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売却 - 訳あり物件の売却|再建築不可・事故物件・ゴミ屋敷も買取可【2026】
売却

訳あり物件の売却|再建築不可・事故物件・ゴミ屋敷も買取可【2026】

「不動産会社に『この物件は扱えません』と断られた」「再建築不可・ゴミ屋敷・共有名義…どこから手を付ければいいのか」——こうした 訳あり物件 の売却相談は、たいてい物件の条件を言った瞬間に止まります。

けれど、断られた理由が分かれば、出口も決まります。再建築不可には再建築不可の、残置物だらけの家には残置物だらけの家の、それぞれ現実的な売り方があるからです。

この記事は、物件の条件から売り方を逆引きする ための記事です。最初の早見表で自分のケースを見つけ、該当する章だけ読めば、仲介で粘るべきか、買取に切り替えるべきか、その前に何をしておくと価格が変わるかまで判断できます。

結論を先にお伝えすると、押さえるべきポイントは3つです。

  • 「仲介で断られた」=「売れない」ではない: 条件ごとに買い手の層が違うだけ。専門業者・投資家・隣地所有者という別の市場がある
  • 条件によって「事前にやると効くこと」が違う: 役所調査ひとつで再建築の可否が変わる物件もあれば、何をやっても費用を回収できない物件もある
  • 買取は「現況のまま・残置物ごと」が原則: 修繕や片付けに先にお金をかける前に、そのままの状態で査定を取るのが損しない順番

訳あり物件の売り方 早見表 — 条件から自分のケースを引く

自分の物件がどれに当たるかを、この表から引いてください。条件名から該当する章に飛べます。

条件 なぜ売りにくいか 現実的な出口 価格の目安
再建築不可・接道なし・旗竿地 建て替え不可で住宅ローンが付かない 買取専門業者・隣地所有者 再建築可の30〜50%
市街化調整区域 建て替え・用途変更に許可が要る 地縁のある買主・買取業者 自治体の運用次第で幅大
傾斜地・がけ地 擁壁工事の負担が買主に乗る 現況買取 擁壁費相当の減額
旧耐震の建物 建物の担保評価がほぼゼロ 土地値ベースの売却・買取 土地値−解体費
シロアリ・雨漏り・傾き 修繕費が物件価格を上回る 現況買取 土地値−解体費
残置物大量・ゴミ屋敷 処分費と手間を買主が嫌う 残置物ごと現況買取 処分費相当の減額
事故物件 心理的瑕疵の告知義務がある 専門業者の買取 通常の30〜70%
借地権付き 地主の譲渡承諾が要る 地主への売却・専門買取 所有権の50〜70%
共有名義 全員の同意がないと全体を売れない 名義整理後の売却・持分買取 持分のみは10〜30%
農地付き 農地の売買に許可が要る 許可・届出を通す、宅地中心の評価 農地部分は評価が伸びない

価格の目安はいずれも実勢の傾向で、立地と個別条件による幅があります。

仲介で断られる物件に共通する構造

訳あり物件とは — 一般仲介で扱いにくい物件のイメージ

💡 この章の要点: 訳あり物件が仲介で断られる理由の多くは 「住宅ローンが付かない」 に集約される。ローンの付かない物件は買主が現金購入者に限られ、一般の仲介市場では買い手が極端に細る。そこを本業にするのが 専門買取業者・投資家・隣地所有者 の市場。

断られる理由は物件ごとに違って見えて、根は同じ

一般の不動産取引の買主は、住宅ローンを使う個人が中心です。金融機関は担保価値で融資を判断するため、次のような物件はローン審査に通りにくくなります。

  • 再建築不可: 建て替えできない土地は担保価値が大きく下がる
  • 借地権付き: 土地が他人のもので、譲渡に地主の承諾が要る
  • 共有名義: 所有権の一部だけでは担保にならない
  • 旧耐震・老朽化: 建物の担保評価がゼロに近い
  • 事故物件: 再販価値が読みにくい

ローンが付かなければ、買えるのは現金で買う人だけ。仲介会社が「扱えません」と言うのは、この細い市場で買主を探す手間と成約率を天秤にかけた結果です。

瑕疵の3分類

訳あり物件の「訳」は、次の3種類に整理できます。

瑕疵の種類 内容 本記事の該当章
法的瑕疵 再建築不可・市街化調整区域・借地権・共有名義・農地 再建築不可〜農地付きの各章
物理的瑕疵 旧耐震・シロアリ・雨漏り・傾き・がけ地・残置物 がけ地〜残置物の各章
心理的瑕疵 自殺・他殺・孤独死(発見遅延)など 事故物件の章

なお、この表のどれにも当てはまらないのに買い手が付かない場合、原因は物件ではなく価格設定や募集方法にあることが多く、対処の順番が変わります。

また、値段を付けても引き取り手が現れない物件の最終手段(相続土地国庫帰属制度・相続放棄・寄付)も、この記事の守備範囲の外です。どちらも 空き家が売れない時の対処法 が担当記事なので、そちらを参照してください。

再建築不可の物件 — 接道義務・無道路地・旗竿地

💡 この章の要点: 建築基準法の 接道義務(幅員4m以上の道路に2m以上接する)を満たさない敷地は 建て替え不可。買主は現金購入の投資家・業者に限られ、相場は再建築可の 30〜50%。ただし 役所調査で「実は建て替えられる」と判明する物件が一定数ある ため、売る前の調査が最も費用対効果の高い一手になる。

何が障害か

建築基準法は、建物の敷地と道路の関係を次のように定めています(建築基準法42条・43条、2026-08-26確認)。

  • 42条1項: 建築基準法上の「道路」は原則として 幅員4m以上
  • 43条1項: 建築物の敷地は、道路に 2m以上 接しなければならない(接道義務)
  • 42条2項: 幅4m未満でも、特定行政庁が指定した道は道路とみなす(いわゆる2項道路)。この場合、道路中心線から 2m後退した線 が道路境界とみなされる(セットバック)

この要件を満たさない敷地では、建て替えの建築確認が下りません。典型例は次の通りです。

  • 無道路地: どの道路にも接していない土地
  • 旗竿地で通路幅2m未満: 奥の敷地への通路がわずかに足りない
  • 接する道が4m未満で、2項道路の指定もない: 見た目は道でも法律上は道路でない
  • 私道にのみ接し、持分や通行掘削の承諾がない: 建て替え・工事・インフラ引き込みで私道所有者の承諾が壁になる

仲介と買取でどう変わるか

項目 仲介で売る場合 買取の場合
買主 現金購入の投資家・隣地所有者に限定 業者自身が買主
期間 買い手探しが長期化しやすい 査定から1〜2ヶ月程度
業者の出口 — 隣地への転売・賃貸活用・通路拡幅後の再販
価格 反響が細く値下げを重ねやすい 出口を設計できる業者ほど値付けが安定

再建築不可の相場は、条件によって段差があります。

状態 相場の目安(再建築可の物件比)
再建築可・整形地 基準(下落なし)
再建築不可(リフォームで居住可) 30〜50%
再建築不可(接道ゼロ・無道路地) 10〜20%

事前にやると効くこと・やっても回収できないこと

売る前の調査で評価が一段変わる可能性があるのが、この条件の特徴です。

  • 役所で道路種別を調査する(効く): 前面の道が2項道路と判明すれば、セットバック前提で建て替え可能になる。市区町村の建築指導課で地番を伝えれば確認できる
  • 43条2項の認定・許可の可能性を確認する(効く): 接道義務には例外があり、特定行政庁の認定、または建築審査会の同意を得た許可で建築が認められる場合がある(建築基準法43条2項、2026-08-26確認)。可能性の有無だけでも査定額の根拠が変わる
  • 隣地所有者に打診する(効く): 隣地と一体化すれば接道が確保できる場合、隣地所有者にとってだけは相場以上の価値がある
  • 私道の通行掘削承諾を取り付けておく(効く): 承諾書の有無で買主のリスクが大きく変わり、査定に反映されやすい
  • 建物のフルリフォーム(回収できない): 建て替え不可のままでは、かけた費用が売値に乗りにくい。リフォームは買主(業者)が出口に合わせてやる前提で考える

市街化調整区域の物件

💡 この章の要点: 市街化調整区域は都市計画法で 「市街化を抑制すべき区域」 とされ、建物の新築・改築・用途変更に原則として 都道府県知事の許可 が要る。売買そのものに許可は不要だが、買った人が自由に建て替えられないため買い手が細い。建て替え可否の運用は自治体差が大きく、担当課への確認が査定の前提 になる。

何が障害か

市街化調整区域は、都市計画法7条で「市街化を抑制すべき区域」と定義されています(都市計画法7条、2026-08-26確認)。

  • 区域内では、建築物の新築・改築・用途変更に原則として 都道府県知事の許可 が必要(都市計画法43条、2026-08-26確認)
  • 売買契約自体に許可は不要。所有権の移転は自由にできる
  • 問題は買った後で、住宅への建て替えや店舗への転用が許可なしにはできない

つまり「売れない」のではなく「買っても使い道が限られるから、買う人が少ない」という構造です。

仲介と買取でどう変わるか

項目 仲介で売る場合 買取の場合
買主 近隣の農家・地縁者・事業者が中心 業者自身が買主
期間 需要が薄く年単位になることも 出口を見立てられれば短期で成立
業者の出口 — 資材置き場・駐車場・太陽光など建物によらない活用、許可要件を満たす買主への再販
価格 需要次第で大きく変動 建て替え可否の確認結果で変わる

事前にやると効くこと・やっても回収できないこと

  • 自治体の都市計画担当課で建て替え可否を確認する(効く): 同じ調整区域でも、区域指定の経緯や自治体の許可運用によって扱いが分かれる。地番を伝えて「現況の住宅の建て替えは許可の見込みがあるか」を確認した結果は、そのまま査定の根拠になる
  • 上下水道・電気の引き込み状況を整理しておく(効く): 調整区域はインフラが未整備のことがあり、確認済みかどうかで買主の検討速度が変わる
  • 農地が含まれるなら区分を確認する(効く): 敷地の一部が登記上「田」「畑」なら、後述の農地法の許可も重なる。先に判明させておくと取引が止まらない
  • 住宅としての大規模リフォーム(回収できない): 建て替え・用途変更の制限がある限り、居住用としての改修費は売値に乗りにくい

傾斜地・がけ地の物件 — がけ条例の制限

💡 この章の要点: 敷地内や隣接地に高低差がある物件は、各都道府県の建築条例(いわゆる がけ条例)により、建て替え時に 擁壁の設置 などを求められることがある。この負担が買主に乗るため評価が下がる。擁壁工事は高額になりやすく、売主が先に工事しても回収は難しい。現況買取が現実解になりやすい条件。

何が障害か

がけに近い敷地の建築制限は、都道府県ごとの条例で定められています。例として東京都建築安全条例6条は、次のように規定しています(東京都建築安全条例、2026-08-26確認)。

  • 高さ2mを超えるがけ の下端からの水平距離が がけ高の2倍以内 のところに建築物を建築する場合、擁壁を設けなければならない
  • 斜面の勾配が30度以下の場合など、例外規定もある

つまり、がけの上でも下でも、建て替えのたびに擁壁の安全性が問われます。古い擁壁が現行基準で安全と確認できない場合、造り直しを求められることもあります。

仲介と買取でどう変わるか

項目 仲介で売る場合 買取の場合
買主の懸念 建て替え時の擁壁費用が読めない 業者が擁壁費を織り込んで値付け
価格 擁壁費の見込み分だけ値引き交渉される 最初から差し引いた金額提示
業者の出口 — 擁壁込みの造成後に再販、または現況のまま投資家へ

事前にやると効くこと・やっても回収できないこと

  • がけの高さと敷地との位置関係を測っておく(効く): 条例の適用対象かどうかの一次判断材料になる。適用外と分かれば通常物件として売れる
  • 擁壁の検査済証・完了検査の記録を探す(効く): 適法に造られた擁壁と確認できれば、買主のリスクが大きく減る
  • 自治体の建築指導課で規制内容を確認する(効く): がけ条例は都道府県ごとに数値も例外も違うため、所在地の条例での扱いを確認する
  • 売主が先に擁壁を造り直す(回収できないことが多い): 擁壁工事は規模次第で数百万円級になり、かけた費用ほど売値は上がらないのが通例。買主側の計画に合わせて造る方が無駄がない

旧耐震の物件 — 昭和56年5月31日以前の建築

💡 この章の要点: 現行の 新耐震基準は昭和56年(1981年)6月1日施行。それ以前に建築確認を受けた建物は旧耐震で、金融機関・買主からは 建物価値ほぼゼロ・土地値ベース で評価される。耐震改修して売っても費用は回収しにくい。一方、旧耐震の相続空き家は 3,000万円特別控除 の対象になり得るため、税金面の確認が値打ちを持つ。

何が障害か

  • 新耐震基準は 昭和56年6月1日から施行 され、震度6強〜7程度の地震でも倒壊しないことが要件とされた(国土交通省関連の住まいサポートセンター解説、2026-08-26確認)
  • それ以前の旧耐震の建物は、住宅ローンの担保評価・買主の安心感の両面で不利になる
  • 築40年超の空き家の多くがこの区分に入る

仲介と買取でどう変わるか

項目 仲介で売る場合 買取の場合
建物の評価 ほぼゼロ。「古家付き土地」として売り出し 同じくゼロ評価だが、解体費を織り込んで確実に値が付く
買主 土地目当ての実需・建売業者 業者自身
価格の構造 土地値で売れるが、解体費分の値引き交渉が入る 土地値 − 解体費 が基本線

事前にやると効くこと・やっても回収できないこと

  • 建築確認日を確認しておく(効く): 昭和56年前後の建物は、確認日次第で新旧が分かれる。検査済証や建築計画概要書(役所で取得可)で確認できる
  • 3,000万円特別控除の要件を確認する(効く): この控除の対象は「昭和56年5月31日以前に建築された」相続空き家。旧耐震であることが、むしろ税優遇の入口になる(詳細は税金の章と空き家3,000万円特別控除の解説記事)
  • 耐震改修して売る(回収できないことが多い): 改修費をかけても、買主の多くは土地として評価するため売値に乗りにくい。改修は「住み続ける」場合の選択肢と割り切る

躯体が傷んだ物件 — シロアリ・雨漏り・傾き

躯体が傷んだ老朽化物件のイメージ

💡 この章の要点: シロアリ被害・雨漏り・建物の傾きは、修繕費が物件価格を上回りやすく、仲介では告知と契約不適合責任の不安が付きまとう。買取なら 解体前提の土地値評価 になるため、傷みの程度はほぼ問われない。直してから売るは原則損、現況のまま査定が先。

何が障害か

  • シロアリ被害: 床のたわみ・柱の食害。被害範囲の特定と駆除・修繕に費用がかかる
  • 雨漏り: 天井の染み・カビ。屋根と内装の両方の補修が要る
  • 傾き: 基礎沈下によるもので、是正工事は大掛かりになる
  • 仲介で売る場合、これらは買主に 告知すべき事項 で、隠せば後の紛争リスクになる(告知と責任の話は買取の理屈の章で扱う)

仲介と買取でどう変わるか

項目 仲介で売る場合 買取の場合
買主の反応 内見で敬遠され、値引き交渉の材料になる 解体前提なので傷みは織り込み済み
修繕の要否 直しても費用ほど売値は上がらない 不要。現況のまま
価格の構造 古家付き土地として値引き前提 土地値 − 解体費

価格のイメージ

木造30坪・土地値400万円の例で試算すると、構図はこうなります(解体費の詳しい相場は空き家の解体費用を参照)。

買取価格の目安 = 土地値 − 解体費 − 諸費用
             = 400万円 − 150万円(木造30坪・坪5万円) − α
             ≒ 200〜250万円
  • 自分で解体してから土地を売っても、手取りはほぼ同じ水準になりやすい
  • 解体の手間・工事発注・滅失登記を業者側に任せられる分、現況買取が合理的になるケースが多い

この引き算が0以下になると業者は値段を付けられません。土地値が撤去費を下回る家の状態別の目安と、0円やマイナスと言われたときの出口はボロ家に値段が付く条件と0円でも手放す方法にまとめています。

事前にやると効くこと・やっても回収できないこと

  • 傷みの箇所を隠さずリスト化しておく(効く): 告知が正確なほど、業者は減額幅を最小で見積もれる。「不明」が多い物件ほど保守的な査定になる
  • 雨漏りの応急処置だけしておく(効く): ブルーシート程度でも、傷みの進行を止めれば査定までの劣化を防げる
  • 本格修繕・リフォーム(回収できない): 解体前提の評価では、修繕費は1円も売値に乗らない

残置物が大量にある物件 — ゴミ屋敷・遺品未整理

💡 この章の要点: 家具・家電・遺品が大量に残った物件は、処分費(2t車1台5〜10万円、屋敷状態なら数十万〜100万円超)と手間が買主に嫌われる。専門業者は 残置物ごと現況買取 が標準プランで、処分費を差し引いた査定になる。貴重品と書類だけ回収して、あとは触らない のが手間と手取りのバランスが良い。

何が障害か

  • 相続した家に親の家財が丸ごと残っている、というのが最多パターン
  • 仲介で売るには原則、売主が空にして引き渡す必要があり、片付けの時間と費用が先に発生する
  • 遠方に住んでいると、片付けのために通う交通費と休日が処分費に上乗せされていく

処分費の目安

処分方法 費用の目安
2t車1台分の搬出 5〜10万円
不用品回収業者(トラック1台) 10〜30万円
遺品整理サービス 部屋数 × 5〜20万円
屋敷状態の総額 30〜100万円超

仲介と買取でどう変わるか

項目 仲介で売る場合 買取の場合
残置物 原則、売主が処分してから引き渡し 残置物ごと引き渡しでよい
費用の出方 処分費を先に持ち出す 査定額から差し引かれる(持ち出しなし)
期間 片付け完了までスタートできない 現況のまま査定・契約に進める

事前にやると効くこと・やっても回収できないこと

  • 貴重品・権利書・通帳・印鑑を回収する(必須): 引き渡し後は取り戻せない前提で、先に確保する
  • 写真・個人情報の書類だけ抜いておく(効く): 処分はまとめてでよいが、個人情報は自分の手で
  • 業者に「現況のまま」と伝えて査定を取る(効く): 処分費込みの査定額と、自分で処分した場合の見積もりを並べて比較できる
  • 家財の全量を自力で片付ける(割に合わないことが多い): 処分費は浮くが、時間と労力を含めると買取査定の差額と釣り合わないケースが多い

片付けてから売るか現況のまま買取に出すかの損得、片付け業者の公表料金、相続した実家がゴミ屋敷だった場合の順番は、専用記事ゴミ屋敷の売却で扱っています。

事故物件 — 心理的瑕疵と告知義務

💡 この章の要点: 自殺・他殺・事故死・孤独死(発見遅延)は 心理的瑕疵 として告知義務の対象。国土交通省ガイドラインでは 賃貸はおおむね3年、売買は期間の定めなし、買主から問われれば告知が必要。相場は通常の 30〜70% だが、隠して売ると契約解除・損害賠償のリスクを負う。正直に告知して専門業者に買い取ってもらう のが結果的に安全で速い。

告知が必要なケース・不要なケース

国土交通省の宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン(2021年10月策定、2026-08-26確認)の整理は次の通りです。

  • 原則告知不要: 自然死(病死・老衰)、日常生活の中での不慮の死(転倒・誤嚥など)
  • 告知が必要: 自殺・他殺・事故死など。孤独死でも発見が遅れ特殊清掃が行われた場合は告知対象になり得る
  • 賃貸: 事案からおおむね 3年間 が告知の目安
  • 売買: 期間の定めなし。また、買主から問われた場合は経過年数にかかわらず告知が必要

事故の内容別の相場感

状態 相場の目安(通常物件比)
自然死(告知不要のケース) 基準(下落なし)
孤独死(発見遅延・特殊清掃あり) 50〜80%
自殺・事故死 30〜70%
他殺 20〜50%

仲介と買取でどう変わるか

項目 仲介で売る場合 買取の場合
買主の心理 実需の買主は敬遠しやすい 業者は事案込みで値付けするのが本業
告知 必要 必要(業者相手でも同じ)
業者の出口 — リフォーム・特殊清掃後に、告知した上で賃貸・再販

事前にやると効くこと・やっても回収できないこと

告知の要否を自分のケースに当てはめる判定手順、告知書(物件状況等報告書)に書く4点、価格が再販の出口から逆算で決まる仕組み、相続で引き継いだ人の初動は、事故物件の売却完全ガイドで事故物件だけに絞ってまとめています。この章は訳あり物件全体の中での位置づけに留めています。

  • 事案の時期・内容・対応(特殊清掃の有無)を整理しておく(効く): 情報が正確なほど業者は保守的な減額をせずに済む
  • 特殊清掃が未了なら見積もりだけ取っておく(効く): 買取査定との差し引き比較ができる
  • 事案を伏せて売りに出す(やってはいけない): 売買では告知の期間制限がなく、後から発覚すれば契約解除・損害賠償の争いになる

借地権付きの物件 — 地主の承諾が壁になる

💡 この章の要点: 借地上の建物を第三者に売るには 地主(借地権設定者)の承諾 が要る。承諾が得られない場合でも、借地借家法19条により 裁判所が承諾に代わる許可 を出せる制度がある。相場は所有権物件の 50〜70% が目安。出口は「地主に売る」「地主と一緒に売る」「専門業者に売る」の3方向で考える。

何が障害か

  • 土地は地主のもので、建物と借地権だけが自分のもの、という権利構成
  • 借地権(賃借権)の譲渡には地主の承諾が必要で、承諾の対価(承諾料)を求められるのが通例。金額は地主との交渉次第
  • 地主が承諾しない場合でも、譲渡が地主に不利となるおそれがないときは、裁判所が借地権者の申立てにより承諾に代わる許可 を与えられる(借地借家法19条、2026-08-26確認)。この裁判では財産上の給付(承諾料に相当)が条件になることがある
  • 相続で引き継ぐことと、第三者に売ることは別: 親の借地権を相続すること自体に地主の承諾は要らない。相続人は被相続人の権利義務をそのまま引き継ぐ(民法896条)からで、承諾が要るのは、その借地権を第三者に譲り渡すとき(民法612条)である(民法896条と612条、2026-09-10確認)。「相続したが地主の承諾をもらっていない」という状態は借地権の効力に影響せず、承諾の交渉が必要になるのは売ると決めてからになる。相続直後の手続き(建物の相続登記・地主への通知・契約書が無いときの復元)と相続税評価は借地権の相続で扱っている

出口は3方向

  • 地主に建物ごと買い取ってもらう: 地主にとっては土地が完全所有権に戻るため、第三者より高く買う動機がある。最初に打診する価値が高い
  • 地主と一緒に「所有権物件」として売る: 底地と借地権を同時に売却すれば、買主は完全所有権を取得でき、合計の売値が伸びる
  • 借地権のまま専門業者・第三者に売る: 承諾(または裁判所の代諾許可)を前提に進める。専門業者は地主との交渉ごと引き受けることが多い

仲介と買取でどう変わるか

項目 仲介で売る場合 買取の場合
地主対応 売主が承諾交渉を進める 業者が交渉ごと引き受けることが多い
買主 借地に理解のある買主に限定 業者自身
価格の目安 所有権の50〜70% 承諾の見込みと地代条件で変動

事前にやると効くこと・やっても回収できないこと

  • 借地契約書と地代の支払い記録を揃える(効く): 契約期間・地代・更新料の条件が査定の土台になる
  • 地主に先に打診する(効く): 買い取り意向の有無と承諾の温度感が早く分かる。関係がこじれる前に、売却の意思を丁寧に伝える
  • 建物のリフォーム(回収できないことが多い): 借地権の評価は土地の利用権が主で、建物への投資は乗りにくい

共有名義の物件 — 全員の同意が壁になる

💡 この章の要点: 共有物件の全体売却には 共有者全員の同意 が要る(民法251条)。まとまらない場合、自分の 持分だけの売却 は単独でできるが、相場は 全体価格の持分割合の10〜30%程度 と大きく下がる。先に名義をまとめてから売る のが手取り最大の王道で、持分売却は最後の手段。

何が障害か

  • 民法251条は、共有物に変更を加えるには 他の共有者の同意 が必要と定めており、物件全体の売却には共有者全員の同意が要る(民法251条、2026-08-26確認)
  • 相続で兄弟姉妹の共有になったまま、誰かが反対・音信不通で止まるのが典型
  • 共有者の所在が分からない場合に備えて、裁判所の裁判を経て残りの共有者の同意で変更できる制度もある(民法251条2項)

解消の選択肢

  1. 遺産分割協議・持分の買い取りで単独名義にしてから売る: 時間はかかるが手取りが最も伸びる
  2. 共有者全員で同意して全体を売り、代金を持分で分ける: 全員の足並みが揃うならこれが最短
  3. 共有物分割請求(裁判): 話し合いで決まらない場合の法的手段
  4. 自分の持分だけを専門業者に売る: 単独でできるが、価格は大きく下がる

相続共有の整理手順は相続した空き家が共有名義のときの対処で詳しく扱っています。

仲介と買取でどう変わるか

項目 全体を仲介で売る 持分のみ買取
必要な同意 共有者全員 自分だけ
価格 通常物件と同じ 全体価格 × 持分割合の10〜30%程度
その後 完結 業者が他の共有者と交渉を続ける(共有者間の関係に影響し得る)

事前にやると効くこと・やっても回収できないこと

  • 共有者全員の意向を先に確認する(効く): 「反対」なのか「面倒なだけ」なのかで打ち手が変わる。代表者が査定を取って数字を見せると動き出すことが多い
  • 相続登記を済ませておく(必須): 亡くなった人の名義のままでは売却手続きに進めない
  • 持分だけを急いで売る(最後の手段): 手取りが大きく下がるうえ、残った共有者との関係に禍根を残しやすい。名義整理の交渉を尽くしてから

農地付きの物件 — 農地法の許可が壁になる

💡 この章の要点: 母屋に田畑がセットになった物件は、農地部分の売買に 農地法の許可 が要る。農地のまま売るなら 農業委員会の許可(3条)、宅地などに転用して売るなら 都道府県知事等の許可(5条)。無許可の売買は 効力を生じない。市街化区域内なら届出で足りるため、まず区域と地目の確認から始める。

何が障害か

農地の売買は、農地法で二重に管理されています(農地法3条・5条、2026-08-26確認)。

  • 農地のまま売る(3条): 当事者が 農業委員会の許可 を受ける必要がある。買主は耕作できる人に事実上限られる
  • 転用して売る(5条): 宅地・駐車場などにする目的での売買は 都道府県知事等の許可 が必要
  • 無許可の行為は効力を生じない(3条6項)。契約しても所有権が移らない
  • 市街化区域内の特例: 市街化区域内の農地は、あらかじめ 農業委員会への届出 をすれば転用目的の売買に知事の許可は不要(5条1項6号)

仲介と買取でどう変わるか

項目 仲介で売る場合 買取の場合
農地部分 買主側の許可取得が前提で、破談リスクになる 転用の見込みを業者が判断。見込みが立たない農地は評価から外れることもある
進め方 宅地と農地を分けて検討が必要 宅地(母屋)部分中心の評価になりやすい
期間 許可・届出の手続き分だけ延びる 同左(ただし業者が手続きに慣れている)

事前にやると効くこと・やっても回収できないこと

  • 登記上の地目と現況を確認する(必須): 「田」「畑」の地目が残っていれば農地法の対象。現況が荒れ地でも地目が農地なら手続きが要る
  • 市街化区域かどうかを確認する(効く): 市街化区域内なら届出で済み、ハードルが一気に下がる。市区町村の都市計画課で確認できる
  • 農業委員会に事前相談する(効く): 転用許可の見込み・非農地判断の可能性など、その農地の出口を教えてもらえる
  • 農地部分の造成・整地(回収できないことが多い): 許可の見通しが立つ前に手を入れても、評価には乗らない

売却前に見込む費用の速算

💡 この章の要点: 訳あり物件の売却で発生しがちな費用は 解体・残置物処分・測量・越境の是正 の4つ。仲介ではこれらを 売主が先に持ち出す 場面が多いのに対し、買取では 査定額から差し引く 形になり、持ち出しゼロで進められる。金額はいずれも目安で、見積もりで確定させる。

費用の目安一覧

費用項目 目安 備考
解体費(木造) 坪3〜5万円(30坪で90〜150万円) 詳細は解体費用の記事
解体費(鉄骨造) 坪5〜7万円 木造より2〜5割高
解体費(RC造) 坪6〜10万円 最も高額
残置物処分 2t車1台5〜10万円、屋敷状態30〜100万円超 量に比例
井戸の埋め戻し 10〜20万円 解体と同時が効率的
確定測量 数十万円規模(40〜80万円程度の例が多い) 隣接地権者の数・道路との立会いの有無で変動
越境の是正 覚書での処理なら書類費用程度、物理的な撤去を伴うと数十万円規模 枝・塀・屋根の越境など

手取りの速算式

仲介の手取り ≒ 成約価格 − 仲介手数料 − (解体・処分・測量など先行費用) − 税金
買取の手取り ≒ 買取価格(上記費用差し引き済み) − 税金
  • 仲介は「高く売れるが、先に払うものが多い」構造
  • 買取は「価格は抑えめだが、持ち出しがなく確定が早い」構造
  • 両方の数字を並べて初めて比較になる(考え方の詳細は買取と仲介の比較記事)

モデルケース — 築45年・地方・相続・再建築不可の売却経過

💡 この章の要点: 「地元仲介に断られ、値下げを重ねた末に、訳あり専門買取で着地」という典型的な経過を1本のモデルケースにまとめた。ポイントは 断られた時点で買取査定を並行させること と、役所調査と告知の整理が査定額の根拠になること の2つ。

よくある相談内容を、ひとつの時系列に組み直したモデルケースとしてお見せします(特定の実例ではありません)。

物件条件はこうです。

  • 建物: 木造2階建て・築45年(旧耐震)・親から相続
  • 土地: 地方都市の外れ、前面通路の幅1.8mで接道義務を満たさず 再建築不可
  • 状態: 家財が残ったまま。雨漏り跡あり
1月   相続登記が完了。地元の仲介会社3社に査定を依頼
2月   2社は「この立地と再建築不可では扱えない」と辞退。
      1社が売出価格380万円で仲介を受託
2〜8月 反響2件・内見0件。担当者の提案で2回値下げ(380→300→240万円)
9月   媒介契約の更新を見送り、訳あり物件専門の買取業者3社に査定依頼。
      並行して市役所で道路種別を調査(2項道路には該当せずと確定)
10月   査定額は120万・135万・150万円。告知書に雨漏り跡と
      残置物の量を明記した上で、150万円の業者と契約
11月   残置物ごと現況で引き渡し、決済。登記・税務処理へ

この経過から取り出せる教訓は3つです。

  • 仲介で断られた時点が、買取査定を取るタイミング: このケースでは仲介で7ヶ月粘ったが、その間の固定資産税と管理の手間は戻らない
  • 役所調査は「ダメ元」でもやる: 2項道路に該当していれば、セットバック前提で評価が一段変わっていた。該当しないと確定したこと自体も、業者の査定を早く正確にした
  • 告知を整理した売主は減額されにくい: 雨漏りと残置物を最初から明示したことで、業者は「未知のリスク分」を上乗せして引く必要がなくなった

買取が現況のまま引き受けられる理屈

💡 この章の要点: 買取業者が「現況のまま・残置物ごと・修繕不要」で引き受けられるのは、再販や活用の出口を先に設計し、解体費・処分費・リスクを原価として査定に織り込む から。契約不適合責任も業者が買主なら 免責特約 で整理される。ただし民法572条により、知っていて告げなかった事実の責任は免れない ため、告知だけは正直に。

業者は「出口」から逆算して買う

一般の買主は「自分が住めるか」で物件を見ますが、買取業者は「この物件をどう再生・転用して収益にするか」で見ます。条件ごとの出口はおおよそ決まっています。

条件 業者の主な出口
再建築不可 隣地所有者への転売、リフォームして賃貸、通路・接道の問題を解消して再販
市街化調整区域 資材置き場・駐車場・太陽光など建物によらない活用、許可要件を満たす買主への再販
旧耐震・躯体の傷み 解体して土地として再販
残置物大量 処分後にリフォーム再販(処分は業者の原価)
事故物件 特殊清掃・リフォーム後、告知の上で賃貸・再販
借地権付き 地主との交渉・底地買い取りを経て所有権化
共有持分 他の共有者との交渉・分割協議

出口が設計できるから、傷みや残置物は「障害」ではなく「原価」として計算できる。これが、仲介で断られた物件に買取なら値が付く理屈です。

契約不適合責任の扱い

  • 引き渡した物件が契約の内容に適合しない場合、売主は買主に対して責任(契約不適合責任)を負うのが民法の原則
  • 買取ではこの責任を 免責とする特約 を付けるのが一般的。プロである業者が現況を確認して買うため、売主が後から責任を追及されない形に整理される
  • ただし民法572条により、免責特約があっても 売主が知りながら告げなかった事実 についての責任は免れない(民法572条、2026-08-26確認)

つまり「免責特約があるから何も言わなくていい」ではなく、「知っていることを全部告げた上で免責にしてもらう」が正しい使い方です。告知は売主を守る手続きでもあります。

買取に向く状況・仲介で粘る価値がある状況

  • 買取に向く: 本記事の条件に複数当てはまる、期限がある、遠方で管理できない、先行費用を出したくない
  • 仲介で粘る価値: 条件が軽く(旧耐震のみ等)、立地に実需がある、時間に余裕がある
  • 迷うなら 両方の査定を取って手取りで比較 する(手順は買取と仲介の比較記事)

訳あり物件専門業者の選び方

訳あり物件売却を専門にする業者の選び方のイメージ

💡 この章の要点: 見るべきは ①免許・許可 ②訳あり物件の実績 ③査定書の内訳 ④現況買取の明記 ⑤相見積もり の5点。異常に高い査定は後からの減額交渉、異常に安い査定は買い叩きのサイン で、どちらも内訳を出させれば見分けられる。

チェックリスト5点

  • 免許・許可: 宅地建物取引業免許の番号がサイト・名刺に明記されているか。解体や残置物処分まで請け負うなら、建設業許可・産業廃棄物収集運搬業許可の有無も確認
  • 実績: 「再建築不可◯件」「事故物件◯件」など、条件別の取扱実績を公開しているか。自分の物件と同じ条件の実績があるかを見る
  • 査定書の内訳: 土地値・建物評価・解体費・処分費の差し引きが数字で示されているか。「一式◯◯万円」だけの査定書は比較のしようがない
  • 現況買取の明記: 「残置物そのまま可」「解体不要」が書面で確認できるか。口頭だけの場合、契約書で条件が変わっていないか照合する
  • 相見積もり: 最低3社。査定額に2倍以上の開きがあるときは、高い方の根拠(出口の設計)を説明させる

危険サインの見分け方

  • 異常に高い査定: 契約直前や契約後に「現地を見たら想定と違った」と減額してくる手口の入口になりやすい。内訳の根拠を先に確認する
  • 異常に安い査定: 相場を知らない売主からの買い叩き。他社の査定と並べれば一目で分かる
  • 契約を急がせる: 「今日中に決めれば」という圧は、比較させないための圧。訳あり物件は逃げない

より詳しい確認項目は買取業者の選び方チェックリストにまとめています。

訳あり物件売却の税金

訳あり物件売却の税金のイメージ

💡 この章の要点: 訳あり物件でも課税の仕組みは通常と同じで、売却益に対して 長期(5年超)は所得税15%+住民税5%、短期は所得税30%+住民税9%(別途、復興特別所得税)。相続物件は 被相続人の所有期間を引き継ぐ ため長期になることが多い。旧耐震の相続空き家は 最高3,000万円の特別控除 の対象になり得る。

譲渡所得税の基本

国税庁タックスアンサーによる税率と判定は次の通りです(いずれも2026-08-26確認)。

  • 長期譲渡所得(譲渡した年の1月1日時点で所有期間5年超): 所得税15%+住民税5%。別途、復興特別所得税(基準所得税額の2.1%)がかかる(No.3208)
  • 短期譲渡所得(同5年以下): 所得税30%+住民税9%(No.3211)
  • 相続で取得した物件: 被相続人が取得した時期から所有期間を数える(No.3270)。親が長く持っていた家なら、相続直後に売っても長期扱いになる

課税されるのは売却益(譲渡所得)に対してであり、取得費より安く売れて利益が出なければ譲渡所得税はかかりません。計算の全体像は空き家の譲渡所得税を参照してください。

3,000万円特別控除

相続した空き家の売却では、要件を満たせば譲渡所得から最高3,000万円を控除できます(国税庁 No.3306、2026-08-26確認)。主な要件は次の通りです。

  • 昭和56年5月31日以前に建築 された家屋(旧耐震の物件がまさに対象になり得る)
  • 相続開始から 3年を経過する日の属する年の12月31日まで、かつ 令和9年12月31日まで の譲渡
  • 売却代金が 1億円以下
  • 譲渡時までに耐震基準を満たすか家屋を取り壊す。令和6年以降の譲渡では、譲渡の翌年2月15日までに買主側で耐震改修または取壊し を行う形でも適用可
  • 相続人が 3人以上 の場合(令和6年1月1日以後の譲渡)、控除額は1人 2,000万円 まで

要件の詳細と失敗例は空き家3,000万円特別控除の解説で扱っています。損失が出た場合の損益通算・繰越には別途細かい要件があるため、金額が大きいときは税理士に確認してください。

通常の売却手順との違いを見比べるなら空き家売却の流れ7ステップが基準になります。

訳あり物件売却のよくある質問

1. 「他社で断られた」と伝えたら買い叩かれませんか?

専門業者にとって、仲介で断られた物件は日常の取扱対象です。断られた事実より、複数社の査定を並べているか の方が価格を左右します。1社だけに事情を話して即決する状況こそ避けてください。

2. 再建築不可の物件に、本当に買い手は付きますか?

現金で買う投資家・専門業者・隣地所有者という買い手の層が存在します。相場は再建築可の30〜50%が目安ですが、役所調査で2項道路と判明したり、隣地が買い増しを望んでいたりすると評価が変わります。売る前の調査が価格を決めます。

3. ゴミ屋敷状態のまま査定を頼んでも大丈夫ですか?

そのままで問題ありません。専門業者は残置物処分込みの査定が標準です。むしろ片付けてから、と先延ばしにする間の固定資産税と劣化の方が損になります。貴重品と個人情報の書類だけ回収しておけば十分です。

4. 事故物件であることは、業者相手でも告知が必要ですか?

必要です。売買の告知には期間の定めがなく、買取でも告知書に正確に記載します。免責特約があっても、知りながら告げなかった事実の責任は免れないと民法572条に定められています。正直な告知が、後日の紛争からあなたを守ります。

5. 共有名義で、他の共有者が反対しています。自分の持分だけ売れますか?

自分の持分だけの売却は単独でできます。ただし価格は全体価格の持分割合よりさらに低く(目安10〜30%)、残る共有者との関係にも影響します。名義をまとめてから全体を売る方が手取りは大きいため、持分売却は交渉を尽くした後の最終手段と考えてください。

6. 家に畑がセットで付いています。まとめて売れますか?

農地部分の売買には農地法の許可(市街化区域内は届出)が必要で、無許可の売買は効力を生じません。まず登記上の地目と市街化区域かどうかを確認し、農業委員会に事前相談するのが早道です。買取業者は宅地部分中心の評価になることが多いですが、手続きごと引き受けてくれる業者もあります。

7. 仲介と買取、両方に査定を頼むのは失礼ではありませんか?

問題ありません。一般媒介契約なら複数社への依頼も買取との並行も可能です。仲介の売出価格と買取の確定価格は意味が違う数字なので、両方を並べて手取りで比較するのが正しい判断手順です(詳しくは買取と仲介の比較記事)。

動くなら早いほうが選択肢が多い

空き家には「特定空家指定で固定資産税が最大6倍」「相続から3年以内の譲渡で3,000万円特別控除」など、期限のある制度が複数あります。 売却を決める前でも、いま無料査定を取っておくだけで判断材料が増えます。

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まとめ — 条件が分かれば出口は決まる

最後にもう一度、この記事の使い方を整理します。

  • 早見表で自分の条件を特定する: 再建築不可・調整区域・がけ地・旧耐震・躯体の傷み・残置物・事故・借地権・共有名義・農地の10条件
  • 売る前の一手で価格が変わる条件がある: 再建築不可の役所調査、調整区域の建て替え可否確認、農地の地目確認は、費用ほぼゼロで査定の根拠を変える
  • お金をかける前に現況で査定を取る: 修繕・解体・片付けの先行投資は、多くの条件で回収できない
  • 告知は正直に: 免責特約は「全部告げた売主」を守る仕組み。隠した事実の責任は免れない
  • 数字はすべて相見積もりで確定させる: 目安はあくまで目安。3社以上の査定額と内訳で比較する

条件の重い物件ほど、仲介市場では値段が付かず、買取市場では淡々と値段が付きます。断られた経験は「売れない証明」ではなく、市場を移るタイミングの合図です。それでも値が付かない・引き取り手が現れない場合の最終手段は、空き家が売れない時の対処法に進んでください。

関連: 空き家の売却相場2026 / 空き家の解体費用2026 / 買取と仲介の比較

「他社で断られた物件」こそ無料査定を

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