空き家相続の期限カレンダー|3ヶ月・10ヶ月・3年でやること【2026】
「親が亡くなって空き家を相続したけど、いつまでに何をすれば?」「相続放棄は3ヶ月以内って聞いたけど、他の期限も?」。空き家相続には 5つの法定期限 が連続して訪れます。1つ過ぎるごとに、相続放棄が不可になる、延滞税が付く、控除が使えなくなると、損失の種類が変わります。
この記事では、空き家相続後の 期限カレンダー(3ヶ月・4ヶ月・10ヶ月・3年・3年経過する日の属する年の12月31日)を時系列で整理し、各期限で 何をすべきか、いくらかかるか、期限超過のリスクと回避策 までを、国税庁・法務省・裁判所・条文の表記に沿って解説します。
結論を先にお伝えすると、空き家相続の期限で押さえるべきポイントは3つです。
- 5つの法定期限は起算日がそれぞれ違う — 「知った時から」「知った日の翌日から」「相続開始の日から」が混在するので、条文の表記どおりに数える
- 相続放棄3ヶ月が最初の関門 — 過ぎると単純承認で放棄できない。しかも期限内でも遺品や家を処分すると放棄できなくなる
- 3,000万円控除は「制度の期限」が先に来る — 2025年以降に相続した人の実質の売却期限は 2027年12月31日
「まだ時間ある」と思っているうちに期限切れになるのが空き家相続の落とし穴。本記事のカレンダーで漏れなく対応しましょう。
空き家相続の期限、どれを知りたい? — 状況別ジャンプガイド
| 状況 | おすすめの読み始め |
|---|---|
| 全体カレンダーを見たい | 期限カレンダー全体像 |
| 相続放棄したいかも | 3ヶ月以内:相続放棄 |
| 親の最後の確定申告 | 4ヶ月以内:準確定申告 |
| 相続税の心配 | 10ヶ月以内:相続税申告 |
| 相続登記の義務 | 3年以内:相続登記 |
| 売却で控除使いたい | 3年経過12月31日:3,000万円控除 |
| 仲介で売れ残っている | 買取に切り替える残り時間 |
| 月単位の流れを見たい | 実例: 相続人3人・築45年の実家 |
| 期限超えたらどうなる? | 期限超過時のリスクと回復策 |
空き家相続の期限カレンダー全体像

💡 この章の要点: 相続発生から 3ヶ月→4ヶ月→10ヶ月→3年→3年経過する日の属する年12月31日 の5つの法定期限。最初の3ヶ月(相続放棄)が動けるかの分岐点、最後の控除期限が手取り最大化の鍵。ただし 起算日の書き方が5つとも違う ので、条文の表記で数える。
期限カレンダー(視覚化)
- 相続発生
起算日。ただし「知った日」基準の期限は、後から知った場合にずれる
- 3ヶ月最初の関門
相続放棄・限定承認の期限(最初の関門)
- 4ヶ月
準確定申告(故人の所得税)の期限
- 10ヶ月延滞税リスク
相続税の申告・納付の期限(遅れると延滞税)
- 3年過料リスク
相続登記の申請義務(怠ると過料)
- 3年経過する日の属する年の12/31最大の節税機会
3,000万円控除の売却期限(最大の節税機会)
5期限の一覧
| 順 | 期限 | 起算日(条文・国税庁の表記) | 何をする | 超過リスク |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 3ヶ月 | 自己のために相続の開始があったことを知った時から | 相続放棄 / 限定承認 | 単純承認(放棄不可) |
| 2 | 4ヶ月 | 相続の開始があったことを知った日の翌日から | 準確定申告 | 無申告加算税・延滞税 |
| 3 | 10ヶ月 | 被相続人が死亡したことを知った日の翌日から | 相続税申告・納付 | 無申告加算税・延滞税 |
| 4 | 3年 | 相続の開始を知り、かつ、その不動産の所有権を取得したことを知った日から | 相続登記の申請 | 10万円以下の過料 |
| 5 | 3年経過する日の属する年の12月31日 | 相続の開始があった日から | 3,000万円控除での売却 | 最大約600万円(3,000万円×20.315%)の節税機会喪失 |
出典(いずれも2026年9月確認):
- 1: 民法915条
- 2: 国税庁 No.2022
- 3: 国税庁 No.4205
- 4: 不動産登記法76条の2・法務省
- 5: 国税庁 No.3306
起算日の違いに注意
- 「知った時から」(1): 通常は死亡日と同じだが、疎遠で後から知った場合はその日から
- 「知った日の翌日から」(2・3): 国税庁は1月6日死亡なら11月6日が相続税の期限と例示。月の同じ日が期限になる
- 「知り、かつ、取得したことを知った日から」(4): 実家が遺産に含まれると知らなかった場合は、知った日から。遺産分割で法定相続分を超えて取得した分は「遺産分割の日から3年以内」
-
「相続の開始があった日から」(5): 知った日ではなく死亡日基準
-
期限が土日祝のとき: 相続税は翌日が期限とみなされる(国税庁 No.4205)。他の期限で同じ扱いになるかは確認していないので、休日にかからない日程で組むのが安全
自分のカレンダーに落とす手順
例: 2026年5月10日に死亡、同日に相続を知った場合
相続放棄・限定承認 → 2026年 8月10日まで(知った時から3ヶ月)
準確定申告 → 2026年 9月10日まで(知った日の翌日から4ヶ月)
相続税の申告・納付 → 2027年 3月10日まで(知った日の翌日から10ヶ月)
相続登記 → 2029年 5月10日まで(取得を知った日から3年)
3,000万円控除の売却 → 3年を経過する日は2029年5月 → 2029年12月31日
ただし制度自体の期限が2027年12月31日 → 実質 2027年12月31日
- 制度の期限と比べる: 3,000万円控除は「個別の期限」と「制度の期限(2027年12月31日)」の早いほう
- 1ヶ月前にリマインダー: 家庭裁判所も税務署も、期限当日の書類不備は間に合わない
- 起算日が読めないとき: 疎遠・数次相続など複雑な親族関係では司法書士・税理士に確認する
空き家相続期限 3ヶ月以内 — 相続放棄の検討
💡 この章の要点: 相続を知った時から 3ヶ月以内 に家庭裁判所で相続放棄の申述。負の財産が多い・空き家の維持が困難・相続トラブルから離れたい場合に検討。3ヶ月超過で 単純承認(自動的に相続)となり、放棄不可。期限内でも 空き家や遺品を処分すると放棄できなくなる(民法921条)。
期限内でも放棄できなくなる行為
民法921条は、相続人が「相続財産の全部又は一部を処分したとき」は単純承認をしたものとみなすと定めています。放棄を迷っている間の行動が、放棄の可否を決めます。
| 行為 | 放棄への影響 | 根拠 |
|---|---|---|
| 空き家を売却・解体する | 放棄できなくなる(処分) | 民法921条1号 |
| 遺品や家財を売って現金化する | 放棄できなくなる(処分) | 同上 |
| 被相続人の預金を引き出して自分の用途に使う | 放棄できなくなる(処分) | 同上 |
| 雨漏りの応急修理・草刈り・施錠 | 影響なし(保存行為) | 921条1号ただし書 |
| 短期の賃貸(民法602条の期間内) | 影響なし | 同上 |
| 放棄後に財産を隠す・私的に消費する | 放棄が無効になりうる | 921条3号 |
つまり「とりあえず片付けてから考える」が一番危ない順番です。単純承認になれば「無限に被相続人の権利義務を承継する」(民法920条)ので、借金も全額引き継ぎます。
相続放棄の手続きと費用
[1] 財産・債務の調査(預金・借入・保証・空き家の評価)
↓
[2] 必要書類を集める(戸籍・住民票除票など。続柄で違う)
↓
[3] 被相続人の最後の住所地の家庭裁判所に申述書を提出
↓
[4] 家庭裁判所からの照会書に回答 → 受理通知書
| 費目 | 金額 | 出典 |
|---|---|---|
| 収入印紙 | 申述人1人につき800円 | 裁判所 |
| 連絡用の郵便切手 | 裁判所ごとに異なる | 同上 |
| 戸籍謄本 / 除籍謄本 | 1通450円 / 1通750円 | 手数料政令 |
| 司法書士に書類作成を頼む場合 | 平均40,892円(戸籍5通の取得を含む設例) | 日本司法書士会連合会 2024年3月報酬アンケート・有効回答752件 |
- 必要書類は続柄で変わる: 共通は被相続人の住民票除票(または戸籍附票)と申述人の戸籍謄本。配偶者・子は被相続人の死亡の記載がある戸籍を追加、父母や兄弟姉妹は出生から死亡までの全戸籍が要る
- 兄弟姉妹が申述人になるほど時間がかかる: 相続発生から1ヶ月以内に動き出すのが安全
「3ヶ月の伸長」と限定承認
- 熟慮期間の伸長: 財産調査が終わらないとき、家庭裁判所に申し立てる(民法915条1項ただし書)。申立て自体を知った時から3ヶ月以内 にする。収入印紙は相続人1人につき800円(裁判所)。伸びる期間は裁判所が事案ごとに決める
- 限定承認: 財産の限度でだけ借金を返す方式(民法922条)。相続人全員が共同で 3ヶ月以内に申述する(民法923・924条、裁判所)。借金の総額が分からず、それでも実家を残したい場合の道で、家を残せる条件(鑑定人の評価額の弁済)、官報公告と清算の手間、みなし譲渡の税までは限定承認とは?実家を残して借金を清算する条件にまとめた
相続放棄しても完全解放されない場合
民法940条により、放棄の時に 「現に占有している」 財産は、次の相続人または相続財産清算人に引き渡すまで「自己の財産におけるのと同一の注意をもって」保存する義務が残ります。
- 誰も相続しない空き家: 引き渡す相手がいないので義務が消えない。家庭裁判所に相続財産清算人の選任を申し立てて引き渡す(収入印紙800円と官報公告料5,582円、連絡用の郵便切手。裁判所)
- 同居していなかった相続人: 現に占有していなければ、この保存義務の対象にならない
詳しくは 空き家相続後の判断フロー|売る・持つ・活用・放棄を1時間で決める も参照。
空き家相続期限 4ヶ月以内 — 準確定申告
💡 この章の要点: 相続の開始を知った日の翌日から 4ヶ月以内 に、相続人が 準確定申告(故人の所得税の最終申告)。事業所得・賃貸収入・多額の年金があった場合に必須。年金だけの親なら不要のことが多い。空き家自体には直接関係しないが、相続全体の手続きで漏れがち。
準確定申告が必要なケース
- 事業所得があった: 自営業・農業など
- 給与収入で年末調整が済んでいない: 年の途中で死亡した給与所得者
- 不動産所得がある: 空き家を貸していた、駐車場にしていた
- 公的年金が多い: 年金収入が400万円超、または年金以外の所得が20万円超。逆に400万円以下かつ他の所得20万円以下なら申告不要(国税庁 No.1600)。年金だけの親なら要らないことが多く、還付を受けたいときだけ任意で申告する
- 限定承認をした: 亡くなった人が相続の時の時価で財産を売ったものとみなされ(所得税法59条1項1号)、実家などに値上がり益があれば、亡くなった人の所得税として申告の対象になる。年金だけの親でも、みなし譲渡の所得が加わる分、申告不要とは限らなくなる
手続きの概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 期限 | 相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内(国税庁 No.2022) |
| 提出先 | 被相続人の死亡当時の納税地の税務署 |
| 提出方法 | 相続人が2人以上なら 連署 で1通。または他の相続人の氏名を付記して各人が別々に提出(その場合は他の相続人に通知) |
| 添付 | 準確定申告書の付表(各相続人の氏名・住所・続柄・相続分)。還付金を代表者が受け取るなら委任状 |
- 空き家を貸していた・事業に使っていた: その年の1月1日から死亡日までの収支を申告に含める
- 死亡前に売却契約を結んでいた: 譲渡所得が生じていれば対象になりうる。税理士に確認
- 遅れた場合: 申告はできるが、無申告加算税と延滞税の対象。割合は相続税の章と同じ枠組み
空き家相続期限 10ヶ月以内 — 相続税申告・納付
💡 この章の要点: 死亡を知った日の翌日から 10ヶ月以内 に相続税の申告・納付。基礎控除(3,000万円 + 600万円×法定相続人の数)を超える場合のみ。土地は 路線価、建物は 固定資産税評価額 で算定。期限超過で延滞税・無申告加算税。別居の相続人が小規模宅地等の特例を使うなら、申告期限まで空き家を売らない という制約がある。
相続税の基礎控除
基礎控除 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
例: 配偶者と子2人(法定相続人3人) → 4,800万円
総遺産額が基礎控除以下なら 申告不要 です(国税庁 No.4152)。
この判定は、小規模宅地等の特例を使う前の価額で行います(国税庁 No.4205 注2)。特例を使って初めて基礎控除以下になる場合は、税額が0円でも申告が要ります。
法定相続人の数え方は2点注意。
- 相続放棄した人も数に含める: 兄が放棄しても、基礎控除の計算では1人と数える(国税庁 No.4152)
- 養子は上限あり: 実子がいる場合は1人まで、いない場合は2人まで(国税庁 No.4102)
空き家の評価方法と速算表
| 区分 | 評価方法(国税庁 No.4602) |
|---|---|
| 土地(路線価地域) | 1㎡あたりの路線価 × 補正率 × 面積 |
| 土地(路線価のない地域) | 固定資産税評価額 × 国税局長が定める倍率 |
| 建物 | 固定資産税評価額 × 1.0(老朽家屋でも評価額がある限りゼロにならない) |
課税遺産総額を法定相続分で分けたと仮定し、各人の取得金額に次の表を当てはめて合計します(国税庁 No.4155)。
| 法定相続分に応ずる取得金額 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 1,000万円以下 | 10% | なし |
| 3,000万円以下 | 15% | 50万円 |
| 5,000万円以下 | 20% | 200万円 |
| 1億円以下 | 30% | 700万円 |
| 2億円以下 | 40% | 1,700万円 |
| 3億円以下 | 45% | 2,700万円 |
| 6億円以下 | 50% | 4,200万円 |
| 6億円超 | 55% | 7,200万円 |
特例と、早く売りたい人がぶつかる点
- 小規模宅地等の特例: 被相続人の居住用宅地は330㎡まで評価額を80%減額(国税庁 No.4124)。別居の相続人が使うには、被相続人に配偶者がいない、相続開始前3年以内に自分や配偶者などの持ち家に住んでいない、その宅地を申告期限まで保有している などの要件がある。10ヶ月の申告期限より前に売ると要件を外れる。6要件の中身、老人ホームに入所していた親の家の扱い、申告期限の後に3,000万円控除の期限までに売る時系列は小規模宅地の特例を空き家で使う条件
- どちらが得かを計算する: 評価額500万円の宅地なら減額400万円、税率10%なら税額差40万円程度。遺産が基礎控除以下なら無関係
- 配偶者の税額軽減: 配偶者の取得分が1億6千万円または法定相続分までなら相続税がかからない(国税庁 No.4158)
- どの特例も申告が条件: 税額0になっても申告必須
- 未分割でも期限は延びない: 法定相続分で仮に申告し、「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付。分割後4か月以内の更正の請求で特例を適用し直す(国税庁 No.4208)
- 納税資金がない: 税額10万円超で金銭納付が困難なら延納(国税庁 No.4211)。空き家を売って納めるなら10ヶ月以内に決済まで終える必要があり、仲介で間に合わなければ買取が現実的
期限超過時のリスク
無申告加算税は、令和6年1月1日以後に法定申告期限が来る分から次のとおりです(国税庁 No.2024)。
| 申告のタイミング | 50万円以下 | 50万円超300万円以下 | 300万円超 |
|---|---|---|---|
| 調査通知より前に自主的に申告 | 5% | 5% | 5% |
| 調査通知の後、更正等の予知より前 | 10% | 15% | 25% |
| 調査を受けた後 | 15% | 20% | 30% |
- 延滞税: 令和8年は納期限の翌日から2か月までが年2.8%、それ以後は年9.1%(国税庁 No.9205)。年ごとに見直される
- 重加算税: 隠蔽・仮装があれば無申告40%、過少申告35%(国税通則法68条)
-
1か月以内の自主申告: 期限から1か月以内に自主的に申告し納税も済ませているなどの要件を満たせば、無申告加算税はかからない
-
動き出しの目安: 10ヶ月期限はギリギリで動くと書類不備リスク大。相続発生後3ヶ月以内に税理士に相談 が現実解
空き家相続期限 3年以内 — 相続登記の義務化

💡 この章の要点: 2024年4月1日施行の相続登記義務化により、相続で不動産を取得したことを知った日から 3年以内 の申請が必須。違反は 10万円以下の過料。過去の相続も対象(2024年4月1日より前の相続は 2027年3月31日まで)。費用の中心は 登録免許税0.4% と戸籍の実費。売却するなら登記は避けて通れない。
相続登記の概要
| 項目 | 内容 | 出典 |
|---|---|---|
| 期限 | 自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、その不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内 | 不動産登記法76条の2・法務省 |
| 遺産分割後 | 法定相続分を超えて取得した分は、遺産分割の日から3年以内 | 同上 |
| 施行日 | 令和6年(2024年)4月1日 | 東京法務局 |
| 経過措置 | 施行前の相続で未登記のものは令和9年(2027年)3月31日まで | 法務省Q&A |
| 罰則 | 正当な理由なく怠ると10万円以下の過料 | 不動産登記法164条1項 |
| 登録免許税 | 固定資産税評価額 × 0.4% | 国税庁 No.7191 |
過料までの流れ
- 順番: 登記官が違反を把握 → 申請するよう催告 → 期限内に申請がなく正当な理由もなければ裁判所に通知 → 裁判所が過料の裁判。「3年を過ぎた翌日に10万円」ではない
- 「正当な理由」の例(法務省): 相続人が極めて多数で戸籍収集に時間がかかる / 遺言の有効性や遺産の範囲が争われている / 本人が重病 / DV被害者で避難中 / 経済的に困窮して費用を負担できない
- 入っていないもの: 「忙しかった」「遠方だった」
必要書類と費用
法務局の必要書類一覧によると、遺産分割協議で1人が取得する場合に集める書類は次のとおりです。
| 誰の | 書類 | 入手先 |
|---|---|---|
| 被相続人 | 出生から死亡までの戸籍・除籍・改製原戸籍 | 本籍地の市区町村 |
| 被相続人 | 住民票の除票または戸籍の附票 | 住所地または本籍地の市区町村 |
| 相続人全員 | 戸籍謄本(死亡日以降に発行)・印鑑証明書 | 本籍地・住所地の市区町村 |
| 新しい所有者 | 住民票・固定資産課税明細書(申請年度分。毎年4月ごろ送付) | 住所地の市区町村 |
| 作成するもの | 登記申請書・遺産分割協議書・相続関係説明図 | 様式は法務局 |
登録免許税 = 固定資産税評価額 × 0.4%
例: 土地 600万円 + 建物 100万円 = 700万円 → 28,000円
| 費目 | 金額 | 備考 |
|---|---|---|
| 登録免許税 | 評価額 × 0.4% | 土地の価額100万円以下なら免税(令和9年3月31日まで。法務局)。申請書に租税特別措置法の条項を書くのが条件 |
| 戸籍等の実費 | 戸籍450円・除籍750円/通 | 出生から死亡までで5〜10通になることが多い |
| 法定相続情報一覧図 | 無料 | 戸籍一式を法務局に出すと認証文付きの写しを交付。預金の払戻しや相続税の申告にも使い回せる(法務局) |
| 司法書士報酬 | 平均74,888円 | 日本司法書士会連合会 2024年3月報酬アンケート(土地1筆建物1棟・評価額計1,000万円・相続人3名中1名が単独相続の設例、有効回答1,109件)。相続人や不動産の数で大きく変わる |
救済策:相続人申告登記
遺産分割協議が長期化して間に合わない場合、相続人申告登記 で義務違反を回避できます(法務省)。
- 登録免許税がかからない。申出書、自分が相続人だと分かる戸籍、住所を証する書面で足りる。相続人の1人が単独で、Webブラウザからも申し出できる
- できないこと: 権利関係を公示する登記ではないため、売却や抵当権設定には別途相続登記が必要
- 遺産分割後の義務は残る: 分割で取得した人は、分割の日から3年以内に本来の相続登記が必要
つまり「売るつもりの空き家」では、相続人申告登記は時間稼ぎにしかなりません。
過去の相続も対象
- 2027年3月31日まで: 「祖父名義のまま」「親が10年前に亡くなった」物件も登記申請が必要
- 遺産分割の10年ルール: 令和5年4月から、相続開始後10年を過ぎると原則として法定相続分で分割されたものとみなされる(法務省)
詳しくは 空き家の相続登記義務化|期限・過料・自分でやる方法【2026年版】 参照。
空き家相続期限 3年経過する日の属する年12月31日 — 3,000万円控除

💡 この章の要点: 相続の開始があった日から 3年を経過する日の属する年の12月31日まで に売却すれば、譲渡所得から最大3,000万円控除(=最大約600万円の節税)。ただし制度自体の期限が 2027年12月31日 で、2025年以降の相続ではこちらが先に来る。期限から逆算した売却スケジュールが必須。
期限の正確な意味
この特例の期限は2本立てです(国税庁 No.3306)。
- 個別の期限: 「相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで」に売ること
- 制度の期限: 「平成28年4月1日から令和9年12月31日までの間に売って」いること
| 相続開始(死亡)の年 | 個別の期限 | 制度の期限 | 実質の売却期限 |
|---|---|---|---|
| 2023年 | 2026年12月31日 | 2027年12月31日 | 2026年12月31日 |
| 2024年 | 2027年12月31日 | 2027年12月31日 | 2027年12月31日 |
| 2025年 | 2028年12月31日 | 2027年12月31日 | 2027年12月31日 |
| 2026年 | 2029年12月31日 | 2027年12月31日 | 2027年12月31日 |
2025年以降に相続した人は「3年半ある」と思っていても、締切は 2027年12月31日 です。2026年9月時点で残りは約16ヶ月。制度が延長されるかは税制改正次第で、事前には分かりません。
適用要件
| 区分 | 要件 |
|---|---|
| 家屋 | 昭和56年5月31日以前に建築 / 区分所有建物(マンション)でない / 相続開始の直前に被相続人以外に居住していた人がいない |
| 被相続人 | 相続開始の直前まで居住(要介護認定を受けて老人ホーム等に入所していた場合は一定の要件で可) |
| 相続後 | 相続の時から譲渡の時まで、事業・貸付け・居住の用に供していない |
| 売却 | 売却代金1億円以下 / 親子や夫婦など特別の関係がある人への売却でない |
| 建物の扱い | 譲渡の時から譲渡の翌年2月15日までに耐震基準を満たす、または家屋の全部を取り壊す(取壊しを譲渡後に行う扱いは令和6年1月1日以後の譲渡から) |
| 他の特例 | 取得費加算の特例などと併用不可 |
| 控除額 | 最高3,000万円。令和6年1月1日以後の譲渡で、家屋と敷地を取得した相続人が3人以上なら 1人あたり2,000万円 |
- 典型は「一人暮らしだった親の、昭和56年5月以前の家」: 兄弟が同居していた家、賃貸に出していた家は対象外。相続後に一度でも貸すと使えない
- 3人以上で共有相続すると控除が減る: 遺産分割で1人が取得して売り、代金を分ける形と税額が変わりうる。分割協議の前に税理士に相談
節税額の計算例
売却価格 1,200万円・取得費不明・仲介手数料 46.2万円・印紙等 3.8万円
取得費(概算) = 1,200万 × 5% = 60万円 … 国税庁 No.3258
譲渡費用 = 50万円 … 仲介手数料・印紙税(No.3255)
譲渡所得 = 1,200万 − 60万 − 50万 = 1,090万円
税額(控除なし) = 1,090万 × 20.315% ≒ 221万円 … 長期譲渡(No.3208)
税額(控除あり) = 1,090万 − 3,000万 < 0 → 0円
- 税率20.315%は所有5年超の長期譲渡: 相続した家は被相続人の取得時期を引き継ぐ(国税庁 No.3270)ので、親が長く住んだ家はほぼ長期
- 取得費が分からない家は売却額の5%が取得費(国税庁 No.3258): 売却額のほぼ全部が所得になるので、この控除の効き目が大きい
-
実際の節税額は「税率×譲渡所得」: 譲渡所得が3,000万円を超える空き家は少なく、上の例では221万円
-
控除は確定申告で受ける: 譲渡所得の内訳書・登記事項証明書・売買契約書の写しに加え、市区町村が交付する 被相続人居住用家屋等確認書 と耐震基準適合証明書(または取壊し後の登記事項証明書)を添付する。書類の詳細は 空き家3,000万円特別控除|要件・失敗例・申請手順 参照
期限から逆算したスケジュール
期限-12ヶ月: 査定取得・相続登記完了・確認書に必要な書類の目星
期限- 9ヶ月: 仲介で売り出す場合の開始ライン
期限- 5ヶ月: 仲介で反響がなければ買取に切り替える判断ライン
期限- 3ヶ月: 売買契約成立
期限- 1ヶ月: 決済・引渡し(原則この日が「譲渡の日」)
期限当日 : 12月31日。年末は法務局も金融機関も休むので、実質は12月中旬
- 理想は期限の半年以上前に売却完了: ギリギリで動くと値下げ交渉に応じるしかなくなる
仲介で売れ残ったとき、買取に切り替える残り時間の計算
💡 この章の要点: 仲介は「売出しから契約まで」の期間が読めないのに対し、買取は査定から決済まで 1〜2ヶ月 で終わる。2027年12月31日の控除期限から逆算すると、仲介を続けるか買取に切り替えるかの 判断ラインは2027年7〜8月。買取業者に売っても控除の要件は同じ。
仲介と買取で「残り時間」の意味が違う
| 項目 | 仲介 | 買取 |
|---|---|---|
| 買主 | 一般の個人 | 買取業者 |
| 売出しから契約まで | 読めない(数週間〜1年超) | 査定から1〜2週間で価格提示 |
| 契約から決済まで | 1〜2ヶ月(買主の住宅ローン審査) | 数日〜1ヶ月 |
| 価格 | 相場に近い | 相場より低い(再販の利益と解体費が引かれる) |
| 仲介手数料の上限 | 200万円以下5.5%・400万円以下4.4%・400万円超3.3%の合計(税込)。800万円以下の空き家等は33万円まで(国交省告示) | 0円 |
| 契約不適合責任 | 個人買主相手では負うことが多い | 免除特約が標準 |
| 残置物・解体 | 片付けや解体を求められることが多い | 現況のまま |
- 期間の数字は実務上の目安: ただ「仲介は契約日が読めない」という一点だけで、期限のある売却では計算が変わる
残り時間の計算式
控除期限(2027年12月31日)
− 年末の休業を避ける余裕(2週間)
− 契約から決済まで(仲介 1〜2ヶ月 / 買取 数日〜1ヶ月)
− 買取に切り替えた場合の査定・価格提示(2〜4週間)
= 仲介を続けてよい最終日
→ 買主が見つかっていなければ、2027年7〜8月が切り替えの判断ライン
→ 買取一本なら、2027年10月に査定依頼しても間に合う計算
- 判断ラインを先にカレンダーに書く: 「あと1ヶ月粘れば」を繰り返すと、控除221万円(前章の例)を失って値下げ幅の何倍も損をする
- 控除込みの手取りで比べる: 仲介1,200万円(手数料46.2万円・控除で税0)と買取1,000万円(手数料0・控除で税0)なら差は約154万円。仲介が期限に間に合わず控除を失えば、税221万円で逆転する
- 「譲渡の日」は原則引渡し日: 契約の効力発生日を選ぶこともできる(国税庁 No.3102)が、年末の決済は金融機関の営業日で詰まるので12月中旬までに置く
買取でも3,000万円控除は使える
控除の要件に「買主が個人であること」はありません。除外されているのは「親子や夫婦など特別の関係がある人」への売却だけです(国税庁 No.3306)。
- 建物付きで売る場合: 譲渡の翌年2月15日までに家屋が全部取り壊されている、または耐震基準を満たしていることが要件。国税庁の案内には誰が取り壊すかの記述がないので、業者が解体する前提なら、契約書に解体期限と取壊し後の登記事項証明書の交付を書き、事前に税務署か税理士に確認する
- 確認書は売主が取る: 被相続人居住用家屋等確認書は相続人が市区町村に申請する
- 査定は3社: 査定額の差は再販ルートの差。売却代金1億円以下の要件は買取価格ならまず超えない
アキラッキーのような買取業者は、相続登記が済んでいない段階の相談も受けています。登記は先に済ませる必要がありますが、査定と登記を並行させれば控除期限の逆算が楽になります。
実例:相続人3人、築45年の地方の実家が5つの期限をどう通過したか
💡 この章の要点: 2025年11月に父が亡くなり、昭和55年築の実家を子3人が相続した架空のモデルケース。相続放棄せず、準確定申告は不要、相続税も基礎控除以下。相続登記に約10万円、仲介6ヶ月で売れず買取650万円で決着。控除の実質期限は 2027年12月31日 で、譲渡所得税約125万円が控除で0円になった。
細部を簡略化した架空の例ですが、地方の相続空き家ではよくある経過です。
- 被相続人: 父(母は先に死亡)。年金収入のみ年180万円。一人暮らし
- 物件: 地方都市の郊外、昭和55年(1980年)築の木造2階建て(築45年)。土地180㎡。固定資産税評価額は土地350万円・建物60万円、路線価による相続税評価額は土地420万円
- その他の遺産: 預金1,900万円。借金なし
- 相続人: 長男(県外在住)・長女・次男の3人。死亡日2025年11月20日に全員が知った
5つの期限の日付
| 期限 | 起算 | 日付 |
|---|---|---|
| 相続放棄・限定承認 | 知った時から3ヶ月 | 2026年2月20日 |
| 準確定申告 | 知った日の翌日から4ヶ月 | 2026年3月20日 |
| 相続税の申告・納付 | 知った日の翌日から10ヶ月 | 2026年9月20日 |
| 相続登記 | 取得を知った日から3年 | 2028年11月20日 |
| 3,000万円控除の売却 | 3年経過は2028年 → 2028年12月31日、制度期限が先 | 2027年12月31日 |
時系列
| 時期 | 出来事 | 金額・判断 |
|---|---|---|
| 2025年12月 | 通帳と郵便物で借金・保証の有無を確認 | 借金なし → 放棄しないと3人で決定。遺品はそれまで動かさず |
| 2026年1月 | 年金収入180万円のみと確認 | 年金400万円以下・他の所得なし → 準確定申告は不要と税務署で確認 |
| 2026年2月 | 遺産総額: 土地420万 + 建物60万 + 預金1,900万 = 2,380万円 | 基礎控除4,800万円(3,000万 + 600万×3)以下 → 相続税申告不要 |
| 2026年3月 | 遺産分割協議。実家は長男が単独取得し、売却代金を3人で分ける | 3人共有だと控除が各2,000万円になるため単独取得 |
| 2026年4月 | 戸籍一式(8通・約5,000円)を集め、法定相続情報一覧図を法務局で取得(無料) | 司法書士に相続登記を依頼。登録免許税 410万 × 0.4% = 16,400円、報酬約7.5万円 |
| 2026年5月 | 相続登記完了。地元の仲介業者と専任媒介契約。売出し980万円 | 判断ラインを2027年8月とカレンダーに記入 |
| 2026年6〜11月 | 内見4組、申込みなし。9月に880万円へ値下げ | 反響は月1件以下に |
| 2026年12月 | 買取業者3社に査定依頼。520万・600万・650万円 | 反響ゼロが2ヶ月続いたため、判断ラインを待たず切り替え |
| 2027年1月 | 650万円で契約。現況渡し・残置物そのまま・解体は業者負担。「2027年5月までに解体し、閉鎖事項証明書を売主に交付」を契約書に明記 | 契約前に税務署で控除の要件を確認 |
| 2027年2月 | 決済・引渡し。仲介手数料0円 | 市役所に被相続人居住用家屋等確認書を申請 |
| 2027年5月 | 業者が解体・建物滅失登記。閉鎖事項証明書を受領 | 譲渡の翌年2月15日より前に取壊し完了 |
| 2028年2〜3月 | 長男が確定申告。譲渡所得 650万 − 32.5万(概算取得費5%) − 1万(印紙等) ≒ 616万円 | 控除で課税所得0円。控除がなければ 616万 × 20.315% ≒ 125万円の税 |
この例から拾える判断材料
- 放棄しない判断は「借金の確認」が先: 12月に遺品を売っていたら、後で借金が見つかっても放棄できなかった
- 準確定申告と相続税は「不要の確認」も仕事: 年金だけの親と基礎控除以下の遺産なら2つの期限は消えるが、税務署で確かめて記録に残すまでが手続き
- 判断ラインを先に決めていたので迷わなかった: 仲介の値下げ100万円より切り替えが早かった。「3年半ある」と思っていたら2028年に売って控除を失っていた
買取価格650万円は「更地にすれば1,000万円前後で売れる土地」を前提にした仮の数字です。接道なし・再建築不可・市街地から遠いなどの条件では値が付かないこともあり、査定を取らないと分かりません。
空き家相続期限を超過した場合のリスクと回復策

💡 この章の要点: 期限超過のリスク: 相続放棄不可(3ヶ月)、加算税・延滞税(4ヶ月・10ヶ月)、10万円以下の過料(3年)、節税機会喪失(控除期限)。3年の期限は 救済策あり、4ヶ月・10ヶ月は 遅れても申告すれば傷は浅い、3ヶ月と控除期限は 原則やり直せない。
超過後にできること・できないこと
| 期限 | 超過後にできること | 追加で払うもの | 取り返しは |
|---|---|---|---|
| 3ヶ月(相続放棄) | ほぼなし。期限内に伸長を申し立てていた場合のみ延長 | 借金があれば全額承継 | つかない |
| 4ヶ月(準確定申告) | 期限後申告 | 無申告加算税5%〜・延滞税 | つく |
| 10ヶ月(相続税) | 期限後申告。未分割なら法定相続分で | 無申告加算税5〜30%・延滞税(令和8年は年2.8%/9.1%) | つく |
| 3年(相続登記) | 期限後でも申請できる。相続人申告登記で義務だけ先に果たすことも可 | 10万円以下の過料(催告に応じなかった場合) | つく |
| 控除期限 | 通常の譲渡所得税で売る | 譲渡所得×20.315%(長期) | つかない |
期限ごとの対応
- 3ヶ月超過: 期限後の申述が受理されるかは家庭裁判所の個別判断で、弁護士に相談する領域。単純承認として進めるなら、空き家の維持費が重くなる前に早期売却で出費を止める
- 4ヶ月・10ヶ月超過: 税務署の調査通知が来る前に自主的に申告すれば無申告加算税は5%。延滞税は納付まで日割りで増えるので、未分割でも法定相続分で先に申告する。特例の適用可否は税理士に確認
- 3年超過: 登記官の催告に応じて申請すれば過料の裁判には進まない。売却予定があるなら相続人申告登記ではなく本来の相続登記を急ぐ
- 控除期限超過: 救済策はない。相続税を納めた人は取得費加算の特例(相続税の申告期限の翌日以後3年以内の売却。国税庁 No.3267)が使えるか確認する。相続税がかかっていない人には使えない
- 税率の確認: 所有5年超なら20.315%、5年以下なら39.63%(国税庁 No.3211)。相続では被相続人の所有期間を引き継ぐので、短期になることは少ない
空き家相続期限のよくある質問
- 1. 相続発生から3ヶ月以内に判断できない場合は?
熟慮期間の伸長 を家庭裁判所に申し立てます。
- 申立ての期限: 申立て自体を、相続の開始を知った時から3ヶ月以内にする
- 費用: 収入印紙は相続人1人につき800円と連絡用の郵便切手
- 伸びる期間: 裁判所が事案ごとに決める
- 2. 親が亡くなっていつから期限カウント?
期限ごとに起算日の表記が違います。
- 相続放棄(3ヶ月): 「自己のために相続の開始があったことを知った時から」
- 準確定申告(4ヶ月)・相続税(10ヶ月): 「知った日の翌日から」。1月6日死亡なら相続税は11月6日
- 相続登記(3年): 「相続の開始を知り、かつ、その不動産の所有権を取得したことを知った日から」
- 3,000万円控除: 「相続の開始があった日から」3年を経過する日の属する年の12月31日。こちらは死亡日基準
- 3. 共有名義で相続人全員の合意が取れない場合は?
相続人申告登記(登録免許税なし・1人で申出可)で相続登記義務化の期限は乗り越えられます。ただし売却には相続人全員の合意と本来の相続登記が必要です。3,000万円控除は、取得した相続人が3人以上なら1人2,000万円になります。共有名義の売却は 共有名義の空き家を売る方法 を参照。
- 4. 期限内に売却できなかった場合の節税策は?
- 取得費加算の特例: 相続税を納めた人が、相続税の申告期限の翌日以後3年以内に売った場合、相続税額の一部を取得費に加算できる。空き家控除とは併用不可(選択)
- 譲渡損失が出た場合: 売却額が取得費と譲渡費用を下回れば、そもそも譲渡所得税はかからない
相続税がかからなかった人には取得費加算は使えないので、控除期限内の売却が唯一の節税策になります。
- 5. 買取業者に売っても3,000万円控除は使えますか?
使えます。除外されている買主は「親子や夫婦など特別の関係がある人」だけです。建物付きで売る場合は、譲渡の翌年2月15日までに取壊しか耐震化が完了していることが要件なので、業者が解体する段取りと期限を契約書に書き、事前に税務署か税理士に確認しておきます。
動くなら早いほうが選択肢が多い
空き家には「特定空家指定で固定資産税が最大6倍」「相続から3年以内の譲渡で3,000万円特別控除」など、期限のある制度が複数あります。 売却を決める前でも、いま無料査定を取っておくだけで判断材料が増えます。
まとめ — 「5期限カレンダー」を相続発生直後に作る
最後にもう一度、空き家相続の期限ポイントを整理します。
- 5つの法定期限: 3ヶ月(相続放棄)・4ヶ月(準確定申告)・10ヶ月(相続税)・3年(相続登記)・3年経過する日の属する年12月31日(3,000万円控除)。起算日は条文の表記で数える
- 最も復旧困難: 3ヶ月超過の相続放棄不可。期限内でも遺品や家を処分すると放棄できない
- 最も大きな損失リスク: 3,000万円控除の期限切れ。2025年以降の相続では制度の期限 2027年12月31日 が実質の締切
- 費用の目安: 相続放棄は印紙800円+戸籍実費、相続登記は評価額×0.4%+戸籍実費(司法書士に頼めば報酬が加わる)、相続税は基礎控除を超えた分に10%〜
- 対策: 相続発生直後に 5期限カレンダー を紙かアプリに記録し、控除期限の5ヶ月前を「買取に切り替える判断ライン」として書き込む
「まだ時間ある」と思っているうちに期限が来るのが空き家相続。期限管理が手取り最大化の最大要因です。
関連: 空き家を相続したら何から始める?5ステップ完全ガイド / 空き家3,000万円特別控除|要件・失敗例・申請手順 / 空き家の相続登記義務化 / 空き家相続後の判断フロー
3,000万円控除期限内の売却で、最大約600万円節税
期限ギリギリは買い叩かれリスク大。期限の半年以上前の査定取得が手取り最大化の鉄則。査定は無料・秘密厳守。
- 査定も相談も無料。売ると決める前の段階でも、買取可否と概算金額が分かります
- 現状渡しでOK。片付けも解体も不要で、撤去・解体費は運営側の負担です
- 仲介手数料0円。契約から決済まで最短数日で、遠方からでも手続きを進められます
- 弁護士・税理士・司法書士の3士業と連携。再建築不可、共有持分、相続未登記、事故物件も相談できます
しつこい営業はありません。





