスク・ゴミ屋敷でも現状渡しOK(撤去・解体費はすべて運営側負担)
  • 再建築不可・借地・底地・共有持分・事故物件・相続未登記まで対応
  • 弁護士・税理士・司法書士の3士業と連携し、相続案件もワンストップ
  • 仲介手数料0円・査定相談無料、契約〜決済まで最短数日
  • 問い合わせは公式サイトのお問い合わせフォームから(電話・メールどちらでも受付)
  • 対応エリア:全国47都道府県
会社名アキラッキー(空き家買取専門サービス)
対応エリア全国47都道府県
対応物件残置物あり・廃屋・ゴミ屋敷・再建築不可・借地・底地・共有持分・事故物件・相続未登記 など
費用仲介手数料0円・査定相談無料(撤去・解体費は運営側負担)
専門家連携弁護士・税理士・司法書士の3士業と連携(相続案件もワンストップ)
買取スピード契約〜決済まで最短数日
問い合わせ公式お問い合わせフォーム(電話・メールどちらでも受付)
公式サイト無料査定・相談はこちら

22位:株式会社ウィントランス(空き家パス)

空き家専門の全国対応買取サービス。残置物そのままで買取相談可

  • 残置物・古家・農地隣接物件も現状渡し対応
  • 全国47都道府県の取引実績
  • 立会い不要のリモート完結プランも用意
  • 対応エリア:全国対応
会社名株式会社ウィントランス(空き家パス)
対応エリア全国対応
特徴空き家専門の全国対応買取サービス。残置物そのままで買取相談可

33位:タウンライフ(空き家対策)

複数社の見積もりを一括で取れる空き家マッチングサービス

  • 1回の入力で複数の買取・活用業者に相談可能
  • 売却以外(賃貸・リフォーム・解体)の提案も比較できる
  • 全国対応、利用無料
  • 対応エリア:全国対応
会社名タウンライフ(空き家対策)
対応エリア全国対応
特徴複数社の見積もりを一括で取れる空き家マッチングサービス

44位:株式会社ハウスドゥ

全国700店舗超のFCネットワーク、空き家買取サービス「ハウス・リースバック」も展開

  • FCネットワークでエリアカバレッジが広い
  • 都市部から地方まで査定対応
  • リースバックなど多様な売却プランを比較可
  • 対応エリア:全国(FC加盟店経由で対応)
会社名株式会社ハウスドゥ
対応エリア全国(FC加盟店経由で対応)
特徴全国700店舗超のFCネットワーク、空き家買取サービス「ハウス・リースバック」も展開

55位:株式会社AlbaLink(アルバリンク)

訳あり物件専門の全国買取業者。難物件のノウハウが豊富

  • 再建築不可・私道・接道なし・事故物件などに対応
  • 全国対応のスケールメリット
  • メディア露出による知名度
  • 対応エリア:全国対応
会社名株式会社AlbaLink(アルバリンク)
所在地〒104-0033 東京都中央区新川1丁目2-10 新川むさしやビル2F
対応エリア全国対応(東京支店ほか)
上場・非上場上場
電話番号0120-683-422
営業時間10:00-19:00
地図

66位:株式会社カチタス

全国130店舗以上で中古住宅を買い取り再販する大手。買い取り実績8万戸以上(公式表記)

  • 築年数の古い中古住宅を買い取り、リフォームして再販する事業モデル
  • 査定価格の提示まで最短3日・現金決済まで最短3週間(公式表記)
  • 年間5,000戸以上を販売する全国ネットワーク
  • 対応エリア:全国130店舗以上
会社名株式会社カチタス
対応エリア全国130店舗以上
特徴全国130店舗以上で中古住宅を買い取り再販する大手。買い取り実績8万戸以上(公式表記)
公式サイト公式サイトはこちら

77位:株式会社リプライス

カチタスグループの買取再販業者。全国で再生住宅を手がけ、累計販売戸数15,000戸超

  • 中古住宅を買い取り、再生して販売する住宅再生事業が主業
  • 北海道から九州まで都道府県別に再生住宅を展開
  • 国土交通大臣免許(4)第7920号・1996年設立
  • 対応エリア:全国(都道府県別に再生住宅を展開)
会社名株式会社リプライス
対応エリア全国(都道府県別に再生住宅を展開)
特徴カチタスグループの買取再販業者。全国で再生住宅を手がけ、累計販売戸数15,000戸超
上場・非上場非上場(親会社カチタスが東証プライム上場)
公式サイト公式サイトはこちら

※掲載順は本記事独自の参考評価であり、業者の優劣を断定するものではありません。実際の査定額・契約条件は物件の状況と各業者の判断により異なります。

空き家の処分でよくある質問(FAQ)

💡 この章の要点: 「壊してから」「片付けてから」「貸しながら」は、どれも処分の順番としては後ろに回したほうがよいものです。現状のまま値段が付くかを確かめるのが最初の一手で、そこから3つの分岐をたどります。

空き家を処分する方法にはどんなものがありますか?

A. 仲介で売る、買取で売る、貸す・活用する、解体して土地として売る、寄付・譲渡する、相続土地国庫帰属制度で国に引き取ってもらう、の6つです。所有者が確実に費用を先払いするのは解体と国庫帰属の2つで、ほかは代金から差し引かれるか持ち出しがありません。どれが向くかは早見表で確かめてください。

空き家の処分費用はいくらかかりますか?

A. 方法によって違います。買取なら登記費用と印紙代程度、仲介なら仲介手数料が代金から引かれます。解体するなら木造30坪で90〜150万円が目安の解体費と残置物処分費を先払いし、国庫帰属なら解体費に加えて審査手数料1万4,000円/筆と負担金(基本20万円)がかかります。「処分費用」と呼ばれるものの大半は解体費なので、解体しない方法を選べば持ち出しは小さくなります。

相続した空き家を処分したい。何から始めればいいですか?

A. 相続登記です。名義が亡くなった人のままでは売却も国庫帰属も進みません。登記は取得を知った日から3年以内、令和6年4月1日より前に相続した未登記の不動産は令和9年3月31日までが期限です。登記と並行して買取査定を取り、3,000万円特別控除の期限(相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日、かつ令和9年12月31日)から逆算して処分の時期を決めます。

解体してから処分したほうが売りやすいですか?

A. 更地の需要がはっきりある土地では、そうなることがあります。ただし解体費を先払いし、更地になった後の1月1日を基準に固定資産税の住宅用地特例が外れ、しかも売れる保証はありません。買取なら解体費は業者側の負担になるので、まず現状のまま査定を取り、解体は「壊したほうが手取りが増える」と両方の見積もりで確かめられたときに限るのが順番です。

「売れない」と言われた空き家でも処分できますか?

A. できます。値段が付かない原因はたいてい土地の需要にあり、建物ではありません。その場合の出口は、隣地の所有者への譲渡、0円や引き取り費用を払っての買取、相続した土地なら国庫帰属(解体が前提)です。仲介で売れない原因の切り分けは空き家が売れない時の対処法、寄付や譲渡の進め方は空き家の寄付・国庫帰属を参照してください。

空き家を国に引き取ってもらうことはできますか?

A. 相続または遺贈で取得した土地であれば、相続土地国庫帰属制度の対象です。ただし建物がある土地は却下事由なので、解体して更地にしてからの申請になります。費用は解体費に加えて、審査手数料が土地一筆1万4,000円(却下・不承認でも返還なし)、承認後の負担金が基本20万円(市街化区域等の宅地・農地と森林は面積に応じて増額)で、審査の標準処理期間は8か月です。境界が不明な土地や崖地も対象外なので、その前に買取で値段が付くかを確かめるのが順番です。

処分せずに放置するとどうなりますか?

A. 令和5年12月施行の改正空家法で、管理が行き届いていない空き家は「管理不全空家等」として自治体の勧告の対象になり、勧告を受けると住宅用地の固定資産税を最大1/6に減額する特例が解除されます。倒壊のおそれがある「特定空家等」になると、措置の命令や代執行(自治体が対策を実施し、費用を所有者から徴収)の対象です。放置は費用がかからない選択ではありません。

どのルートに進むかは、現状のまま値段が付くかで決まる

6つの処分方法のどれが合うかは、家の傷み具合ではなく「土地に出口があるか」で分かれ、それは片付けも解体もしないまま査定を取れば数日でわかります。 解体費を払う前、貸し出す前、国に渡す前に、いま無料査定を取っておくだけで、持ち出しの要らない道があるかどうかを先に確かめられます。

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まとめ|空き家の処分は「壊す前に、値段が付くか」を確かめてから

💡 この章の要点: 処分方法は6つ、持ち出しが確実なのは解体と国庫帰属だけ。分岐は「値段が付くか」「建物を残すか」「急ぐか」の順。相続なら登記が先で、3,000万円控除は令和9年末、100万円控除は令和10年末まで。

空き家の処分方法は、仲介・買取・貸す・解体して土地売却・寄付や譲渡・相続土地国庫帰属の6つです。所有者が確実に先払いするのは解体費と国庫帰属の手数料・負担金だけで、買取なら解体も片付けも業者側の作業になります。

ルートを決める分岐は、現状のまま値段が付くか、建物を残すか、急ぐか待てるか、の3つです。解体はどの分岐でも最初の手には出てきません。相続した家なら、その前に相続登記を済ませ、3,000万円特別控除の期限から処分の時期を逆算します。

冒頭で書いたとおり、処分したい人が最初に調べるのは解体費です。その見積もりを取ること自体は無駄ではありませんが、払う前に、壊さないまま値段が付くかを一度確かめてください。処分の手順で順番を間違えやすいのは、この一点です。

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