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売却 - 空き家の買取と仲介どちらが得?手取り・期間・リスクで比較【2026】
売却

空き家の買取と仲介どちらが得?手取り・期間・リスクで比較【2026】

「空き家を売るとき、買取と仲介、どっちが得?」「業者から『買取で◯◯万円』と言われたけど、仲介ならもっと高く売れる?」

空き家売却の 買取と仲介 は、所有者の状況によって最適解が違います。この記事では、買取と仲介を 手取り・期間・リスク・手数料・適した物件タイプ の5観点で比較したうえで、検索してもなかなか出てこない 買取の査定から決済までの具体的な流れ と、手取りを左右する譲渡所得税の計算 まで整理します。

結論を先にお伝えすると、買取と仲介の選び方は以下の通りです。

  • 即金・スピード重視 → 買取(1〜3ヶ月、相場の60〜80%)
  • 手取り最大化重視 → 仲介(3ヶ月〜1年、相場の90〜100%)
  • 訳あり物件 → 専門業者の買取が現実解
  • 判断に迷うなら → 両方の査定を取って比較

「とりあえず仲介」「とりあえず買取」の決め打ちは損のもと。物件特性・売却期限・手取りニーズで判断します。

買取 vs 仲介、何で判断する? — 状況別ジャンプガイド

重視するポイント おすすめの読み始め
まず違いを知りたい 買取と仲介の基本的な違い
手取り計算 手取り比較シミュレーション
税金の計算方法 売却の税金と3,000万円控除
期間・スピード 期間とスピード比較
買取の具体的な流れ 買取の流れを日単位で
リスク・確実性 リスクと確実性比較
物件タイプ別の判断 物件タイプ別の最適選択
並行戦略を知りたい 両方を取る並行戦略

空き家買取と仲介の基本的な違い

💡 この章の要点: 買取は不動産業者自身が買い主となる売却方法。仲介は業者が買い主を探してマッチングする方法。買取は早い・確実、仲介は手取りが高い。仲介手数料には法定上限があり、800万円以下の空き家には2024年から特例(税込33万円まで)がある。

買取の仕組み

[所有者] → [不動産業者(=買主)] → 再販 or 自社活用
   ↑
 直接売却
  • 業者が 自社資金で物件を購入
  • 再販やリフォーム後の貸出を前提
  • 所有者は 即金で売却完了

仲介の仕組み

[所有者] → [仲介業者] → [買い主(個人・企業)]
   ↓                       ↑
 売却依頼              買い主探し
  • 業者は 買い主を探す立場
  • 所有者と買い主の 契約成立で手数料発生
  • 契約までの期間が長く、不確実性も伴う

買取と仲介のほかに、自治体の空き家バンクという入口もあります。売り方の選択肢を一覧で見比べてからこの記事に戻りたい読者は空き家を売る方法の全体像を参照してください。

5つの観点で比較

項目 買取 仲介
売却額 相場の60〜80% 相場の90〜100%
期間 1〜3ヶ月 3ヶ月〜1年
手数料 なし(or 少額) 法定上限あり(下記)
確実性 即金で確実 買い主探し次第
内見対応 業者のみ・1〜2回 不特定多数

仲介手数料の法定上限と「空き家特例」

仲介手数料は宅建業法にもとづく上限が定められており、物件価格の帯ごとに料率が決まっています(国土交通省・2026年8月確認)。

物件価格(税抜) 上限料率(税込)
200万円以下の部分 5.5%
200万円超〜400万円以下の部分 4.4%
400万円超の部分 3.3%
  • 計算例: 物件価格1,000万円 → 200万×5.5% + 200万×4.4% + 600万×3.3% = 上限39.6万円(税込)
  • 低廉な空家等の特例: 物件価格 800万円以下 の場合、2024年7月から売主・買主それぞれにつき 税込33万円(30万円×1.1) まで請求できる特例が施行

この特例は「安い空き家は手数料が少なすぎて仲介業者が動かない」問題への対策です。裏を返すと、300万円の空き家を仲介で売ると手数料が最大33万円(売却額の1割超) になり得ます。安い物件ほど、手数料ゼロの買取との手取り差は縮まります。

空き家買取と仲介の手取り比較シミュレーション

💡 この章の要点: 売却額1,000万円のケースで、買取手取り 約700万円、仲介手取り 約840万円。差は約140万円だが、仲介は売れない期間の維持費・機会損失あり。手取り絶対額 vs 確実性・スピード のトレードオフ。

モデルケース1:相場1,000万円の空き家

項目 買取 仲介
売却額 750万円(相場の75%) 970万円(相場の97%)
仲介手数料(税込) 0円 約39万円
譲渡所得税(概算) 約51万円 約88万円
手取り 約700万円 約843万円

前提: 取得費500万円(購入時の契約書あり)・所有期間5年超(長期譲渡・税率20.315%)・3,000万円控除は対象外のケース。仲介手数料は譲渡費用として所得から差し引いて計算。

→ 仲介の方が 約140万円 手取り多い。ただし、仲介は半年〜1年売れないリスク。

モデルケース2:相場500万円の地方物件

項目 買取 仲介
売却額 350万円(相場の70%) 480万円(相場の96%)
仲介手数料(税込) 0円 約22万円
譲渡所得税 0円 0円
手取り 約350万円 約458万円

前提: 相続空き家の3,000万円特別控除(国税庁)の要件を満たし課税なしのケース。控除が使えず取得費も不明だと、概算取得費(売却額の5%)での課税が発生する点に注意(次章で詳述)。

→ 差額 約110万円。一方、地方物件は仲介でも半年〜2年売れないケース多い。なお480万円は「800万円以下」なので、業者によっては特例上限の33万円を請求される場合もあります(事前に確認)。

モデルケース3:訳あり物件(再建築不可)

項目 買取(訳あり専門) 仲介(一般)
売却額 150万円 売れない可能性大
仲介手数料 0円 -
手取り 約150万円 ゼロ円(売却不成立)

→ 訳あり物件は 買取一択。仲介で売れないと、固定資産税負担だけが続く。

隠れたコスト

期間中の費用 月額
固定資産税 月数千〜数万円
管理費(草刈り・点検) 月数千〜1万円
内見対応の交通費・時間 1回数千〜1万円

仲介で1年売れなければ、上記累計で 10〜30万円 のコスト発生。「仲介の方が140万円多い」という比較は、この維持費と売れない可能性を織り込んでいない額面の差です。

空き家売却の税金 — 譲渡所得の計算と3000万円控除

💡 この章の要点: 売却益には 譲渡所得税(長期20.315%・短期39.63%)がかかる。親から相続した古い空き家は取得費が不明なことが多く、概算取得費(売却額の5%) だと税負担が重くなりがち。相続空き家の3,000万円特別控除 が使えるかどうかで手取りが大きく変わる。

譲渡所得税の計算式

買取でも仲介でも、税金の計算方法は同じです。

譲渡所得 = 売却額 −(取得費 + 譲渡費用)− 特別控除
税額     = 譲渡所得 × 税率
  • 取得費: 買ったときの価格(建物は減価償却後)。相続物件は 被相続人が買った価格 を引き継ぐ
  • 譲渡費用: 仲介手数料・印紙代・売るための解体費など
  • 特別控除: 相続空き家の3,000万円控除など(要件あり)

税率(2026年8月・国税庁確認)

区分 所有期間 税率
長期譲渡所得 5年超 20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)
短期譲渡所得 5年以下 39.63%(所得税30%+復興特別所得税0.63%+住民税9%)
  • 所有期間は 売却した年の1月1日時点 で判定
  • 相続物件は 被相続人の取得日を引き継ぐ ため、親が長く住んだ実家はほぼ長期譲渡(国税庁 No.3202)

「取得費が分からない」が最大の落とし穴

親が数十年前に買った(あるいは建てた)実家は、売買契約書が残っていないことが珍しくありません。取得費を証明できないと、売却額の5%を取得費とみなす概算取得費(国税庁 No.3258)で計算することになります。

例: 売却額800万円・契約書なし・長期譲渡・控除なし
  取得費   = 800万 × 5% = 40万円
  譲渡所得 = 800万 − 40万 = 760万円
  税額     = 760万 × 20.315% ≒ 約154万円
  • 売却額の ほぼ95%が利益扱い になる
  • 実家の権利証と一緒に、購入時・建築時の契約書を探す のが節税の第一歩
  • 契約書が出てこなければ、次の3,000万円控除が使えるかが勝負どころ

相続空き家の3,000万円特別控除

相続した空き家の売却では、要件を満たせば譲渡所得から 最高3,000万円 を控除できます(国税庁 No.3306・2026年8月確認)。

要件 内容
建築時期 昭和56年5月31日以前 に建築された家屋(旧耐震)
売却期限 相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日 まで
売却額 1億円以下
家屋の状態 耐震基準を満たすか、取り壊して売る(2024年以降は譲渡翌年2月15日までの耐震改修・取壊しでも可)
控除額 最高3,000万円(相続人が3人以上の場合は2,000万円)
適用期限 2027年12月31日までの売却
  • 区分マンションは対象外、相続から売却まで 空き家のまま(貸したり住んだりしない)などの細かい要件もあり
  • 控除が使えれば、モデルケース2のように 税ゼロ も十分あり得る
  • 逆に 期限を過ぎると数十万〜数百万円の課税 が発生し得るため、「3年目の年末」が近い場合は、確実に売り切れる買取が有力になります

空き家買取と仲介の期間とスピード比較

💡 この章の要点: 買取は 査定 → 契約 → 決済 で 1〜3ヶ月(訳あり物件なら最短2週間)。仲介は 査定 → 売却活動 → 内見 → 契約 → 決済 で 3ヶ月〜1年。期限がある場合は買取の方が安心。

買取のタイムライン

[1] 査定依頼: 1〜3日
   ↓
[2] 訪問査定: 1〜2週間
   ↓
[3] 買取金額提示・交渉: 1週間
   ↓
[4] 売買契約: 1〜2週間
   ↓
[5] 決済・所有権移転: 1〜2週間
   ↓
合計: 1〜3ヶ月

仲介のタイムライン

[1] 査定依頼: 1〜2週間
   ↓
[2] 媒介契約・売り出し開始: 1週間
   ↓
[3] 売却活動・問い合わせ・内見: 1ヶ月〜半年
   ↓
[4] 契約交渉: 1〜2週間
   ↓
[5] 売買契約・決済: 1ヶ月
   ↓
合計: 3ヶ月〜1年(地方は2年以上もあり)

スピード重視ならどっち?

売却完了希望 推奨
1ヶ月以内 買取(訳あり物件専門なら最短2週間)
3ヶ月以内 買取
半年以内 仲介 or 買取
1年以内 仲介(地方は買取)
期限なし(最大手取り重視) 仲介

3,000万円控除の期限がある場合

前章の通り、相続空き家の控除は 相続から3年を経過する日の属する年の12月31日 までの売却が要件です。

  • 期限まで 半年以上 あれば仲介可
  • 期限まで 3ヶ月以内 なら買取で確実に間に合わせる
  • 仲介で売り出して間に合わなくなるくらいなら、控除を確実に取れる買取の方が手取りで勝つ場合があります

空き家買取の流れ — 査定から決済までを日単位で

💡 この章の要点: 買取は「問い合わせ → 机上査定 → 現地調査(1回)→ 価格提示 → 条件調整 → 契約 → 決済」の7段階。現地調査は30分〜1時間の1回だけで、残置物そのまま・現況渡し・契約不適合責任の免除 が標準。書類さえ揃えば最短2〜3週間で入金まで進む。

仲介の流れを解説する記事は多いのに、買取の流れは「早い」の一言で済まされがちです。実際に何が起きるのかを日単位で並べます。

買取の7ステップ

[1] 問い合わせ・物件情報の提供: 当日〜3日
     住所・築年・面積・現況(残置物の有無等)を伝える
   ↓
[2] 机上査定(概算価格の提示): 1〜3日
     周辺相場と公開情報から「◯◯〜◯◯万円」のレンジ提示
   ↓
[3] 現地調査: 日程調整して1回・30分〜1時間
   ↓
[4] 正式な買取価格の提示: 調査後2日〜1週間
   ↓
[5] 条件調整: 数日
     引き渡し時期・残置物の扱い・契約不適合責任の免除等
   ↓
[6] 売買契約: 価格合意後1〜2週間(手付金の授受)
   ↓
[7] 決済・所有権移転・入金: 契約後1〜4週間

現地調査で見られるもの

  • 建物の状態: 雨漏り・傾き・シロアリ痕・基礎のひび
  • 再生コストの見積もり: リフォームで再販できるか、解体して土地で売るか
  • 境界と接道: 隣地との境界標の有無、前面道路の幅
  • 残置物の量: 家財の処分費を査定に織り込むため
  • 周辺環境: 再販時の需要(駐車スペース・日当たり・嫌悪施設)

立ち会いは1回で済み、掃除や片付けをしてから迎える必要はありません。業者は「現況のまま」を前提に値付けする ので、見栄えを整えても査定額はほぼ変わりません。

決済までに必要な書類

書類 入手先 備考
登記識別情報(権利証) 自宅保管 紛失時は司法書士の本人確認手続きで代替可
印鑑証明書 市区町村役場 発行3ヶ月以内
固定資産税納税通知書 自宅保管 税の日割り精算に使用
本人確認書類 - 運転免許証等
遺産分割協議書・戸籍一式 相続の場合 相続登記(名義変更)完了が決済の前提

つまずきやすいのは相続まわりです。亡くなった親の名義のままでは決済できない ため、相続登記が未了なら司法書士への依頼から始まります(1〜2ヶ月かかることも)。買取業者は提携司法書士ごと段取りしてくれるのが通例なので、未了でも査定は先に進められます。

買取ならではの契約条件

  • 契約不適合責任の免除特約: 引き渡し後に雨漏りやシロアリが見つかっても売主が責任を負わない特約が標準。仲介(個人の買主)では免除しにくい
  • 残置物そのまま: 仏壇・家電・衣類まで含めて引き取る業者が多い(処分費は査定に織り込み済み)
  • 現況渡し: 修繕・測量・解体は一切不要
  • 引き渡し時期の調整: 「遺品整理が終わる来月末に」など売主都合で設定可能

買取価格はどう決まるか

再販想定価格(リフォーム後 or 更地)
 − 再生費用(リフォーム・解体・残置物処分)
 − 諸経費・保有中の税・利益
 = 買取価格

「相場の60〜80%」という水準は、この構造から来ています。値引き交渉の余地は業者の利益部分にしかないので、交渉の武器は他社のオファー です。「他社で◯◯万円」と伝えるのが最も効きます。

実例:築45年・地方の相続空き家を売るまで

💡 この章の要点: 仲介で10ヶ月売れず値下げを2回した末に、買取で3週間で決済した実例パターン。仲介の査定額(売出し価格)と成約額は別物、売れない期間の維持費・交通費は静かに積み上がる。最初に両方の査定を取っていれば比較の物差しがあった。

数字だけの比較では実感が湧きにくいので、例を一つ置きます。細部を簡略化した架空の例ですが、地方の相続空き家ではよくある経過です。

  • 物件: 地方都市郊外・木造築45年・家財が残ったまま
  • 売主: 県外在住の長男。実家まで車で2時間
  • きっかけ: 3月に父親が死去、誰も住む予定がない

時系列で追うと次のようになります。

時期 出来事
3月 相続発生。家財はそのまま、電気だけ止める
5月 地元の仲介業者に査定依頼。「680万円で売り出しましょう」
6月〜12月 問い合わせ3件・内見2件。そのたびに車で2時間かけて立ち会い
1月 630万円に値下げ。反応なし
3月 580万円に再値下げ。相続から1年、固定資産税の納付書が2回目
4月 買取査定を3社に依頼。420万・450万・470万の提示
5月 470万円の業者と契約。残置物そのまま・現況渡し
契約3週間後 決済・入金。鍵を渡して終了

この例から拾える判断材料は3つです。

  • 仲介の「680万円」は売れる保証のない売出し価格 だった。成約できないまま値下げを重ね、最終的な比較対象は580万円ですらなく「売れない」だった
  • 10ヶ月の間に維持費と交通費が積み上がった。固定資産税・草刈り・往復のガソリン代で、買取と仲介の額面差の一部は相殺されていた
  • 最初に買取査定も取っていれば、「仲介で◯ヶ月やって売れなければ470万円で確定」という撤退ラインを最初から引けた

買取が常に正解という話ではありません。都市部の需要がある物件なら、この例とは逆に仲介があっさり高値で決まります。効くのは、売り出す前に両方の数字を手元に置くこと です。

空き家買取と仲介のリスクと確実性比較

💡 この章の要点: 買取は 業者が買主なので「売れない」リスクが実質ない、仲介は 不確実性あり(売れない・値下げ・契約後のキャンセル)。買取は 即金 = 計画立てやすい、仲介は 手取り最大化チャンスあり + 不確実性。

買取のリスク

  • 売却額が相場より低い(60〜80%)
  • 業者によっては査定額に幅(3社以上の相見積もり推奨)
  • 売却額交渉後の値下げ要請の可能性
  • 急ぎ売却を理由に買い叩かれリスク

買取業者そのものの見極め方は 空き家買取業者の選び方チェックリスト15項目|悪質業者の見抜き方 にまとめています。

仲介のリスク

  • 売れないリスク: 半年〜2年売れない可能性
  • 値下げ繰り返し: 結果的に買取より安く売れることも
  • 買主の住宅ローン審査落ち: 契約後のキャンセル
  • 内見対応の手間: 鍵の開閉・内見立会い等
  • 媒介契約の縛り: 専任系は他社依頼不可

確実性の高さ

項目 買取 仲介
売却の確実性 ★★★ ★
売却額の確実性 ★★ ★
時間の確実性 ★★★ ★
手数料の予測性 ★★★ ★★

「契約解除」リスク

  • 仲介でも売買契約成立後の解約はある
  • 買主の住宅ローン審査落ち(融資特約による白紙解除)
  • 買主都合の解約は手付金(売却額の10%程度)の放棄

買取の場合は業者が自社資金で買うため、ローン審査による白紙解除リスクがありません。「契約したのに振り出しに戻る」事態を避けたい人には、これが金額差以上に効きます。

空き家物件タイプ別の買取or仲介の判断

💡 この章の要点: 通常物件・都市部は 仲介、訳あり物件・地方・急ぎ売却は 買取。判断に迷うなら、両方の査定を取って手取りを比較するのが鉄則。

物件タイプ別の判断表

物件タイプ 推奨 理由
都市部・整形地・新耐震 仲介 買い手多数・手取り最大化
都市部・旗竿地・旧耐震 どちらも検討 物件特性次第
地方・整形地・旧耐震 どちらも検討 立地次第
地方・再建築不可 買取(訳あり専門) 仲介で売れにくい
過疎地・古家 買取(訳あり専門) 仲介で買い手見つからない
事故物件 買取(事故物件専門) 一般仲介困難
共有名義・相続未了 買取(専門業者) 仲介で買主見つかりにくい
急ぎ売却(3ヶ月以内) 買取 即金で確実
期限なし・手取り重視 仲介 時間をかけて高値で売る

住宅ローンの残債がある家は、買取か仲介かの前に、売却代金で残債を完済できるかどうかが先に決まります。残債が売却額を上回るオーバーローンなら選べる手段が変わるため、ローンが残った空き家を売る手順で残債の確認から進めてください。

表の「過疎地・古家」のように建物に値が付かない物件は、仲介でも買取でも、建物を0円扱いにした古家付き土地として売ることになります。買主が個人なら建物の契約不適合責任の免責は交渉次第、買取業者なら認められやすい、という違いが出ます。買主の違いで変わる契約条件は古家付き土地として売る3つのルートと契約実務にまとめています。

判断フレーム

1. 物件状態(通常 or 訳あり)を確認
2. 売却期限(3,000万円控除の期限含む)を確認
3. 手取り重視 or 確実性重視を決める
4. 両方の査定を取って手取り比較
5. 物件特性 + 期限 + 査定額で最終判断

「買取保証付き仲介」という選択肢

一部の業者は 「買取保証付き仲介」 を提供:

  • 一定期間(3〜6ヶ月)仲介で売却活動
  • 売れなければ 業者が買取保証額で買取
  • 期間内に売れれば仲介の手数料、売れなければ買取の安心

この方式なら 手取り最大化 + 確実な期限内売却 が両立可能。ただし保証額は通常の買取価格より低めに設定される傾向があるため、保証額と単独の買取査定額は必ず見比べます。

空き家買取と仲介の両方を活用する並行戦略

💡 この章の要点: 仲介(一般媒介)で売却活動 + 並行して買取査定 を取得。先に好条件で売れた方を採用 する並行戦略が手取り最大化の鉄則。一般媒介なら法的に問題なし。

並行戦略のステップ

  1. 一般媒介契約 で複数の仲介業者に依頼
  2. 同時に買取専門業者 にも査定依頼
  3. 仲介の売却活動と並行して、買取オファーも保持
  4. 期限内に仲介で売れれば → 仲介で売却
  5. 期限内に売れなければ → 買取オファーで売却完了
  6. 買取が魅力的なら → 仲介取り下げて買取

並行戦略のメリット

  • 時間の保険: 仲介で売れなくても買取で確実に売却
  • 価格交渉力: 「買取が◯◯円ある」と仲介業者に伝えれば値下げ要請に強くなる
  • 撤退ラインが引ける: 「◯月までに売れなければ買取」と決めておけば、ずるずる値下げを続けずに済む
  • 手取り最大化: より高い方を選べる

並行戦略の注意点

  • 専任・専属専任契約は不可(媒介契約条項違反)
  • 一般媒介でも「他社・買取と並行している」と告知するのがマナー
  • 業者によっては「並行はちょっと…」と消極的になる場合あり
  • 買取オファーには有効期限がある(1〜3ヶ月程度)。古いオファーは再査定が必要

「即金が必要 + 手取り最大化」の両立は難しい

通常は 即金 vs 手取り のトレードオフ。買取保証付き仲介で部分的に両立可能だが、保証額自体が低めに設定される傾向。

査定から決済までの全体の手順は空き家売却の流れ7ステップで追えます。

空き家買取と仲介のよくある質問

1. 買取の方が手数料が安いと聞きました。本当?

本当です。買取は業者自身が買主のため、仲介手数料が不要。売却額3,000万円なら仲介手数料の上限は 約106万円(税込) で、これがまるごと浮きます。

2. 買取と仲介、両方の査定を取っていいですか?

OK。一般媒介契約なら他社や買取業者と並行可能。むしろ複数の見積もり比較が鉄則。専任・専属専任契約は1社限定なので注意。

3. 買取業者が言う「即金」って本当に即日?

1〜2週間程度。「即金」 = 「現金一括」を指し、契約 → 決済 → 振込で1〜2週間が標準。即日振込は稀。

4. 仲介で売れないと買取に切り替えできますか?

できます。媒介契約期間終了後(通常3ヶ月)、買取に切り替え可能。途中で買取を選ぶ場合は媒介契約の解除手続きが必要。

5. 不動産屋に「仲介の方が良い」と言われましたが、本当?

疑うべき。仲介手数料が業者の利益になるため、業者は仲介を勧める傾向。物件特性によっては買取の方が手取り多い場合あり。両方の試算で判断。

6. 買取の査定額が低すぎる時は?

3社以上の相見積もり。「他社で◯◯円のオファーあり」と伝えれば値上げ交渉余地あり。ただし、相場の60〜80%は買取の構造的限界。

7. 査定額どおりに売れますか?

買取と仲介で査定額の意味が違います。買取の査定額は業者自身が買う価格の提示で、原則そのまま契約額になります(現地調査の結果次第で減額されることはあります)。一方、仲介の査定額は「この価格なら売れそう」という売り出し価格の目安で、成約を保証しません。売却活動が長引けば値下げを重ね、査定額を下回る成約になることもあります。仲介の高い査定額を、そのまま手取りの差と読み替えないでください。査定で評価される項目は 空き家の査定で見られるポイント 参照。

8. 安い空き家だと仲介手数料が割高になるって本当?

本当です。物件価格800万円以下の売買には、仲介業者が売主から 税込33万円 まで受け取れる特例があります(2024年7月施行・国土交通省)。300万円の物件なら手数料が売却額の1割を超えることも。安い物件ほど「手数料ゼロの買取」との実質差は縮まるので、額面でなく手取りで比較してください。

9. 買取なら契約不適合責任は完全にゼロになりますか?

免責特約で大半は消えますが、知っていて告げなかった事実だけは残ります。売主が責任を負わない特約をしても、「知りながら告げなかった事実」については責任を免れられません(民法572条)。雨漏り、シロアリ、地中の埋設物など、知っている不具合は告知書に書いたうえで免責特約を付けるのが、免責を有効に保つ手順です。逆に免責特約がない仲介では、買主が不適合を知った時から1年以内に通知すれば売主に責任を問える(同566条)ため、個人の買主が相手だと引き渡し後も責任が続きます。免責の交渉が買主の属性でどう変わるかは古家付き土地の契約実務にまとめています。

動くなら早いほうが選択肢が多い

空き家には「特定空家指定で固定資産税が最大6倍」「相続から3年以内の譲渡で3,000万円特別控除」など、期限のある制度が複数あります。 売却を決める前でも、いま無料査定を取っておくだけで判断材料が増えます。

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まとめ — 「両方の査定で手取り比較」が買取vs仲介の決定打

最後にもう一度、空き家買取vs仲介のポイントを整理します。

  • 買取: 即金・確実、相場の60〜80%、1〜3ヶ月。残置物そのまま・現況渡し・契約不適合責任免除が標準
  • 仲介: 手取り高い、相場の90〜100%、3ヶ月〜1年。査定額は成約額ではない
  • 税金: 取得費不明の相続空き家は課税が重くなりがち。3,000万円控除の要件と期限を先に確認
  • 物件タイプ: 訳あり・急ぎは買取、通常物件・期限なしは仲介
  • 並行戦略: 一般媒介 + 買取査定 を同時運用が手取り最大化

「とりあえずどちらか」で決めずに、両方の見積もりで判断するのが鉄則です。

関連: 空き家を高く売る7つのコツ / 空き家の売却相場2026 / 訳あり物件の売却

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