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相続 - 空き家相続|何から始める?手順・節税・売却まで【2026年】
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空き家相続|何から始める?手順・節税・売却まで【2026年】

親が亡くなり実家を相続した、住む予定はない、手続きの仕方も分からない——空き家相続は、初めての方ほど何から手をつければよいか迷うものです。

この記事では、相続発生直後の初期動作から、2024年4月施行の 相続登記義務化、最大3,000万円が控除される 3,000万円特別控除、売却・賃貸・解体・放棄の判断軸、専門家への相談先まで、所有者目線で実務を整理します。

結論を先にお伝えすると、空き家相続では次の3つの期限がカギになります。

  • 相続放棄: 自己のために相続の開始があったことを知った日から 3ヶ月以内
  • 相続登記: 不動産取得を知った日から 3年以内(2024年4月義務化)
  • 3,000万円特別控除: 相続開始から 3年経過する日の属する年の12月31日まで に売却

この記事を読み終える頃には、自分が次にすべきことが見えているはずです。

空き家相続、いまあなたはどの段階? — 状況別ジャンプガイド

すべてを最初から読まなくて大丈夫です。今のご自身の状況に近いところからお読みください。

今の状況 おすすめの読み始め
親が亡くなったばかり、何から動けばいいか分からない 空き家を相続したら最初にやるべきこと
借金が多い、相続放棄も検討 最初にやるべきこと(3ヶ月期限の警告あり)
名義変更がまだ、登記義務化が気になる 空き家相続で必須の相続登記義務化
持ち続けるか売るかで迷っている 4つの選択肢と判断軸
売却を急いでいる、節税したい 3,000万円特別控除
専門家に相談したい、誰に頼めばいい? 困ったときの相談先

空き家相続の期限タイムライン — 発生から3年・10年で何が起こるか

空き家相続には複数の期限があり、見落とすと選択肢が狭まります。一目で把握できるよう時系列で整理します。

  1. 相続発生(死亡日)

    ここが起算日。以下の期限はすべてこの日を基準に進みます

  2. 7日以内

    死亡届を市区町村役場へ提出

  3. 3ヶ月以内絶対期限

    相続放棄・限定承認を家庭裁判所へ申述(借金・保証債務が多い場合に検討)

  4. 4ヶ月以内

    被相続人の準確定申告(該当ケースのみ)

  5. 10ヶ月以内

    相続税の申告・納付(基礎控除を超える場合)

  6. 3年以内義務

    相続登記の申請(2024年4月〜義務化、怠ると過料10万円以下)

  7. 3年経過する日の属する年の12/31

    相続空き家の3,000万円特別控除の売却期限

  8. 2027年3月31日まで義務

    2024年3月以前に発生した相続分も登記が必要

💡 ポイント: 「3年」が登場するのは2回(相続登記の期限・3,000万円控除の期限)で、起算日が違います。混同しやすいので、自分の相続開始日を起点にカレンダーに登録しておくと安心です。

空き家を相続したら最初にやるべきこと — 初期動作と3つの期限

💡 この章の要点: 死亡届(7日以内)→ 遺言書確認 → 相続人特定(戸籍収集)→ 財産調査の順で進めます。相続放棄は3ヶ月以内が絶対期限。空き家の処分判断は、相続そのものを引き継ぐかの判断より後です。

空き家相続でまず動くべきは、相続そのものの「初期動作」を済ませることです。期限が短い手続きを後回しにすると、後で取り返しがつかなくなります。

死亡届と銀行口座凍結(7日以内)

  • 期限: 死亡の事実を知った日から 7日以内 に市区町村役場へ提出
  • 提出後: 受理されると戸籍に死亡が記載され、ここから相続手続きが事実上スタート
  • 口座凍結: 銀行は死亡を知った時点で口座を凍結。葬儀費用などで急ぎの引き出しが必要なら早めに動く

遺言書の有無を確認する

遺言書の有無で、その後の手続きが大きく変わります。確認すべきは次の3点です。

  • 自筆証書遺言(自宅にある可能性)
  • 公正証書遺言(公証役場で「遺言検索システム」により照会可能)
  • 自筆証書遺言書保管制度(法務局で保管照会可能)

自筆証書遺言が自宅で見つかったら、封を開けずに家庭裁判所の 検認 を受けます(裁判所「遺言書の検認」、2026-09-15確認)。

  • 申立先と費用: 遺言者の最後の住所地の家庭裁判所。遺言書1通につき収入印紙800円分と連絡用の郵便切手
  • 封印のある遺言書: 家庭裁判所で相続人の立会いのもと開封する決まり。自分で開封しない
  • 検認が要らないもの: 公正証書遺言と、法務局の保管制度で交付される遺言書情報証明書
  • 検認の意味: 偽造や変造を防ぐための手続きで、遺言の有効無効を判断するものではない

相続人の確定(戸籍収集)

  • やること: 被相続人(亡くなった方)の 出生から死亡までの全戸籍 を集め、相続人を確定させる
  • 注意: 兄弟姉妹相続では戸籍量が膨大になりやすい
  • 期間の目安: 収集に1〜2ヶ月かかるケースもある

相続財産の調査 — プラスとマイナスの両方

  • プラス財産: 不動産、預貯金、有価証券など
  • マイナス財産: 借入金、保証債務など
  • 注意: マイナス財産が多い場合は相続放棄の3ヶ月を意識する

相続放棄は「知った日から3ヶ月以内」が絶対期限

次のようなケースでは相続放棄を検討します。

  • 借金や保証債務が多い
  • 空き家管理を引き継ぎたくない
  • 相続トラブルに巻き込まれたくない

家庭裁判所への申述は、自己のために相続の開始があったことを知った日から3ヶ月以内です。この期限を過ぎると、原則として単純承認(プラス・マイナス両方を相続)が確定します。

申述先は被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所で、費用は申述人1人につき収入印紙800円分と、裁判所ごとに定められた郵便切手代です(裁判所「相続の放棄の申述」)。費用は小さいので、迷う理由になるのは期限のほうです。

借金の総額が分からず、それでも実家を残したい場合には、相続で得た財産の限度でだけ借金を返す 限定承認 という第三の道があります。相続人全員が共同で3ヶ月以内に申述する必要があり、放棄より手続きは重くなります。向く条件と落とし穴は限定承認とは?実家を残して借金を清算する条件で整理しています。

なお、相続放棄をしても 改正民法940条 により、現に占有している相続財産には次の相続人または相続財産清算人に引き継ぐまで保存義務が残る点に注意します。

その他の税務期限 — 準確定申告(4ヶ月)と相続税申告(10ヶ月)

空き家相続では、相続放棄(3ヶ月)以外にも見落とせない税務期限があります。

  • 準確定申告(4ヶ月以内): 被相続人が事業所得・不動産所得・年金以外の所得などで確定申告対象だった場合、相続人が代わって申告。死亡した日の翌日から4ヶ月以内
  • 相続税申告(10ヶ月以内): 相続財産の総額が 基礎控除(3,000万円 + 法定相続人数 × 600万円) を超える場合に申告義務。例えば法定相続人2人なら 3,000 + 1,200 = 4,200万円超で申告必要

空き家を含む不動産の評価額は路線価方式・固定資産税評価額方式で算出されます。「家は古いから相続税はかからない」と思っていても、土地の評価額が高ければ申告対象になるケースがあります。基礎控除を超える可能性があれば、税理士に早めに相談しておきます。

空き家相続で必須の相続登記義務化(2024年4月)と過料リスク

2024年4月施行の相続登記義務化と過料リスクのイメージ

💡 この章の要点: 2024年4月から、不動産を相続したら 知った日から3年以内 に登記が義務化、過料は 10万円以下。過去の相続も対象で、2027年4月1日まで に登記必要。難しいケースは 「相続人申告登記」 で簡易に義務を満たせます。

空き家を相続した方も例外なく対象です。義務違反は罰則の対象になります。

期限と過料の仕組み

法務省の公式情報によると、期限と罰則は次の通りです。

ケース 登記の期限 違反した場合
相続で所有権の取得を知った 知った日から3年以内 正当な理由なく違反で 10万円以下の過料
遺産分割が成立した 遺産分割成立の日から3年以内 同上

過去の相続にも遡って適用される

重要なのは、2024年4月1日より前に発生した相続も対象 になる点です。義務化前に相続した不動産でも、2027年4月1日まで に相続登記を完了させる必要があります。

「祖父名義のまま放置されている空き家」に心当たりがある方は、いま動き始めないと過料の対象になります。

相続人申告登記でひとまず義務を満たす

正式な相続登記が遺産分割の長期化で間に合わないケース向けに、相続人申告登記 という簡易な制度があります。

  • やり方: 法務局に「自分が相続人である」と申告するだけ
  • 効果: 義務違反を回避でき、後から正式な相続登記を行う猶予が得られる
  • 限界: この登記をしても、その不動産の売却・賃貸はできない。「とりあえず違反は避けたい」段階の救済策

自分でやる場合の費用と司法書士に頼む相場

  • 自分で申請: 登録免許税は 固定資産評価額 × 0.4%(評価額1,000万円なら4万円)
  • 司法書士に依頼: 報酬は事務所により異なる。日本司法書士会連合会の2024年3月のアンケートでは、評価額1,000万円の土地1筆・建物1棟を相続人3名のうち1名が単独取得する設例(戸籍5通の取得、遺産分割協議書の作成込み)で 平均74,888円(税込) でした(報酬に関するアンケート結果、2026-09-11確認)。戸籍収集も含めて依頼できる

空き家相続後の出口戦略 — 4つの選択肢と判断軸(売る・持つ・活用・放棄)

売る・持つ・活用・放棄 — 4つの選択肢と判断軸のイメージ

💡 この章の要点: 相続した空き家は 売る・持ち続ける・活用する・解体する の4方向(+相続放棄)。判断軸は立地・築年・法的制約・権利関係・将来の家族計画の5つ。持ち続けるコストは年5〜15万円+特定空き家指定で固定資産税6倍リスク があり、迷うほど不利になりやすいテーマです。

持ち続ける場合の年間コストと放置リスク

「とりあえず持っておく」を選ぶ前に、年間のキャッシュアウトを把握します。

  • 固定資産税: 評価額1,000万円で年14万円(税率1.4%)が目安。市街化区域内では都市計画税も上乗せ
  • 水道・電気の最低契約: 月1,000〜2,000円
  • NHK受信料: テレビがある限り発生(撤去すれば不要)
  • 火災保険: 年5,000〜2万円(空き家は加入できる商品が限定)
  • 草木の手入れ・管理代行: 年3万〜10万円

最低でも 年5万〜15万円 は固定費としてキャッシュアウトします。

さらに放置には増税リスクもあります。

  • 2023年の法改正: 空き家対策特別措置法改正で、特定空き家 に加え 管理不全空き家 も指定対象に追加
  • 指定されると: 住宅用地の特例が解除され、土地の固定資産税が 最大6倍 に跳ね上がる(国土交通省公式)
  • 放置5年の試算: 売却相場500万円・年間維持費10万円の物件なら、固定費だけで 50万円 がキャッシュアウトし、建物の劣化で買取相場も下がる

判断軸1: 立地(駅徒歩・学区・商業圏)

  • 仲介でも売却しやすい立地: 駅から徒歩15分以内、人気の学区、商業圏が徒歩圏
  • 買い手がつきにくい立地: 最寄り駅までバス便、商業施設なし、高齢化が進む地域(買取専門業者が現実的)

判断軸2: 築年数と構造(昭和56年5月の新耐震境界)

  • 境界線: 昭和56年(1981年)5月31日 が新耐震基準の境界。この日以前の建築は旧耐震
  • 旧耐震の影響: 住宅ローン審査・耐震基準適合証明書取得・3,000万円控除の適用などに影響
  • 新耐震でも: 雨漏り・シロアリ・基礎クラックなど劣化具合で評価は大きく変わる

判断軸3: 法的制約(再建築可・接道要件・市街化調整区域)

  • 再建築不可: 接道義務(4m以上の道路に2m以上接道)を満たさない物件は再建築不可となり、価格は大幅に下がる
  • 市街化調整区域: 原則として住宅の新築ができないため、買い手が限定される

判断軸4: 権利関係(共有名義・抵当権・借地権)

兄弟姉妹との共有名義の場合、全員の同意がないと売却できません。よくある対立パターンは次の通りです。

  • 「兄は売りたい、妹は思い出があるので残したい」 → 売却が止まる
  • 一人が遠方在住で書類対応が滞る → 売却タイミングを逃す
  • 配偶者が口を出してこじれる → 相続人外の意見で分裂

  • 回避策: 早期の遺産分割協議。法定相続分どおりの共有にせず、誰か1人の単独名義にして金銭で精算する形にすれば、その後の売却・賃貸・解体がスムーズ(遺産分割協議書の作成は司法書士に依頼可)。1人が取得して現金で精算するなら代償分割、売って分けるなら換価分割で、どちらも共有で登記する前に協議書へ書いておく。登記に通る記載要件と、代償分割・換価分割の条項例は遺産分割協議書の書き方が担当している

  • 最終手段: 協議がまとまらない場合は 共有物分割請求訴訟。ただし時間・費用ともに大きいため、専門家(弁護士・司法書士)を交えた話し合いで合意を目指す
  • 要注意の権利関係: 抵当権付き(住宅ローン残債あり)・借地権付きの空き家は、一般の仲介では敬遠されやすく、専門の買取業者でないと扱いが難しい。借地権を相続した場合の手続き(地主の承諾は要るのか・建物の相続登記・相続税評価・出口の選び方)は借地権の相続にまとめている

住宅ローンが残ったまま親が亡くなった場合、団体信用生命保険に加入していれば保険金で完済されるのが原則ですが、未加入ならローン債務も相続の対象になります。残債の確認から抵当権抹消までの手順はローンが残った実家を相続したときの手順を参照してください。

判断軸5: 「子どものために残す」の落とし穴

「いつか子どもが家を建てるかも」と考える方は多いですが、現実には次の点を考えておく必要があります。

  • 子の世代に相続した時、子は同じ「相続したけれど困る」状態になる可能性
  • 世代を超えて共有名義のまま続くと、孫世代では相続人が10人以上に膨らみ売却が事実上不可能になることも
  • 維持費はその間も毎年発生し続ける

次世代に判断を先送りするコストは想像以上に大きくなります。

売却以外の選択肢の詳細

選択肢 内容 注意点
賃貸(DIY型・サブリース) 家賃収入が見込める リフォーム費用・空室リスク・3,000万円控除と併用不可
民泊・宿泊施設 観光地立地なら収益化可 住宅宿泊事業法の年180日制限・運営代行が現実的
自己利用・セカンドハウス 特定空き家指定を回避 定期的な訪問・管理が必要
解体 老朽化が著しい場合 解体費用100万〜・更地化で固定資産税が上がる
相続土地国庫帰属制度 建物がない土地のみ国に引き取り 10年分の管理費相当(20万〜)を一括負担。申請時に審査手数料(土地一筆14,000円)が別途かかり、却下・不承認でも返還されない

判断早見表

物件タイプ 推奨アクション
立地良・新耐震・建物使える 仲介で売却 or 賃貸
立地良・旧耐震 仲介 or 解体新築用地として売却
立地悪・旧耐震・老朽化 買取専門業者へ相談(3,000万円控除の要件確認も)
共有名義で意見割れ 遺産分割協議 → 買取で現金化して分配
借入金が多い・管理放棄したい 相続放棄(3ヶ月以内)

空き家相続で最大3,000万円節税できる特別控除の使い方

3,000万円特別控除を使った最大の節税法のイメージ

💡 この章の要点: 譲渡所得から 最大3,000万円が控除 される強力な制度。要件は 昭和56年5月31日以前の建築・被相続人が一人暮らし・売却価格1億円以下・相続開始から3年経過する日の属する年12月31日までに売却。令和6年(2024年)以降は相続人3人以上で2,000万円に減額。

国税庁No.3306 で定められた制度で、空き家相続では最重要の節税策です。

適用要件 — 建築年・居住条件・売却価格・期限

要件 内容
建築年 昭和56年5月31日以前 に建築
居住条件 相続開始直前に 被相続人が一人暮らし だったこと
売却価格 1億円以下(複数人合算で判定)
譲渡期間 平成28年4月1日〜令和9年12月31日 までの売却
売却期限 相続開始の日から 3年を経過する日の属する年の12月31日まで
耐震基準 譲渡時までに耐震改修 or 取り壊して更地で譲渡

令和6年から「相続人3人以上は2,000万円」に減額

2024年(令和6年)1月1日以降の譲渡では、相続人の数が3人以上の場合、控除額が 2,000万円まで に減額されます。それでも大きな節税効果は維持されます。

必要書類 — 被相続人居住用家屋等確認書

  • 必須書類: 市区町村長が発行する 被相続人居住用家屋等確認書(物件所在地の市区町村窓口で申請、通常2週間程度で発行)
  • その他の書類: 登記事項証明書・売買契約書・耐震基準適合証明書(残置の場合)など
  • 適用の受け方: 書類を揃え、譲渡した年の翌年に確定申告で適用を受ける

節税効果のシミュレーション

仮に取得費・諸経費を差し引いた譲渡益が1,500万円の場合:

  • 控除を使う場合: 譲渡所得税 0円(3,000万円控除で全額相殺)
  • 控除を使わない場合: 約20%(長期譲渡所得)で 約300万円 の税負担

期限を逃すと、この差額は丸ごと損失になります。

なお、この特例は相続後に相続人が売る場合の制度です。親が存命で、施設への入所で実家が空き家になっている段階なら、親自身が生前に売る道もあり、その場合に候補になる控除は要件が別物になります。生前に売るか相続後に売るかの比較は親の施設入所で実家が空き家になったときの選択肢で扱っています。

空き家相続で困ったら — 司法書士・税理士・買取業者の使い分け

困ったときの相談先 — 司法書士・税理士・買取業者の役割分担のイメージ

💡 この章の要点: 相続手続きは 登記は司法書士、税金は税理士、紛争は弁護士、売却は買取業者 と専門家を使い分けます。自分でできる範囲もありますが、3つのトリガー(共有名義の対立・基礎控除超過・3,000万円控除適用)が1つでも当てはまったら専門家に頼むのが安全です。

自分でできる範囲 vs 専門家に頼む範囲

すべて専門家に丸投げするとコストがかさみ、逆に全部自分でやろうとすると数字ミスのリスクがあります。判断軸を整理します。

作業 自分でできる 専門家推奨のサイン
死亡届・銀行口座凍結対応 ◎ (専門家不要)
遺言書の有無確認・遺産分割協議 ○ 兄弟間で意見が割れたら 司法書士・弁護士
相続人特定(戸籍収集) △ 兄弟姉妹相続・代襲相続なら 司法書士
相続登記 ○ 数次相続・共有名義の整理を含むなら 司法書士
相続放棄(3ヶ月以内) △ 借金が多い・期限が近いなら 弁護士・司法書士
相続税申告(10ヶ月以内) × 基礎控除超過なら 税理士必須(過少申告のリスク大)
3,000万円特別控除の適用判断 △ 適用要否が微妙なら 税理士
空き家の売却 ○ 訳あり物件・遠方なら 専門買取業者

司法書士 — 相続登記・遺産分割協議書の作成

不動産の名義変更(相続登記)の専門家です。

  • 依頼できること: 戸籍収集から登記まで一括で依頼可能
  • 報酬の目安: 事務所により異なる。日司連の2024年3月アンケートでは、相続登記の設例(評価額1,000万円の土地1筆・建物1棟、相続人3名中1名が単独取得、協議書作成込み)で平均74,888円・税込(出典)
  • 頼るケース: 相続人が多い・名義が祖父のまま(数次相続)・共有名義の整理など、登記関連の複雑なケース

税理士 — 相続税・3,000万円控除・確定申告

  • 専門領域: 相続税の申告(基礎控除を超える場合)、3,000万円控除の適用、不動産の譲渡所得税の計算
  • 相談の広がり: 空き家相続専門の税理士法人もあり、生前贈与・小規模宅地等の特例なども含めて相談可能
  • 小規模宅地等の特例を使うなら: 別居の子が使うには宅地を申告期限(10ヶ月)まで有している必要があり、売る時期はその後になる。要件と時系列は小規模宅地の特例を空き家で使う条件

弁護士 — 相続トラブル・共有名義の解消・遺留分

  • 専門領域: 兄弟間で遺産分割協議がまとまらない、遺留分侵害の問題、共有物分割請求訴訟など、紛争性のある案件
  • ポイント: 早めの相談が長期化を防ぐ

買取業者 — 売却・買取・査定

  • 使い方: 空き家の売却を検討するなら、買取業者と仲介会社の両方から査定を取って比較
  • 強み: 訳あり物件専門の買取業者 なら、老朽化・再建築不可・遠方・事故物件など、一般の仲介で扱いが難しい物件も対応可能

業者選びの詳細は 売却カテゴリの業者選びチェックリスト記事 を参照してください。

自治体・NPOの無料相談会(初期入口におすすめ)

「まず何から相談したらいいか分からない」段階では、自治体連携の無料相談会が便利です。

  • 開催例: NPO法人 空家・空地管理センターが複数の自治体と連携して無料個別相談会を開催
  • 特徴: 弁護士・税理士・司法書士・宅建士など複数の専門家が同席するケースが多い
  • 向く使い方: 複数の論点をまとめて相談できる

期限と判断の順番は相続空き家の期限一覧と残す・貸す・売るの判断フローに、税の特例は空き家の3,000万円特別控除に分けて詳しく書いています。

空き家相続のよくある質問

1. 共有名義の空き家を1人で売れますか?

売れません。 共有不動産の売却には共有者全員の同意が必要です。意見が割れる場合は、共有物分割請求訴訟という選択肢もありますが、時間と費用がかかります。早めに遺産分割協議で単独名義に整理する方が現実的です。

2. 相続登記をしないで放置するとどうなりますか?

2024年4月以降は 10万円以下の過料 の対象になります。さらに、登記しないと売却・賃貸・解体時の補助金申請ができません。「相続人申告登記」で簡易に義務を満たす方法もあるため、ひとまず動き始めます。

3. 相続放棄しても管理義務は残ると聞きましたが本当ですか?

条件付きで本当です。 改正民法940条により、相続放棄をした場合でも「現に占有している」相続財産については、次の相続人または相続財産清算人に引き継ぐまで保存義務が残ります。完全に管理から離れるには手続きが必要です。

4. 認知症の親が名義人の家を売る方法は?

成年後見制度 の利用が原則です。家庭裁判所で成年後見人を選任し、家庭裁判所の許可を得て売却します。日常生活への影響もあるため、司法書士・弁護士への相談が必須です。

5. 名義が祖父のまま(数次相続)、誰が手続きすべきですか?

祖父→父→自分のように相続が二段階以上発生している状態を 数次相続 と言います。原則として、全ての相続段階の遺産分割協議が必要です。相続人が増えて手続きが複雑化するため、司法書士に依頼することをおすすめします。

6. 3,000万円特別控除と他の特例を併用できますか?

できる組み合わせと、できない組み合わせがあります。 相続税の 取得費加算の特例 とは併用できません。国税庁 No.3306 は、取得費加算など他の特例の適用を受けていないことを控除の要件に挙げており、同じ空き家の売却ではどちらか一方を選びます。一方、相続税側の小規模宅地等の特例は税目が違うため、別居の子が宅地を申告期限(10ヶ月)まで保有し、その後に控除の期限までに売る順序を守れば、両立の余地があります。時系列は小規模宅地の特例を空き家で使う条件にまとめています。具体的なケースは税理士に確認してください。

7. 相続放棄を検討中ですが、実家の遺品整理を始めてもいいですか?

手を付けない方が安全です。 民法上、相続財産を処分すると相続を承認した(プラスもマイナスも両方相続する)とみなされる場合があり、後から相続放棄が認められなくなるおそれがあります。どこまでが問題ない範囲かの線引きは個別判断になるため、借金の状況が分かるまでは、家財の処分・売却や預貯金の引き出しを控えてください。放棄するかどうかを決める前に、弁護士・司法書士へ相談するのが確実です。

動くなら早いほうが選択肢が多い

空き家には「特定空家指定で固定資産税が最大6倍」「相続から3年以内の譲渡で3,000万円特別控除」など、期限のある制度が複数あります。 売却を決める前でも、いま無料査定を取っておくだけで判断材料が増えます。

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まとめ — 空き家相続で押さえるべき3つの期限

最後にもう一度、空き家相続で動くべき期限を整理します。

  • 相続放棄: 自己のために相続の開始があったことを知った日から 3ヶ月以内
  • 相続登記: 不動産取得を知った日から 3年以内(2024年4月義務化、過去の相続も2027年4月1日まで)
  • 3,000万円特別控除: 相続開始から 3年経過する日の属する年の12月31日まで に売却

「住む予定はないが、何から始めればいいか分からない」状態が続くほど、選択肢は狭まり、コストは膨らんでいきます。

判断材料として、まずは 「いま売ったらいくらになるか」 を無料査定で確認することをおすすめします。査定額が分かれば、持ち続けるコストと比較できるようになり、次のアクションが見えてきます。

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