空き家の税金まるわかり|持つ・売る・相続の全税金マップ【2026】
「空き家って、持っているだけで税金がかかるの?」「売ったら税金はいくら?」「相続した時の税金は?」——空き家の税金は 「持つ」「売る」「相続する」の3つの場面 でそれぞれ違う税金がかかり、全体像を知らないと「想定外の請求」に驚くことになります。
この記事では、空き家にかかる税金の 全体マップ を3フェーズで整理し、① 保有中の固定資産税・都市計画税(+特定空き家の6倍リスク)、② 売却時の譲渡所得税と3,000万円控除、③ 相続時の相続税・登録免許税、それぞれの仕組みと節税ポイントを解説します。
結論を先にお伝えすると、空き家の税金で押さえるべきポイントは3つです。
- 持っているだけで年10万円前後(固定資産税+都市計画税)、特定空き家に認定されると 最大6倍
- 売却時は譲渡所得税(利益の約20%)だが、3,000万円特別控除で0円にできる ケースが多い
- 税金の合計は「早く売るほど少なくなる」 — 保有年数分の固定資産税が積み上がるため
「なんとなく持ち続ける」が税金面では一番の損。この記事で全体像をつかんでください。
空き家の税金、どの場面を知りたい? — 状況別ジャンプガイド
| 今の状況 | おすすめの読み始め |
|---|---|
| まず全体像を見たい | 税金の全体マップ |
| 持っているだけでかかる税金 | 保有中の税金 |
| 税金6倍が心配 | 特定空き家の6倍リスク |
| 売った時の税金 | 売却時の税金 |
| 相続した時の税金 | 相続時の税金 |
| 節税の全体戦略 | 節税ポイントまとめ |
空き家の税金の全体マップ — 3フェーズで整理

💡 TL;DR: 空き家の税金は ① 相続時(相続税・登録免許税)、② 保有中(固定資産税・都市計画税 = 毎年)、③ 売却時(譲渡所得税・印紙税)の3フェーズ。毎年かかるのは保有中だけ なので、保有期間が長いほど累計負担が増える。
3フェーズの税金一覧
| フェーズ | 税金 | 金額の目安 | 頻度 |
|---|---|---|---|
| ① 相続時 | 相続税 | 基礎控除(3,000万+600万×人数)超の場合のみ | 1回 |
| 登録免許税(相続登記) | 固定資産評価額 × 0.4% | 1回 | |
| ② 保有中 | 固定資産税 | 評価額 × 1.4%(住宅用地は最大1/6に軽減) | 毎年 |
| 都市計画税 | 評価額 × 0.3%(同・最大1/3に軽減) | 毎年 | |
| ③ 売却時 | 譲渡所得税 | 売却益 × 約20%(長期) | 1回 |
| 印紙税 | 売買契約書に数千〜数万円 | 1回 |
累計負担のイメージ(評価額1,200万円の実家を相続したケース)
相続時: 登録免許税 約5万円(+相続税は基礎控除内なら0円)
↓
保有中: 固定資産税+都市計画税 約4〜10万円 × 年数
5年持てば 20〜50万円、10年で 40〜100万円
↓
売却時: 3,000万円控除が使えれば譲渡所得税 0円
使えなければ売却益の約20%
「保有中」だけが毎年積み上がる
相続時・売却時の税金は1回きりですが、保有中の税金は毎年発生 します。さらに:
- 建物は経年で価値が下がる(売却額も下がる)
- 特定空き家に認定されると税額が最大6倍
- 3,000万円控除には売却期限がある(相続から3年経過する日の属する年12月31日)
つまり税金面では、「使う予定のない空き家は早く手放すほど得」 という構造になっています。
空き家を持っている間の税金 — 固定資産税・都市計画税
💡 TL;DR: 保有中は 固定資産税(1.4%)+ 都市計画税(0.3%) が毎年かかる。住宅が建っていれば 住宅用地特例で土地の税額が最大1/6 に軽減。空き家でも軽減は続くが、解体すると軽減が消えて土地の税金が跳ね上がる 点に注意。
固定資産税の計算方法
固定資産税 = 課税標準額 × 1.4%(標準税率)
- 課税標準額は市区町村が定める「固定資産税評価額」がベース
- 毎年1月1日時点の所有者に課税
- 4〜6月頃に納税通知書が届く(年4回分割 or 一括)
住宅用地特例(最大1/6)の仕組み
住宅が建っている土地は、以下の軽減が適用されます。
| 区分 | 固定資産税 | 都市計画税 |
|---|---|---|
| 小規模住宅用地(200㎡以下) | 評価額 × 1/6 | 評価額 × 1/3 |
| 一般住宅用地(200㎡超の部分) | 評価額 × 1/3 | 評価額 × 2/3 |
空き家でも「住宅が建っている」限り軽減は継続 します。これが「古家を解体せず残す」大きな理由の1つです。
具体例: 土地評価額1,200万円・建物評価額300万円
| 項目 | 計算 | 年税額 |
|---|---|---|
| 土地の固定資産税 | 1,200万 × 1/6 × 1.4% | 2.8万円 |
| 建物の固定資産税 | 300万 × 1.4% | 4.2万円 |
| 都市計画税(土地+建物) | 概算 | 約2万円 |
| 合計 | 約9万円/年 |
解体すると土地の税金が跳ね上がる
建物を解体して更地にすると住宅用地特例が消え、土地の固定資産税が約6倍(1/6軽減の消滅)になります。
- 解体前: 土地2.8万円 + 建物4.2万円 = 7万円
- 解体後: 土地16.8万円 + 建物0円 = 16.8万円
解体するなら「売却の直前」がセオリー。詳しくは 空き家は解体すべき?売却すべき?手取り比較で判断 を参照してください。
空き家の税金が6倍になる「特定空き家」リスク

💡 TL;DR: 倒壊危険・衛生問題等で 特定空き家(または管理不全空き家)に認定され「勧告」を受けると、住宅用地特例が解除 され土地の固定資産税が最大6倍に。年9万円が年20万円超になるケースも。回避策は定期管理 or 早期売却。
認定から増税までの流れ
管理不全状態 → 自治体の助言・指導(この段階では税優遇維持)
→ 勧告 ← ★ここで住宅用地特例が解除(最大6倍)
→ 命令(50万円以下の過料)
→ 行政代執行(強制解体・費用全額請求)
2023年改正で「予備軍」も対象に
従来は特定空き家のみでしたが、2023年12月の法改正で 管理不全空き家(放置すれば特定空き家になる状態)も勧告で税優遇解除の対象になりました。「窓が割れたまま」「雑草が越境」レベルでも対象になり得ます。
増税インパクトの例
土地評価額1,200万円(150㎡)の場合:
| 状態 | 土地の固定資産税 |
|---|---|
| 通常(住宅用地特例あり) | 約2.8万円/年 |
| 勧告後(特例解除) | 約16.8万円/年 |
→ 年14万円の増税。10年で140万円。
詳しい認定基準・回避策は 特定空き家とは|認定基準・固定資産税6倍・回避方法、固定資産税の詳細は 空き家の固定資産税 を参照してください。
空き家を売った時の税金 — 譲渡所得税と3,000万円控除

💡 TL;DR: 売却益(譲渡所得)に対して 長期保有なら約20%、短期なら約39% の譲渡所得税。ただし相続空き家は 3,000万円特別控除 の要件を満たせば 税金0円 になるケースが多い。控除には売却期限があるため早めの行動が節税に直結。
譲渡所得税の計算方法
譲渡所得 = 売却額 −(取得費 + 譲渡費用)
税額 = 譲渡所得 × 税率
| 所有期間 | 税率(所得税+住民税+復興特別所得税) |
|---|---|
| 長期(5年超) | 20.315% |
| 短期(5年以下) | 39.63% |
※相続した物件は 被相続人(親)の所有期間を引き継ぐ ため、実家ならほぼ長期譲渡になります。
取得費が分からない場合
親が昔買った実家は購入時の契約書が無いことが多く、その場合は 概算取得費 = 売却額の5% で計算します。取得費が小さくなる分、課税対象の譲渡所得が大きくなる点に注意。
3,000万円特別控除で「税金0円」に
相続した空き家の売却では、要件を満たせば 譲渡所得から最大3,000万円を控除 できます。
主な要件: - 昭和56年5月31日以前に建築された家屋 - 被相続人(故人)が相続開始直前まで一人暮らし - 相続から 3年経過する日の属する年の12月31日まで に売却 - 売却価格1億円以下 - 相続後に空き家のまま(賃貸・自己使用なし) - 譲渡時に耐震基準適合 or 更地譲渡(令和5年改正で買主解体もOK)
例: 売却額1,500万円・譲渡所得1,100万円の場合、控除適用で課税所得0円 → 約223万円の節税。
詳しい要件・失敗例は 空き家3,000万円特別控除|要件・失敗例・申請手順、具体的な税額の試算は 空き家売却の税金シミュレーション を参照してください。
売却後は確定申告が必要
3,000万円控除を使う場合、税額が0円でも確定申告が必須 です(申告しないと控除が適用されない)。売却した年の翌年2月16日〜3月15日に申告します。詳しくは 空き家売却の確定申告 を参照。
空き家を相続した時の税金 — 相続税と登録免許税
💡 TL;DR: 相続税は 基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人数)を超える場合のみ 課税。実家1軒+預貯金程度なら非課税のケースが多い。相続登記の 登録免許税(評価額×0.4%) は全員に発生。小規模宅地等の特例で評価額を最大80%減額できる場合も。
相続税の基礎控除
基礎控除 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
例: 相続人が子2人 → 4,200万円まで非課税。
空き家の相続税評価
| 資産 | 評価方法 |
|---|---|
| 土地 | 路線価 × 面積(実勢価格の8割程度) |
| 建物 | 固定資産税評価額(築古はほぼゼロに近い) |
小規模宅地等の特例(最大80%減)
被相続人の居住用宅地を同居親族などが相続する場合、330㎡まで評価額を80%減額 できます。ただし「空き家を相続する別居の子」には適用条件が厳しい(家なき子特例の要件確認が必要)ため、税理士への相談が安全です。
登録免許税(相続登記)
相続登記(2024年4月から義務化・3年以内)の際に、固定資産評価額 × 0.4% の登録免許税がかかります。評価額1,200万円なら約5万円。
相続全体の期限・手続きは 空き家相続の期限カレンダー、登記の詳細は 空き家の相続登記義務化 を参照してください。
空き家の税金を減らす節税ポイント5つ

💡 TL;DR: ① 3,000万円控除の期限内に売却、② 解体は売却直前に(住宅用地特例の維持)、③ 特定空き家認定を回避、④ 取得費の資料を探す、⑤ 相続時は小規模宅地等の特例を検討 — の5つ。最大の節税は「控除期限内の早期売却」。
ポイント1: 3,000万円控除の期限内に売却する
最大600万円規模の節税インパクト。期限は相続から3年経過する日の属する年12月31日。期限ギリギリは買い叩かれやすいため、1年以上前に動き出す のが理想です。
ポイント2: 解体は「売却直前」に
解体すると住宅用地特例が消え、固定資産税が跳ね上がります。解体するなら売却の目処が立ってから。1月1日時点の状態で課税されるため、年明け解体 → 年内売却 ならその年の増税を避けられます。
ポイント3: 特定空き家認定を回避する
年4回の管理(草刈り・換気・点検)で認定リスクはほぼ回避可能。遠方なら管理代行(月3,000円〜)が現実的です。空き家管理代行サービス 参照。
ポイント4: 取得費の資料を探す
親の購入時の売買契約書・領収書が見つかれば、概算取得費(5%)より大きい実額で計算でき、課税所得を減らせます。実家の書類棚・銀行の貸金庫・仲介した不動産会社の記録を確認しましょう。
ポイント5: 相続時は小規模宅地等の特例を検討
相続税がかかりそうな場合、小規模宅地等の特例(最大80%減)の適用可否で税額が大きく変わります。適用要件が複雑なため税理士に相談を。
空き家の税金のよくある質問
- 1. 空き家は持っているだけで税金がかかりますか?
- かかります。固定資産税(評価額×1.4%)+都市計画税(×0.3%)が毎年課税されます。住宅用地特例で軽減されていても、標準的な戸建てで 年5〜15万円 程度が目安です。
- 2. 空き家を売ったら必ず税金がかかりますか?
- 利益(譲渡所得)が出た場合のみ です。さらに相続空き家なら3,000万円特別控除で課税ゼロになるケースが多数。ただし控除を使うには税額0円でも確定申告が必要です。
- 3. 実家を相続したら相続税はいくらかかりますか?
- 基礎控除(3,000万円+600万円×相続人数)以下なら0円。実家1軒+預貯金程度の遺産なら非課税のケースが多いです。超えそうな場合は税理士に評価を依頼しましょう。
- 4. 空き家を解体したら税金はどうなりますか?
- 土地の固定資産税が最大6倍に増えます(住宅用地特例の解除)。解体は売却の目処が立ってからが鉄則です。
- 5. 税金の滞納を続けるとどうなりますか?
- 延滞金(年8.7%等)が加算され、最終的に財産差押え の対象になります。納税が苦しい場合は、売却による清算 or 自治体の納税相談を早めに。
- 6. 誰に相談すればいいですか?
- 最後にもう一度、空き家の税金の全体像を整理します。 税金の全体像がつかめたら、次は「持ち続けた場合の累計負担」と「今売った場合の手取り」の比較です。まずは無料査定で売却額の目安を把握しましょう。 関連: 空き家の固定資産税 / 特定空き家とは / 空き家3,000万円特別控除 / 空き家売却の税金シミュレーション / 空き家売却の確定申告





