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税金 - 特定空き家とは|認定基準・固定資産税6倍・回避方法【2026年版】
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特定空き家とは|認定基準・固定資産税6倍・回避方法【2026年版】

「実家が特定空き家に指定されると固定資産税が6倍になる」というニュースを聞いて不安になった方も多いはず。特定空き家 は、空家等対策特別措置法に基づき、放置すると倒壊・衛生・景観などの問題を引き起こす空き家を行政が認定する制度です。

この記事では、特定空き家の 4つの認定基準、認定で 固定資産税が最大6倍になる仕組み、行政の 段階的プロセス(助言・指導 → 勧告 → 命令 → 行政代執行)、2023年改正で新設された 管理不全空き家 との違い、認定を回避する管理ポイント、すでに認定されてしまった場合の対処法まで、国土交通省ガイドライン(令和5年12月13日改正版)を踏まえて整理します。

結論を先にお伝えすると、特定空き家リスクで押さえるべきポイントは次の3点です。

  • 認定の起点: 倒壊・衛生・景観・周辺生活環境の4つの基準のいずれか
  • 税負担: 「勧告」段階で 住宅用地特例が解除 され、固定資産税が最大6倍に
  • 2023年改正: 特定空き家の前段階に 管理不全空き家 カテゴリが新設(同じく税優遇解除リスク)

「うちはまだ大丈夫」と思っているうちに、自治体から指導が届くケースが増えています。

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特定空き家とは — 4つの認定基準と空家等対策特別措置法の概要

特定空き家とは — 4つの認定基準と空家等対策特別措置法の概要のイメージ

💡 この章の要点: 特定空き家とは、空家等対策特別措置法に基づき、倒壊・衛生・景観・周辺生活環境の4つの観点で問題ある空き家を、市区町村が認定する制度。認定されると税優遇解除・行政指導・最終的には行政代執行(強制解体)のリスクあり。

特定空き家の定義(法令上の位置づけ)

正式名称は「特定空家等」で、空家等対策の推進に関する特別措置法(空家対策特別措置法、2015年施行・2023年改正)に基づきます。

国土交通省ガイドラインによると、特定空き家とは以下のいずれかの状態にある空き家を、市区町村が認定したものを指します。

4つの認定基準

💡 この章の要点: 4基準それぞれの具体的な判断項目は、国交省ガイドラインの別紙1〜4に部位・悪影響ごとに列挙されている。数値の目安が示されているのは「建物の傾斜 1/20超」のみで、あとは周辺への影響も含めた総合判断。以下の表で自分の空き家を照らし合わせられる。

法律(第2条第2項)が定める特定空き家の状態は次の4つです。それぞれについて、国土交通省ガイドラインの別紙1〜4が、部位ごと・悪影響ごとの判断項目を示しています。

認定基準 判断項目 放置した場合の悪影響の例
① 倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態 別紙1 建物・門・塀・立木の倒壊、擁壁の崩壊、部材の落下・飛散
② 著しく衛生上有害となるおそれのある状態 別紙2 アスベスト(石綿)の飛散、汚水の流出、害虫・害獣の発生
③ 適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態 別紙3 外装の著しい色褪せ・破損、ごみの散乱・山積
④ その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態 別紙4 悪臭、不法侵入、落雪、立木の枝のはみ出し、動物の棲みつき

①と②は「おそれのある状態」を含みます。現に事故が起きていなくても、放置した先の危険が社会通念上予見できる段階で該当しえます(ガイドラインは「実現性に乏しい可能性まで含む概念ではない」とも明記しています)。

注意したいのは、別紙の項目があくまで「状態の例」だという点です。ガイドラインは、例を参考に総合的に判断すること、例によらない場合も個別の事案に応じて判断することを市区町村に求めています。1項目に当てはまったら即認定、という仕組みではありません。

① 「保安上危険」の判断項目(別紙1)

倒壊・崩壊・落下・飛散という悪影響ごとに、状態の例が挙げられています。

対象部位 特定空き家に当たりうる状態の例
建物の傾斜 倒壊のおそれがあるほどの著しい傾斜。目安は 1/20超(高さ1mにつき水平方向へ5cm超のずれ)。2階以上の階だけが傾いている場合も同様に扱う
構造部材(基礎・柱・はり等) 倒壊のおそれがあるほどの著しい破損・腐朽・蟻害(シロアリ)・腐食、部材同士のずれ
屋根・外装材 倒壊のおそれがあるほどの著しい屋根全体の変形、外装材の剥落・脱落
門・塀・屋外階段 倒壊のおそれがあるほどの著しい傾斜、構造部材の破損・腐朽
擁壁 一部の崩壊や著しい土砂の流出、崩壊のおそれがあるほどの著しいひび割れ・水のしみ出し・変状
落下しうる部材 外装材・屋根ふき材・手すり・看板・雨樋・給湯設備・屋上水槽などの剥落や脱落、軒・バルコニーの脱落、立木の大枝の落下
飛散しうる部材 屋根ふき材・外装材・看板・雨樋などの剥落や脱落、飛散のおそれがあるほどの著しい破損
立木 倒壊のおそれがあるほどの著しい傾斜、幹の腐朽

屋根の変形や外装材の剥落は、見た目だけの問題ではありません。過去に地震などの大きな力が加わり、構造部材が壊れている可能性が高い事象だとガイドラインは注記しています。

② 「衛生上有害」の判断項目(別紙2)

対象 特定空き家に当たりうる状態の例
石綿(アスベスト) 飛散の可能性が高い吹付け石綿の露出、石綿を使った部材の破損
汚水 排水設備(浄化槽を含む)からの汚水の流出、流出のおそれがあるほどの著しい破損
害虫・害獣 敷地からの著しく多数の蚊・ねずみなどの発生、その発生源になるほどの常態的な水たまりや多量の腐敗したごみ
動物の糞尿 敷地の著しい量の動物の糞尿、そのおそれがあるほどの常態的な動物の棲みつき

③ 「景観を損なっている」の判断項目(別紙3)

この基準だけは「おそれ」ではなく、現に景観を損なっているかで判断されます。項目は2系統です。

  • 建物の外観: 屋根ふき材・外装材・看板などの著しい色褪せ・破損・汚損
  • 敷地: 著しく散乱し、または山積したごみ

景観法に基づく景観計画や景観地区で建物の形態・意匠の制限が定められている地域では、該当の判断を積極的に行うことが考えられる、ともされています。景観ルールのある観光地や歴史的町並みでは、同じ状態でも認定に近づきやすいわけです。

④ 「周辺の生活環境の保全」の判断項目(別紙4)

①〜③に収まらない周辺への迷惑を受け止める基準で、6種類の悪影響が挙げられています。

悪影響 特定空き家に当たりうる状態の例
悪臭 排水設備の汚水による悪臭、動物の糞尿や腐敗したごみによる悪臭
不法侵入 不法侵入の形跡、不特定の者が容易に侵入できるほどの著しい開口部(窓・出入口)の破損
落雪 頻繁な落雪の形跡、通行の妨げのおそれがあるほどの著しい屋根の堆雪や雪庇(せっぴ)、著しい雪止めの破損。豪雪地帯の指定などを踏まえて判断
立木の枝 周囲の建物の破損や通行の妨げのおそれがあるほどの著しいはみ出し
動物の騒音・侵入 著しい頻度・音量で鳴く動物の棲みつき、周辺に侵入する動物の棲みつき

どの程度で該当するのか(認定の考え方)

「壁が1枚剥がれたら特定空き家」といった線引きは、ガイドラインには存在しません。むしろ「必ずしも定量的な基準により一律に判断することはなじまない」と明言し、総合判断を求めています。数値の目安が示されているのは、①の建物の傾斜1/20超だけです。

措置に踏み切るかどうかは、空き家そのものの状態に加えて、次の4点を勘案して判断されます。

  • 周辺への影響範囲: 悪影響が及ぶ範囲に隣の建物や通行人があるか。密集市街地や交通量の多い道路沿いは措置の必要性が高く、周囲に家屋も公道もない場合は低いとされる
  • 悪影響の程度: 社会通念上許容される範囲を超えるか。建物が大きいほど倒壊時の被害が大きくなりやすい
  • 危険の切迫性: 特定空き家として措置する場合は、危険の切迫性が管理不全空き家より高い状態にあることに留意する、とされる
  • 地域の実情: 景観ルールのある地区や、大雪・台風の影響を受けやすい地域では、被害が出る前の早期の措置がありうる

1つの空き家が複数の基準に同時に当てはまることもあります(外壁が剥落して保安上危険、かつ景観も損なっている、など)。

認定の主体 — 市区町村

認定するのは 物件所在地の市区町村 です。国や都道府県ではなく、最も身近な行政機関が判断します。

運用に自治体差が出るのは、制度の設計どおりでもあります。ガイドライン自身が、各市町村において地域の実情を反映しつつ固有の判断基準を定めることが適当だと述べているためです。

  • 自治体ごとに変わりうる部分: 固有の判断基準の有無や内容、豪雪・景観といった地域事情の重みづけ
  • どの自治体でも共通する部分: 上で見た別紙1〜4の判断項目と、助言・指導 → 勧告 → 命令 → 行政代執行という法律上の手順

自分の物件の扱いを正確に知りたいときは、所在地の市区町村が公表している空き家対策計画や判定基準を確認するのが確実です。

全国の措置件数(参考)

国土交通省・総務省の調査(令和7年3月31日時点)によると、平成27年の法施行から令和7年3月末までに、特定空き家に対する措置は次の件数にのぼります。

措置 累計件数(平成27年度〜令和6年度)
助言・指導 42,768件
勧告 4,153件
命令 551件
代執行 878件(行政代執行286件・略式代執行592件)。ほかに緊急代執行12件

助言・指導は近年も年間4,000件台で続いています(令和6年度は4,026件)。「他人事」ではなく、実家が地方にある方ほど無視できないリスクです。

出典: 国土交通省 報道発表「令和5年改正空家法に基づく取組が広がる」(令和7年3月31日時点調査・令和7年12月25日公表)

特定空き家になると固定資産税が最大6倍になる仕組み

特定空き家になると固定資産税が最大6倍になる仕組みのイメージ

💡 この章の要点: 通常の住宅用地は「住宅用地の特例」で固定資産税が 1/6に軽減 されている。特定空き家(または管理不全空き家)が 「勧告」を受ける と、この特例が解除され、土地の固定資産税が 最大6倍 になる。年14万円が年84万円に跳ね上がるケースも。

「住宅用地の特例」とは

住宅が建っている土地に対しては、地方税法により以下の特例が適用されています。

区分 内容
小規模住宅用地(200㎡以下の部分) 固定資産税評価額の 1/6
一般住宅用地(200㎡超の部分) 固定資産税評価額の 1/3

この特例があるため、住宅用地の固定資産税は通常より大幅に軽減されています。

「勧告」段階で特例が解除される

特定空き家(または管理不全空き家)に認定され、市区町村から 「勧告」 を受けると、この住宅用地の特例が 適用対象から除外 されます。

つまり、土地の固定資産税が次のように増えます。

状態 200㎡以下部分の課税標準 増額倍率
通常住宅 評価額 × 1/6 (基準)
特定空き家(勧告後) 評価額 × 1/1 = フル 約6倍

具体的な金額例

土地評価額 1,200万円、面積 150㎡(全部が小規模住宅用地)の物件で計算します。

状態 課税標準 固定資産税(税率1.4%)
通常住宅 1,200万 × 1/6 = 200万 約2.8万円/年
特定空き家 勧告後 1,200万 × 1/1 = 1,200万 約16.8万円/年

→ 年間 約14万円 の追加負担。10年放置すれば 140万円の差。

都心の高評価額物件ではこの差がさらに大きくなり、年間50万円〜100万円超の上振れも珍しくありません。

都市計画税も同様に上昇

都市計画税(税率0.3%)にも住宅用地特例(小規模1/3、一般2/3)があり、これも特定空き家認定で解除されます。固定資産税と合わせて 年間20万円〜100万円超 の追加負担を覚悟する必要があります。

「住宅家屋」自体の評価は下がる

ただし、建物の評価額は 経年で減価 していくため、固定資産税が解除されても建物分は限定的(築古ほど影響少)です。問題は土地分の税負担の急増です。

特定空き家認定までの行政プロセス — 助言・指導から行政代執行まで

💡 この章の要点: 自治体は突然認定するのではなく、段階的に行動。① 助言・指導(行政指導、税優遇は維持)→ ② 勧告(税優遇解除)→ ③ 命令(罰則あり)→ ④ 行政代執行(強制解体・費用所有者請求)の4ステップ。

Step 1:助言・指導

最初の段階で、市区町村は所有者に 「助言・指導」 を行います。「庭の雑草を刈ってください」「窓ガラスが割れているので修繕してください」など、改善内容と期限を示した文書が届きます。

この段階では税優遇は維持されます。素直に応じれば、それ以上の措置に進みません。

Step 2:勧告

助言・指導に従わない場合、自治体は 「勧告」 を発します。この段階で:

  • 住宅用地特例が解除される(固定資産税最大6倍)
  • 状態改善の期限・方法がより具体的に指示される

「勧告」は文書で送られ、市区町村のウェブサイトで公表される自治体もあります。

Step 3:命令

勧告にも従わない場合、市区町村は 「命令」 を発出します。

  • 違反すると 50万円以下の過料
  • 命令の事実が公表される

命令まで来ると、行政指導から法的拘束力のある処分に切り替わります。

Step 4:行政代執行

命令にも従わない場合、市区町村は 「行政代執行」 に踏み切ります。

  • 自治体が 強制的に空き家を解体・撤去 する
  • 解体費用は 全額所有者に請求(数百万円〜数千万円)
  • 滞納すると財産差押の対象に

実例として、全国で年間数十件の行政代執行が実施されており、所有者が解体費数百万円〜1,000万円超を請求されるケースもあります。

略式代執行(所有者不明の場合)

所有者が特定できない場合は 略式代執行 が行われ、市区町村が解体し、後日所有者が判明したら費用請求されます。「相続放棄したから自分には関係ない」と思っていても、代執行費用の請求対象になる可能性があります。

管理不全空き家(2023年改正) — 特定空き家の前段階に注意

管理不全空き家(2023年改正) — 特定空き家の前段階に注意のイメージ

💡 この章の要点: 2023年12月13日施行の改正で 管理不全空家等 カテゴリが新設。特定空き家ほど深刻ではないが「放置すれば特定空き家になる」段階の空き家を対象に、勧告で住宅用地特例を解除できるように。特定空き家の前段階から税負担増のリスクが拡大

「管理不全空き家」とは

国土交通省の改正法施行に伴い、新たに定義された区分です。特定空き家の 「予備軍」 に当たります。

政府広報による定義:

  • 壁・窓の一部腐食・破損(落下のおそれあり)
  • 雑草・枯草の管理不全(害虫発生源化)
  • ゴミの散乱・放置

特定空き家ほど深刻ではないが「放置すれば特定空き家になることが予見される」状態が管理不全空き家です。

特定空き家との違い

項目 管理不全空き家 特定空き家
状態 「予備軍」 既に問題状態
認定理由 放置すれば特定空き家化の予見 倒壊・衛生・景観・生活環境の4基準該当
行政プロセス 助言・指導 → 勧告 助言・指導 → 勧告 → 命令 → 行政代執行
命令・代執行 対象外 対象
住宅用地特例 勧告で解除(固定資産税6倍) 勧告で解除(同上)

改正の意味 — リスク拡大

従来は「特定空き家認定 → 勧告 → 税解除」までに数年かかりましたが、改正後は 管理不全空き家段階で勧告 → 税解除 が可能になりました。つまり、軽度の管理不全でも税負担が急増するリスクが現実化しました。

「ちょっと雑草が伸びてるだけ」「窓ガラスが1枚割れてるだけ」のレベルでも、放置していると勧告対象になりえます。

管理不全空き家の認定基準(国交省ガイドライン)

ガイドラインの別紙1〜4には、特定空き家の状態例と並べて、管理不全空き家に当たる状態の例も示されています。共通するのは「必要な管理(補修・清掃・剪定・駆除)がなされていない」という型です。

  • 建物: 屋根の変形、外装材の剥落・脱落、構造部材の破損・腐朽・蟻害、雨水浸入の痕跡
  • 衛生: 排水設備の破損、清掃されないまま残る常態的な水たまりや多量の腐敗したごみ
  • 景観: 補修されないままの屋根・外装・看板の色褪せや破損、散乱・山積したごみ
  • 生活環境: 開口部の破損(不法侵入の入り口になる)、雪下ろしがされていない状態、剪定されずはみ出した立木の枝、駆除されず常態化した動物の棲みつき

特定空き家認定を避けるための管理ポイント

特定空き家認定を避けるための管理ポイントのイメージ

💡 この章の要点: 「定期点検 + 草木管理 + 軽微な修繕」を年4回(季節ごと)行えば、ほぼ確実に認定回避可能。遠方なら 管理代行サービス(月3,000円〜)が現実的な選択肢。

自主管理する場合のチェックリスト(年4回・季節別)

春(3〜5月): - 草木の剪定・除草 - 雨樋の落ち葉除去 - 屋根・外壁の冬越えダメージ確認

夏(6〜8月): - 草刈り(雑草成長期) - ハチの巣チェック - カビ・湿気対策(換気)

秋(9〜11月): - 台風後の被害確認 - 落ち葉除去 - 越冬準備(雨戸閉鎖等)

冬(12〜2月): - 雪害対策(豪雪地域) - 凍結対策(水道管) - 不法侵入チェック

最低でも 年4回(各回1〜2日) の現地訪問が必要です。遠方居住で対応困難な場合は管理代行に頼ります。

管理代行サービス(月3,000円〜)

不動産会社・NPO・シルバー人材センターなどが提供する管理代行サービスがあります。

  • 月1回点検: 月3,000〜8,000円
  • 草刈り: 1回1〜3万円(年4回で4〜12万円)
  • 通水・換気: 月1回 1,000〜3,000円

特定空き家認定で固定資産税が年14万円増えるリスクと比べれば、管理代行費用の方が安いケースが多いです。

自治体登録の管理サービス活用

一部の自治体では 公認・推奨の管理サービス を紹介しています。物件所在地の市区町村ウェブサイトで「空き家 管理 推奨業者」等で検索すると、信頼できる業者リストが見つかります。

早期売却・解体も選択肢

5年以上空き家のままにする予定なら、管理コスト累計と売却益を比較して、早期売却 or 解体を選ぶ方が合理的なケースも多いです。

特定空き家に指定されてしまった時の対処法

💡 この章の要点: 自治体から「助言・指導」が来た時点で動けば税優遇は維持できる。「勧告」を受けた場合は速やかに改善 → 解除申請。長期化する場合は売却(現況買取含む)が現実的な出口

Step 1:書類が届いたら期限を確認

自治体からの通知書には 「改善期限」 が記載されています。多くは1〜3ヶ月程度。期限内に改善できれば次のステップに進みません。

Step 2:改善作業を実施

書類で指摘されている内容(草木除去・修繕等)を実施します。自分でできなければ業者依頼。費用は数万円〜数十万円程度が標準。

Step 3:改善報告書を提出

改善後、市区町村に改善報告(写真添付)を提出します。確認の上、認定解除 or 助言・指導終了となります。

Step 4:勧告を受けてしまった場合

勧告まで進んでしまった場合の対応:

  • 速やかに改善 → 解除申請
  • 解除されれば翌年から再び住宅用地特例適用
  • ただし、その年は既に税解除済みなので、固定資産税は通常の最大6倍

Step 5:改善が困難な場合の「出口」

物件の老朽化が著しく改善困難、改善費用が捻出できない、所有者高齢で対応できない等のケースでは、売却 が現実的な出口です。

選択肢: - 解体して更地で売却 (補助金活用可) - 現況のまま買取専門業者へ売却 (解体費用ゼロ) - 空き家バンクに登録 (移住者向け)

特に 現況買取 は、解体費用を負担せず、所有権ごと手放せるため、特定空き家リスクの最短解決策になります。

なお、売却して利益が出た場合は 譲渡所得税 の対象になります。ここまで見てきた固定資産税(持っている間、毎年かかる税金)とは別に、売るときに一度だけかかる税金です。仕組みは 空き家の譲渡所得税|長期・短期の税率と課税の仕組み で確認してください。

詳しくは 空き家の解体費用2026|相場・補助金・払えない時の対処法 も併せて参照してください。

特定空き家のよくある質問

1. 自治体から「助言・指導」が来ました。すぐに固定資産税が上がりますか?

助言・指導の段階では税優遇は維持 されます。住宅用地特例の解除は「勧告」の段階で発動します。助言・指導の期限内に改善すれば、税負担は変わりません。

2. 「特定空き家」と「管理不全空き家」は具体的にどう違いますか?

特定空き家は 既に倒壊・衛生・景観の問題状態 にある空き家、管理不全空き家は 放置すれば特定空き家になる予備軍。どちらも勧告で固定資産税6倍リスクがありますが、命令・行政代執行の対象になるのは特定空き家のみです。

3. 解体すると固定資産税が下がりますか?

通常は逆に上がります。建物がなくなると住宅用地特例が解除され、土地分の固定資産税が約6倍に。ただし、土地を6ヶ月以内に売却 or 駐車場等への活用が決まっているなら、解体は合理的です。

4. 行政代執行で解体された費用は本当に請求されますか?

全額請求されます。財産差押や強制執行の対象にもなり得ます。所有者不明の場合の「略式代執行」でも、後日所有者が判明したら請求されます。

5. 相続放棄すれば特定空き家のリスクは回避できますか?

完全には回避できません。改正民法940条により、相続放棄をしても「現に占有している」相続財産は、次の相続人または相続財産清算人に引き継ぐまで保存義務が残ります。完全に責任から離れるには相続財産清算人選任の手続きが必要です。

6. 特定空き家認定は新聞・サイトで公表されますか?

自治体により異なります。命令まで進むと多くの自治体が氏名・物件所在地を公表します。社会的信用への影響もあるため、命令段階まで進める前に解決するのが賢明です。

まとめ — 特定空き家リスクは「早期対応」がすべて

最後にもう一度、特定空き家リスクを抑えるポイントを整理します。

  • 4つの認定基準: 倒壊・衛生・景観・周辺生活環境
  • 固定資産税最大6倍: 勧告段階で住宅用地特例が解除
  • 行政プロセス: 助言・指導 → 勧告 → 命令 → 行政代執行
  • 2023年改正: 管理不全空き家段階から税負担増リスク
  • 回避策: 年4回の管理 or 管理代行(月3,000円〜)
  • 最終手段: 売却(現況買取で解体費用ゼロも可)

「自分の物件は大丈夫」と思っていても、雑草・落葉・台風被害の積み重ねで気づけば認定対象に。早めの対応が、税負担と認定リスクの両方を下げる最短ルートです。

詳しくは 空き家の解体費用2026|相場・補助金・払えない時の対処法、相続から検討する方は 空き家を相続したら何から始める?5ステップ完全ガイド も併せて参照してください。