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空き家買取 - 空き家の査定で見られるポイント|査定士が評価する項目と減額される理由
空き家買取

空き家の査定で見られるポイント|査定士が評価する項目と減額される理由

査定士が空き家を見て回る時間は、長くても1時間ほどです。 その1時間で、数百万円単位の金額が決まります。何を見られるのか知らないまま迎えるには、少し大きすぎる1時間です。すでに査定書を受け取っていて、思ったより安い数字の理由を探している人もいるでしょう。

先に結論を3点にまとめます。

  1. 査定額は「土地の値段+建物の値段-引き渡しまでにかかる費用」の足し引きでできています。築年数の経った空き家では建物の値段がゼロに近づくため、金額の大半は土地の条件で決まります。
  2. 減額の要因には、動かせないものと手を打てるものがあります。立地や接道は変えられません。残置物や庭木、書類と情報の出し方は、査定の前に整えられます。
  3. 安いと感じたら、どの項目がいくら引かれているのかを聞いてください。内訳を説明できない査定額は、高くても安くても判断材料になりません。

まずは無料査定で「いま売るといくらか」を把握するところから始めましょう。

空き家の査定ポイント 状況別ガイド

空き家の査定ポイント 状況別ガイドのイメージ

あなたの状況 読むべきセクション
金額がどう決まるのかまず知りたい 空き家の査定額は3つの足し引きでできている
土地の何を見られるのか知りたい 土地の評価ポイント
建物の何を見られるのか知りたい 建物の評価ポイント
荷物や庭が気になっている 敷地まわりの減点要因
相続登記や共有名義に不安がある 権利関係は金額より売れるかどうかに効く
減額されそうな心当たりがある 減額の典型パターンと事前に防げるもの
査定額が思ったより安かった 査定額が思ったより安かったときの読み方

なお、査定の頼み方そのもの(無料である理由、机上査定と訪問査定の違い、依頼の流れや書類)は空き家の無料査定にまとめてあります。この記事が扱うのは、その査定で「何を見られ、どこで金額が動くのか」です。

空き家の査定額は3つの足し引きでできている

空き家の査定額は3つの足し引きでできているのイメージ

査定書に載るのは、たいてい1つの金額です。 しかし査定士の頭の中では、その1つの数字は3つの部品に分かれています。

査定額 = 土地の値段 + 建物の値段 - 引き渡しまでにかかる費用

土地の値段の出発点は、あなたの空き家そのものではありません。 近所の似た土地が実際にいくらで売れたか、という周辺の成約事例です。査定士はまず事例を集めて土地の相場をつかみ、そこにあなたの土地の個別条件(接道、形、境界)を足し引きします。

建物の値段は、足し算ではなく減点方式です。 新築時の価値から、築年数と傷み具合に応じて引かれていきます。そして空き家の場合、この部品はゼロに近いことが珍しくありません。なぜゼロになるのかは建物の評価ポイントで分解します。

最後の費用は、見落とされがちな部品です。 残置物の処分、庭木の伐採、測量、場合によっては解体。買い手に引き渡せる状態にするまでのお金が、査定額から先回りで引かれます。買取の場合はこれに加えて、業者が再販で利益を出すための引き算が入ります。その構造は空き家の買取相場で分解しているので、ここでは繰り返しません。

3つの部品のうち、空き家で主役になるのはたいてい土地です。 建物がゼロに近く、費用は物件ごとの事情で決まるとすれば、金額の土台を作っているのは土地の条件だからです。では査定士は、土地の何を見ているのか。

土地の評価ポイント

周辺の成約事例という土台

現地に着いた査定士より先に、机の上で仕事は始まっています。 最初に開くのは、あなたの家の資料ではなく、周辺の成約事例の一覧です。不動産には定価がないので、値付けは「似た条件の土地が最近いくらで売れたか」から出発するしかありません。駅距離や面積や道路条件の近い事例を数件選び、あなたの土地との違いを1つずつ補正して、土台の金額を作ります。

事例が乏しい地域では、この土台がぶれます。 取引が年に数件しかないエリアだと、比べる相手が「半年前の1件」ということもあり、その1件をどう補正するかは会社ごとの判断に委ねられます。地方の空き家の査定額が会社によって開きやすい理由の1つがここです。事例は国土交通省の「不動産情報ライブラリ」で自分でも引けるので(手順は売却相場の調べ方)、土台のぶれやすい地域ほど、自分の目で確かめる意味が大きくなります。

立地と周辺の需要

事例で土台を作ったうえで、立地の評価は「駅から近いか」ではなく、「この土地に住みたい人がどれだけいるか」で行われます。 都市部なら駅距離と生活利便がそのまま需要になります。車で暮らす前提の地方では、駅距離より、幹線道路への出やすさ、スーパーや病院への距離、周辺に新しい家が建っているかどうかのほうが効きます。同じ市内でも、宅地として需要のある区域と、買い手がほとんど現れない区域に分かれます。

近年は、災害リスクも立地評価の一部です。 浸水想定区域に入っている土地は、買い手が保険や地盤への備えを意識する分、需要の側から金額に効いてきます。不動産情報ライブラリでは、取引価格と同じサイトで防災情報も確認できます。

ここは、所有者にはどうにもできない項目です。 ただし「どの事例と比べたか」を確認する材料にはなります。査定書の根拠となった成約事例が、自分の土地と需要の質が違う場所のものなら、その査定額は土台からずれています。

接道の条件

建築基準法は、都市計画区域内の敷地に対して、原則として幅員4m以上の道路に2m以上接することを求めています(国土交通省住宅局の資料による)。 火事のときに消防車が入れるか、避難できるか、日当たりと風通しを確保できるか。道路との関係は建物の安全の前提なので、法律が最低ラインを引いています。

査定士が図面と現地で間口を測るのは、このラインを跨いでいるかどうかで土地の性格が変わるからです。 間口が2mを少し超えているだけの旗竿地(細い通路の奥に敷地が広がる形)は、建て替えはできても工事車両が入りにくく、その分が引かれます。間口が2mに足りない、あるいはそもそも道路に接していない土地は、次の項目に直結します。

再建築できるかどうか

接道の条件を満たさない土地には、新しく建物を建てられません。 いわゆる再建築不可です。査定への効き方は、減点というより需要の消滅に近いものがあります。自分の家を建てたい人も、建売住宅の用地を探す業者も、建てられない土地は買えません。買い手として残るのは、隣地の所有者と、再建築不可の扱いに慣れた専門業者だけです。買い手がそこまで絞られるので、金額も大きく下がります。

前の道路が4mより狭い場合には、もう1つの引き算があります。 古い市街地では、幅4m未満でも特定行政庁の指定によって道路とみなされる道(いわゆる2項道路)があり、この場合は建て替え自体は可能です。そのかわり、道路の中心線から2mの範囲は道路として扱われ、建て替えの際にそこまで敷地を下げる必要があります(セットバック)。下げた部分には建物も塀も作れないため、使える敷地が目減りし、その分が査定に反映されます。

接道のほかにもう1つ、都市計画の区分も「建てられるか」を左右します。 市街化調整区域(市街化を抑える区域)にある土地は、建て替えや新築に許可が必要になる場合があり、宅地としての需要が細ります。査定の際に「調整区域ですね」と言われたら、それは立地の良し悪しではなく、この規制の話をしています。調整区域の土地の出口は空き地買取の記事でも触れています。

再建築不可でも、値段がつかないわけではありません。 出口を持つ業者の探し方は訳あり物件の売却にまとめています。

土地の形と高低差

同じ面積でも、正方形に近い整形地と、細長い土地や三角形の土地では値段が違います。 建てられる建物の自由度が違うからです。設計の工夫で吸収できる範囲なら減額は小さく、使えない部分が出る形だとその面積分が効いてきます。

道路や隣地との高低差も見られます。 高低差そのものより、査定士が気にするのは擁壁(土を留めるコンクリートや石積みの壁)です。古い擁壁は現在の基準で作り直しが必要になる場合があり、その費用の見込みが引かれます。ひび割れやはらみ(壁が膨らむ変形)があると、引き算は大きくなります。

境界がはっきりしているか

境界標が現地に残っているか、確定測量図があるか。 なければ、売る前に測量と隣地との立ち会いが必要になる可能性が高く、その費用と手間の分が査定から引かれます。隣地との間に境界の言い分の食い違いがある場合は、金額の問題を越えて、買取自体を断られることもあります。

手元に測量図が見当たらなくても、諦めるのはまだ早い段階です。 法務局に地積測量図(過去の測量の記録)が備え付けられている土地もあり、登記事項証明書と一緒に取得できます。古い図面で境界が確定するわけではありませんが、査定の不確かさを減らす材料にはなります。

逆に、確定測量図が手元にあるなら、それは数少ない「プラスに働く書類」です。 査定を頼むときに最初に伝えてください。

建物の評価ポイント

土地が金額の土台を作るとして、建物はどう見られるのか。 先に書いたとおり減点方式です。そして減点の起点になる線が2本あります。1本は昭和56年、もう1本は築22年です。

築年数と耐震基準の線

1本目の線は、昭和56年(1981年)です。 この年に建築基準法の耐震基準が強化され、それ以前に建てられた建物は、国土交通省の資料でいわゆる旧耐震基準と呼ばれます。買い手から見ると、旧耐震の建物は耐震診断と補強の費用を上乗せで見込む対象です。査定士が建築年月を最初に確認するのは、この線のどちら側かで買い手の見え方が変わるからです。

築年の証明になる書類が残っているかも、あわせて見られます。 建築確認済証や図面があれば建物の素性がはっきりし、査定の不確かさが減ります。ないから売れない、という話ではありませんが、あるなら出すに越したことはありません。

構造と耐用年数という物差し

2本目の線は、築22年です。 国税庁の耐用年数表では、木造の住宅用建物の法定耐用年数は22年、鉄筋コンクリート造の住宅用は47年とされています。これは減価償却という税金計算のための年数であって、22年で住めなくなるという意味ではありません。実際、手入れされた木造住宅は22年をはるかに超えて使えます。

それでも、中古市場の値付けはこの物差しに引っ張られています。 買い手側の銀行が融資期間の判断に使い、業者が建物評価の目安に使うため、築20年を超えた木造の建物価格は大きく下がり、空き家ではゼロ評価も珍しくありません。さらに「直して使うより壊したほうが早い」と判断される状態だと、評価はマイナスになります。解体費の分だけ、土地の値段から引かれるからです(解体費の水準は解体費用の相場を参照)。

つまり建物の査定で実際に問われているのは、築何年かそのものではありません。 「この建物は、直して使う前提で買えるか。壊す前提でしか買えないか」。この分かれ目を判定するために、査定士は次の3つを重点的に見ます。

雨漏りとシロアリと傾き

外壁の色あせや畳の傷みは、査定士はさほど気にしません。 直す費用が読めるからです。読めない減額要因は別にあります。雨漏り、シロアリ、傾き。この3つが別格なのは、被害が壁や床の内側の構造体に及んでいる可能性があり、開けてみるまで修繕費が確定しないからです。費用が読めないリスクは、査定では大きめに引かれます。

現地で見られる場所は、おおよそ決まっています。 天井と壁の雨染み、押し入れの奥のカビ、床のきしみと沈み、基礎のひび、床下や外周の蟻道(シロアリが土でつくる通り道)。それからドアや障子の建て付けです。建具が閉まりにくい家は、枠が歪んでいる、つまり建物が傾いている可能性があるので、査定士は部屋を歩きながら開け閉めを試します。訪問前にこの並びを自分で一巡りしておくと、査定の場で聞かれて初めて知る、という展開を避けられます。

3つには、空き家ならではの共通点もあります。 人が住まなくなると換気がなくなり、湿気がこもり、雨漏りもシロアリも進行が速くなります。しかも住人がいないので発見が遅れます。放置期間が長い空き家ほどこの3つを疑われるのは、査定士の意地悪ではなく、確率の問題です。

だから査定では、「いつから空き家ですか」「どれくらいの頻度で来ていましたか」と必ず聞かれます。 月に1度でも風を通し、通水していた家は、劣化リスクの見込みが小さくなります。管理してきた事実は遠慮せず伝えてください。庭の手入れの記録や訪問時の写真のような裏付けがあれば、なお通ります。

心当たりがあるなら、隠さず最初に伝えてください。 現地調査で見つかれば申告への信頼が下がり、契約後に発覚すれば減額やトラブルの種になります。先に伝えたうえで金額に織り込んでもらうのが、結局いちばん高く終わります。

設備と内装は思ったほど効かない

キッチンや浴室の古さを気にする人は多いのですが、築年数の経った空き家では、設備の評価はほとんど動きません。 買い手が業者なら再販前に交換する前提で見ますし、個人の買い手も古い設備は「ないもの」として値付けします。逆に言えば、査定のために設備を直すのはお金の使いどころとして分が悪い、ということです(この点はよくある質問で改めて扱います)。

敷地まわりの減点要因

ここまでの土地と建物が「評価」の話だとすると、この章は「費用」の話です。 敷地まわりの減点は、物件の価値が低いから引かれるのではなく、片付けるのにお金がかかるから引かれます。性質が違うということは、対処のしかたも違うということです。

残置物は、量に応じた処分費がそのまま引かれます。 家具、家電、布団、仏壇。家一軒分の家財の処分は量で費用が決まるので、査定の際は「どの部屋にどれくらい残っているか」を写真で伝えると、引かれる額の見積もりが正確になります。自分で処分して査定額を守る手もありますが、業者がまとめて処分するほうが安く済む場合もあるので、引かれる額を聞いてから決めるのが順序です。

庭木と雑草も、伐採と処分の費用として引かれます。 放置された庭木は建物より速く育ちます。数年放置した庭の木が屋根や電線に届いている空き家は珍しくなく、高くなった木ほど伐採費も上がります。

越境は、費用に手間が上乗せされる減点です。 枝が隣の敷地に伸びている、塀やブロックが境界をまたいでいる、屋根の軒が隣地の上に出ている。どれも解消には隣地との話し合いが必要で、業者はその手間と、話がつかないリスクを金額に織り込みます。隣地と日頃の関係があるうちに枝の始末や塀の扱いを話しておけるなら、それは査定前にできる数少ない仕込みの1つです。

見えない場所にも、引かれる要因は埋まっています。 使われなくなった浄化槽や井戸、過去に取り壊した建物の基礎が地中に残っている場合、撤去の費用が読めない分だけ大きめに引かれます。「昔ここに離れがあった」「井戸を埋めた記憶がある」といった情報は、覚えている範囲で構わないので伝えてください。分かっていることが増えるほど、大きめの引き算は小さくなります。

権利関係は金額より売れるかどうかに効く

ここまでの項目は、すべて金額の上下の話でした。 権利関係だけは性質が違います。問われるのは「いくらか」ではなく、「そもそも取引に進めるか、いつ進めるか」です。

相続登記が済んでいない空き家は、査定は受けられますが、名義が亡くなった親のままでは決済(お金と所有権の交換)に進めません。 売ると決めてから登記を始めると、そこで数か月待つことになります。なお相続登記は2024年4月から義務化されており、不動産の取得を知った日から3年以内に申請しないと10万円以下の過料の対象です。期限と手続きは空き家の相続登記義務化にまとめています。査定と登記の相談を並行で進めるのが、時間を無駄にしない順序です。

共有名義の空き家は、共有者全員の同意がないと売れません。 1人でも反対する、あるいは連絡が取れない共有者がいると、そこで止まります。全員の足並みが揃う前に自分の持分だけを売る方法もありますが、買い手が限られ、金額は大きく下がります。整理の進め方は空き家の共有名義を参照してください。

このほか、住宅ローンなどの抵当権が残っている場合は、完済して抵当権を抹消することが引き渡しの条件になります。 また、昔の増築が登記に反映されておらず、登記上の面積と現況が食い違っている建物もあります。売れなくなるわけではありませんが、決済までに登記の手直しや現況の説明が必要になり、その手間も条件として織り込まれます。登記事項証明書を取って現況と見比べておくと、査定の場で話が早く進みます。

権利関係が査定額に表れにくいのは、金額ではなく条件として扱われるからです。 「相続登記完了が引き渡しの条件」「共有者全員の同意が前提」という形で査定書や契約条件に入ります。裏を返せば、権利関係がすでに整理されている空き家は、それだけで「すぐ買える物件」として業者に好まれます。金額の交渉力は、実はこういうところから生まれます。

減額の典型パターンと事前に防げるもの

評価項目を1つずつ見てきたので、減額の側から並べ直します。 分かれ目は「動かせるかどうか」です。

分類 減額要因 できること
動かせない 立地、接道と再建築可否、土地の形と高低差、築年数と耐震基準、構造 受け入れて、これらの扱いに慣れた業者を選ぶ
事前に整えられる 残置物、庭木と雑草、書類の不足(登記事項証明書、図面、測量図)、鍵がない、不具合を伝えていない 査定前に手を打てば、引かれる額と査定の不確かさが減る
進行だけ止められる 雨漏りの拡大、シロアリの進行、越境の悪化 応急処置と換気、隣地との事前の話し合い。元の減額は消えないが、悪化を止められる

1行目の「動かせない」要因で減額される物件は、努力の方向を変えたほうが得です。 接道や築年数を嘆いても金額は動きません。動くのは業者選びです。再建築不可や旧耐震の物件は、扱い慣れた業者とそうでない業者で査定額の差が大きく開きます。選び方は業者選びのチェックリストにまとめています。

2行目は、この記事でいちばん実利のある行です。 残置物の写真を撮る、登記事項証明書を取る、鍵を探す、不具合を書き出す。どれも数日でできて、査定の精度を直接上げます。査定の精度が上がるとは、あとから金額が下がる場面が減るということです。

3行目で1つだけ補足すると、雨漏りの本格修繕まで査定前にやる必要はありません。 費用を回収できないことが多いからです。ブルーシートや部分補修で進行を止め、その状態を正直に伝える。空き家の劣化は放置期間に比例するので、売るかどうか決めていない段階でも、換気と通水だけは続ける価値があります(維持管理の要点は空き家の自主管理チェックリストを参照)。

そして、どの行にも共通する禁じ手が「隠す」です。 不具合を伏せて査定額を守っても、現地調査か契約後のどちらかで精算されます。しかも後で見つかるほど、金額以外のもの(信頼、時間、場合によっては契約そのもの)まで失います。

査定額が思ったより安かったときの読み方

査定書を受け取って、想像より低い数字が並んでいたとします。 その数字を受け入れるか粘るかを決める前に、やることが1つあります。冒頭の3つの足し引きに仕分けし直すことです。業者への質問は、次の3つで足ります。

  1. 土地はいくらで見て、どの成約事例と比べましたか
  2. 建物はいくらで見ていますか。ゼロなら、マイナス(解体前提)ではないですか
  3. 費用として、何をいくら引いていますか

仕分けると、安さの正体ごとに打ち手が変わります。 土地の見立てが安い場合は、比較事例の妥当性を自分で確かめられます。国土交通省の不動産情報ライブラリで周辺の取引価格を引き、事例の場所と条件が自分の土地と釣り合っているかを見る(調べ方の手順参照)。事例がずれているなら、その指摘は感覚的な「もう少し高く」よりはるかに通ります。

建物の減点が大きい場合は、残念ながら動かす余地がほとんどありません。 築年数と構造の線は交渉で動きません。ここが主因なら、粘るより「建物ゼロでも土地をどう評価してくれる業者か」の比較に切り替えるほうが建設的です。

費用の引き算が大きい場合が、いちばん交渉余地があります。 引かれているのが残置物処分費なら自分で処分する選択肢と比較できますし、測量費なら実家に眠っている測量図が見つかるだけで前提が変わります。費用は、前提を変えれば引き算そのものが消える部品だからです。

それでも差が納得できないなら、原因は物件ではなく業者の出口かもしれません。 同じ空き家でも、リフォームして再販する業者、解体して土地で売る業者、賃貸に回す業者では、引き算の中身が違います。出口が違えば査定額も違う。だから複数社の比較に意味があります(比較の注意点は空き家の無料査定、買取価格の構造は空き家の買取相場へ)。

空き家の査定ポイントでよくある質問

築50年の空き家です。建物に値段はつきますか?
A. 建物単体の評価はゼロか、解体費分のマイナスになることが多い築年数です。ただし査定額そのものは土地の条件で決まるので、「築50年だから安い」とは限りません。接道と立地が良ければ、建物ゼロでも土地値でしっかり金額がつきます。梁や建具に価値のある古民家として扱われる例外もありますが、期待を前提にしないほうが堅実です。
査定の前に掃除をしておくべきですか?
A. 掃除そのものは査定額に直結しません。建物の評価は構造と劣化で決まり、ほこりや汚れは減点対象ではないからです。ただし、床や壁が見える状態にしておくと査定士が雨漏り跡や傾きを確認しやすくなり、「見えないので大きめに引いておく」という不確かさの上乗せを防げます。金額を上げる掃除ではなく、余計な引き算を防ぐ片付け、と考えてください。
リフォームしてから査定に出したほうが高くなりますか?
A. 原則、先に手を入れないでください。かけた費用を査定額で回収できないことが多いためです。買取業者は再販前に自社で改修する前提で値付けするので、事前のリフォーム代はほぼ織り込まれません。判断に迷う場合は、現状のまま査定を受けて「手を入れたらいくら変わるか」を聞くほうが安全です(売却全体の段取りでも同じ原則を確認できます)。
道路に接していない空き家は、値段がつかないのでしょうか?
A. つかないわけではありません。買い手が隣地所有者と専門業者に絞られるため大幅に安くはなりますが、再建築不可の出口を持つ業者なら買取対象です。一般の仲介で断られた後こそ、訳あり物件を扱う業者に査定を出す価値があります。
同じ空き家なのに、会社によって査定額が数百万円違いました。どちらが正しいのですか?
A. どちらかが嘘というより、その物件の出口(再販するか、解体して土地で売るか、賃貸に回すか)の想定が会社ごとに違うのが主因です。高いほうの会社に、根拠の成約事例と費用の内訳を確認してください。内訳を説明でき、その出口に実績がある会社の数字なら信じてよく、説明できないなら契約を取るための釣り上げを疑う場面です。
庭木や物置は撤去してから査定を受けるべきですか?
A. 先に撤去しないでください。査定で「撤去費としていくら引くか」を聞き、自分で業者に頼む場合の見積もりと比べてから決めるのが順序です。買取業者は撤去をまとめて安く手配できることが多く、自分で先に払うと、かえって手取りが減る場合があります。
日当たりや騒音のような住み心地も、査定に入りますか?
A. 入ります。日当たり、前面道路の交通量、線路や工場との近さなどは、成約事例と比べる際の補正として金額に反映されます。ただし効き方は、接道や再建築可否のような「買えるかどうか」に関わる項目ほど大きくありません。住み心地の評価は買い手の好みで割れるため、査定では控えめに織り込み、実際の売買の場面で買い手ごとに効いてくる、という順序です。
家の中で親が亡くなった家です。査定で不利になりますか?
A. 影響はありますが、売れなくなるわけではありません。人の死にまつわる事情は、内容によっては買い手に告げるべきものとして扱われ、気にする買い手がいる分、需要が細って金額に効きます。ただし、こうした事情に慣れた買取業者は判断基準を持って値付けします。査定の時点で正直に伝えてください。伏せて売ると、後から契約の解除や賠償の争いに発展するリスクを抱え込みます。扱いに慣れた業者の探し方は訳あり物件の売却を参照してください。
建物を解体して更地にしてから査定を受けたほうがいいですか?
A. 解体も査定の後です。買取業者は解体前提の値付けができるので、先に自費で壊しても、その解体費を査定額で回収できるとは限りません。まず現状のまま査定を受けて「更地ならいくらか」もあわせて聞き、差額と解体費を比べてから決めてください。損得の整理は解体と売却の判断にまとめています。 査定士の1時間は、3つの数字を埋める作業です。 周辺の成約事例から土地の値段を置き、築年数と劣化で建物の値段を置き、引き渡しまでの費用を引く。接道も雨漏りも残置物も相続登記も、すべてこの足し引きのどこかに入ります。 だから、受ける前にできることは絞られています。 動かせない条件(立地、接道、築年数)は受け入れて業者選びに力を移す。整えられるもの(残置物の把握、書類、鍵、不具合の申告)だけ数日で整える。隠さない。この3つで、査定の精度は変わります。 そして受けた後にやることは、1つだけです。 金額の大小に一喜一憂する前に、内訳を3つに仕分けて、どこで引かれたのかを特定する。それが分かれば、納得して進むか、前提を変えて粘るか、別の出口を持つ業者を探すか、自分で選べます。査定額は判定ではなく、分解して使う材料です。