空き家売却の確定申告|必要書類・書き方・しないとどうなる【2026】
「空き家を売ったけど、確定申告は必要?」「3,000万円控除で税金0円なら申告しなくていい?」——答えは、控除を使うなら税額0円でも申告必須 です。申告を忘れると控除が受けられず、後から数百万円の税金+ペナルティを請求されるリスクがあります。
この記事では、空き家売却後の確定申告を実務の順番で解説します。申告が必要かどうかの判定 から、必要書類のチェックリスト、3,000万円控除の申告手順、譲渡所得の内訳書のつまずきやすい欄、買取で売った場合の注意点、そして 申告しなかった場合のペナルティ までです。
結論を先にお伝えすると、空き家売却の確定申告で押さえるべきポイントは3つです。
- 売却益が出た or 特例を使うなら申告必須 — 「税額0円だから不要」は誤解
- 申告期間は売却した年の翌年2月16日〜3月15日(国税庁) — 書類集めは年内に始める
- 3,000万円控除には市区町村発行の「確認書」が必要 — 取得に時間がかかるので売却後すぐ動く
「売って終わり」ではなく「申告して終わり」。この記事でチェックリスト化して漏れなく進めてください。
確定申告、どこから知りたい? — 状況別ジャンプガイド
| 状況 | おすすめの読み始め |
|---|---|
| 自分は申告が必要? | 申告が必要かの判定 |
| 必要書類を知りたい | 必要書類チェックリスト |
| 3,000万円控除を使う | 控除の申告手順 |
| 内訳書の書き方が分からない | 内訳書のつまずきやすい欄 |
| 買取業者に売った | 買取で売った場合の申告 |
| 申告の流れ・スケジュール | スケジュールと手順 |
| e-Taxでやりたい | e-Taxでの申告 |
| しないとどうなる? | 申告しなかった場合 |
空き家売却で確定申告が必要かどうかの判定

💡 この章の要点: ① 売却益(譲渡所得)が出た → 必要、② 3,000万円控除など特例を使う → 税額0円でも必要、③ 純粋な売却損で特例も使わない → 原則不要。迷ったら「申告する」が安全。
判定フローチャート
空き家を売却
│
├─「売却額 −(取得費+譲渡費用)」がプラス(利益あり)
│ ├─ 特例(3,000万円控除など)を使う → 申告必須(控除は申告が条件)
│ └─ 特例を使わない → 申告必須(納税のため)
│
└─ マイナス(損失)で特例も使わない → 原則不要(任意の申告は可)
取得費が分からない場合は「売却額の5%」を取得費とみなして計算するため(概算取得費。国税庁No.3258)、古い実家の売却は ほぼ確実に「利益あり」側に落ちます。「損したはずだから申告不要」と思い込むのが、一番危ない入口です。
よくある誤解
| 誤解 | 正しい理解 |
|---|---|
| 「控除で税金0円だから申告不要」 | 控除は申告して初めて適用。無申告だと控除なしの税額を請求される |
| 「源泉徴収されているから不要」 | 不動産売却に源泉徴収はない(給与と違う) |
| 「買取業者に売ったから不要」 | 売却方法に関係なく利益が出れば申告必要 |
| 「少額だから不要」 | 利益が出ていれば金額に関わらず申告対象 |
| 「損が出たから給与の税金が戻る」 | 空き家(非居住用)の売却損は給与など他の所得と 損益通算できない(国税庁No.3203) |
会社員でも申告が必要
普段は年末調整だけの会社員も、不動産売却の譲渡所得は 給与とは別に分離課税で申告 します。
- 申告書: 通常の第一表・第二表に加えて 第三表(分離課税用) を使う
- 勤務先に知られたくない場合: 住民税の徴収方法で「自分で納付(普通徴収)」を選べる
空き家売却の確定申告の必要書類チェックリスト

💡 この章の要点: 基本セットは「確定申告書+譲渡所得の内訳書+売買契約書コピー+領収書類」。3,000万円控除を使うなら追加で「被相続人居住用家屋等確認書」(市区町村発行)等が必要。年内に集め始めるのが鉄則。
全員必要な基本書類
| 書類 | 入手先 | 備考 |
|---|---|---|
| 確定申告書(第一表・第二表・第三表) | 国税庁HP / e-Tax | 第三表=分離課税用 |
| 譲渡所得の内訳書 | 国税庁HP | 売却の明細を記入 |
| 売買契約書のコピー(売却時) | 自分の保管分 | 売却額の証明 |
| 売買契約書のコピー(購入時) | 親の保管書類等 | 取得費の証明(あれば) |
| 譲渡費用の領収書 | 仲介業者・解体業者等 | 仲介手数料・印紙・解体費 |
| 登記事項証明書 | 法務局(オンライン可) | 物件情報の確認用 |
| 本人確認書類・マイナンバー | - |
3,000万円控除を使う場合の追加書類
国税庁No.3306が定める添付書類です。
| 書類 | 入手先 | 備考 |
|---|---|---|
| 被相続人居住用家屋等確認書 | 物件所在地の 市区町村 | 交付まで1〜2週間が目安 |
| 登記事項証明書等(相続で取得したことの証明) | 法務局 | 建築年月日の確認も兼ねる |
| 耐震基準適合証明書 or 建設住宅性能評価書の写し | 建築士等 | 家屋を残して売り、耐震適合で適用を受ける場合 |
| 売買契約書の写し等(売却代金1億円以下の証明) | 自分の保管分 |
「被相続人居住用家屋等確認書」が最大の関門
この確認書は「相続開始まで親が一人で住んでいて、その後ずっと空き家だった」ことを市区町村が確認する書類です。申請してすぐには出ません。
- 申請先: 物件所在地の市区町村(空き家対策・住宅政策の担当課が多い)
- 申請書の様式: 国土交通省が全国共通の様式(被相続人居住用家屋確認申請書・確認書)を公表しており、市区町村の窓口やサイトで配られているのも同じもの(国土交通省 空き家の発生を抑制するための特例措置)
- 添付書類: 国交省の通知が一覧を定めている(要件の確認について、令和6年1月1日改訂)。①被相続人の住民票の除票の写し、②相続人の住民票の写し(相続開始直前から譲渡時までの住所が分かるもの)、③売買契約書のコピー等(譲渡の時の確認)、④家屋と敷地の登記事項証明書等(相続人の数の確認。相続登記が未了なら遺産分割協議書等)、⑤相続から譲渡まで空き家だったことの証明として、電気、水道、ガスいずれかの使用中止日(閉栓日)が確認できる書類、または媒介契約を結んだ宅建業者が「現況空き家」と表示して広告した書面、または市区町村が認める管理者の証明書等のいずれか。家屋を取り壊して売った場合は、家屋の閉鎖事項証明書も要る
- つまずきやすいのは⑤: 閉栓日は相続開始日以降のものでないと使えない。相続の直後に電気やガスを止めていれば、その使用中止日の分かる書類が証明になる。手元に控えがなければ、契約先に使用中止日の分かる書類を請求するところから始める
- 所要: 交付まで1〜2週間、自治体によっては3週間超
- 鉄則: 申請書類の収集も含めて 1ヶ月みておく。売却後すぐ着手する
控除の要件そのものは 空き家3,000万円特別控除|要件・失敗例・申請手順 を参照してください。
3,000万円控除を使う確定申告の手順

💡 この章の要点: ① 市区町村で確認書を取得 → ② 譲渡所得の内訳書に控除を記入 → ③ 申告書第三表の「特例適用条文」欄に 「措法35条3項」 と記載 → ④ 確認書等を添付して提出。この記載・添付を忘れると控除が適用されない。
手順の流れ
- 売却した年のうちに
必要書類の収集を開始(購入時の契約書・領収書を整理)し、市区町村に「被相続人居住用家屋等確認書」を申請する
- 翌年1月〜記入漏れ注意
譲渡所得の内訳書を作成(売却額・取得費・譲渡費用を記入)し、申告書第三表(分離課税用)に転記。「特例適用条文」欄に『措法35条3項』と記入(忘れがち)
- 2月16日〜3月15日確定申告期間
確認書・除票などの添付書類とともに提出(e-Tax・郵送・窓口)。控除で税額が0円になる場合でも申告は必要
記入のポイント
- 譲渡所得の内訳書: 3面の特例適用欄で3,000万円控除(空き家特例)を選択
- 第三表: 分離長期譲渡所得の欄に控除後の金額を記入し、「特例適用条文」欄に 措法35条3項 と書く(国税庁 確定申告書等作成コーナー)
- 税額0円でも: 申告書は最後まで作成して提出する
相続税を納めた人は先に「どちらの特例か」を決める
相続税を納めた人は、取得費加算の特例(相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までの売却が対象。国税庁No.3267)も使える場合があります。ただし3,000万円控除とは併用できません。
- 書類を作り始める前に: 両方で試算して有利な方を決める(申告後の変更はできない前提で)
- 選び方の詳細: 取得費加算の特例|要件・計算式・3,000万円控除との選び方 を参照
不安なら税理士 or 税務署の無料相談
- 税理士報酬: 譲渡所得の申告で5〜15万円が相場(特例適用や取得費の検討が複雑だと加算)
- 税務署: 2月の申告期には無料相談あり。混雑するため 1月中の事前相談が狙い目
- 判断基準: 数百万円の控除がかかる申告なので、初めてなら専門家チェックを推奨
譲渡所得の内訳書の書き方 — つまずきやすい欄
💡 この章の要点: 内訳書は「売った物件」「売却額」「取得費」「譲渡費用」を順に埋める様式で、つまずくのは 取得費(親の購入額が不明) と 譲渡費用(何を入れてよいか) の2欄。取得費不明は概算取得費5%で書けば止まらずに進める。
申告書本体は作成コーナーが自動計算してくれますが、内訳書の数字は自分で拾って入れる しかありません。手が止まりやすい欄を順に見ます。
欄ごとの書き方と材料
| 内訳書の欄 | 書くこと | 材料になる書類 |
|---|---|---|
| 譲渡した資産 | 所在地・面積・利用状況(空き家なら「居住用以外」) | 登記事項証明書 |
| 譲渡価額(収入金額) | 売買契約書の金額 + 固定資産税の精算金 | 売買契約書・決済時の精算書 |
| 取得費 | 親の購入額(分かれば実額)or 売却額×5% | 購入時の契約書 or なし |
| 譲渡費用 | 売るために直接かかった費用 | 領収書 |
つまずき①: 固定資産税の精算金を書き忘れる
決済時に買主から受け取る固定資産税の精算金(未経過分の日割り相当額)は、譲渡所得の収入金額に含めます(国税庁 質疑応答事例)。「税金の立替精算だから収入ではない」と思いがちですが、税務上は売却代金の一部です。決済時の精算書を捨てずに残しておきましょう。
つまずき②: 取得費が分からない
- 原則: 親が買った時の購入代金・購入手数料(建物は減価分を差し引く)
- 契約書がない場合: 概算取得費 = 売却額 × 5% で記入(国税庁No.3258)
- 粘る価値: 通帳の出金記録や住宅ローンの記録で実額を検討できた事例もある。金額が大きいなら税理士へ
つまずき③: 譲渡費用に入るもの・入らないもの
- 入る: 仲介手数料、売買契約書の印紙税、売るための解体費・測量費など
- 入らない: 保有中の固定資産税、日常の修繕費・草刈り費など(売却と直接関係のない維持費)
- 詳しい線引き: 空き家の譲渡所得税 の譲渡費用の章を参照
買取で売った場合の確定申告 — 書類と記入の注意点
💡 この章の要点: 買取業者に売っても 申告のルール・税率・控除は仲介と同じ。違いは書類まわりで、仲介手数料の領収書が「そもそも存在しない」こと、決済が速く 書類が1日に集中する こと。決済日にもらう書類をその場で確保するのがコツ。
買取(業者が直接買う方式)は契約から決済までが速く、申告は翌年なので、書類を保管しないまま時間が空く のが典型的な失敗パターンです。決済日に受け取るものをリスト化しておきます。
決済日に確保しておく書類
- 売買契約書の原本(自分用): 譲渡価額の証明。印紙が貼られたページも含めてコピーを取る
- 固定資産税の精算書: 精算金は収入金額に算入するため、金額の根拠として必要
- 諸費用の領収書: 印紙税、司法書士関連で売主負担分があればその領収書
- 登記完了後の書類一式: 内訳書の物件情報の記入に使う
記入面で仲介と違う点
- 譲渡費用が少なくなる: 仲介手数料(売却額×3%+6万円等)がないため、譲渡費用欄はかなり小さい金額になる。空欄が多くても誤りではない
- 残置物処分・解体を業者側が負担した場合: 自分が払っていない費用は譲渡費用に書けない(査定額に織り込まれているだけ)
- 控除は同じように使える: 3,000万円控除の要件・添付書類は売却方法に関係なく同じ。解体前提の買取なら「譲渡の翌年2月15日までの全部取壊し」(2024年以降の譲渡)の扱いを業者・税務署に確認する
- 取壊しの時期は契約書に入れてもらう: 国土交通省のQ&Aは、取壊しの特約がなくても確認書は発行できるとしつつ、譲渡後の取壊しで要件を満たすには買主の協力が要るため、特約の有無を確認事項にしている(国土交通省)。買取業者が解体する前提なら、契約書に取壊しの予定時期を書いてもらうと、確認書の申請と申告の両方で説明がぶれない
モデルケース: 8月に800万円で買取売却した場合の申告準備
決済から申告までの動きを時系列にします。実在の取引ではなく試算用の設定 です(2026年8月に、相続した昭和55年築の実家を買取で売却。3,000万円控除の要件は満たす前提)。
| 時期 | やること | つまずきどころ |
|---|---|---|
| 2026年8月(決済日) | 契約書・精算書・領収書を1つの封筒にまとめる | ここで散逸すると翌年探すことになる |
| 2026年9月 | 市区町村に確認書の必要書類を確認・収集開始 | 閉栓証明など「空き家だった証明」の集め直しが発生しがち |
| 2026年10月 | 確認書を申請 → 交付 | 自治体によっては3週間超かかる |
| 2027年1月 | 作成コーナーで内訳書から入力開始 | 概算取得費(800万×5%=40万円)を選択 |
| 2027年2月16日〜3月15日 | e-Taxで提出(確認書等を添付) | 控除適用で税額0円でも提出する |
税額0円で終わる申告でも、動く期間は半年強あります。決済直後の1時間(書類の封筒詰め)が、翌年2月の数日分の手戻りを消してくれます。
空き家売却の確定申告のスケジュールと手順

💡 この章の要点: 申告期間は 売却した翌年の2月16日〜3月15日(国税庁)。所得税の納付も原則3月15日まで(振替納税なら4月下旬頃の引き落とし)。住民税は翌年度に別途くる。「売却代金を使い切って納税できない」が最悪パターン。
年間スケジュール(例: 2026年中に売却した場合)
| 時期 | やること |
|---|---|
| 売却後すぐ | 契約書・精算書・領収書をファイリング / 確認書の申請準備 |
| 2026年内 | 市区町村へ確認書申請(3,000万円控除を使う場合) |
| 2027年1月 | 申告書の作成開始(国税庁「確定申告書等作成コーナー」) |
| 2027年2月16日〜3月15日 | 申告 + 所得税納付(令和8年分の所得税の確定申告) |
| 2027年6月頃〜 | 住民税の納付(普通徴収なら年4回分割) |
納付の方法と期限
- 原則: 申告期限(3月15日)までに納付。振込用紙・ダイレクト納付・クレジットカード等
- 振替納税: 口座引き落としにすると納付が 4月下旬頃 になる(具体日は毎年国税庁が公表)。事前に依頼書の提出が必要
- 住民税: 申告内容から自動計算され、翌年度(6月頃〜)に別途課税される
納税資金を残しておく
譲渡所得税は源泉徴収されないため、売却代金から税金分を先に取り分けておく のが鉄則です。控除なしで譲渡所得1,300万円なら所得税・住民税で約264万円(長期20.315%)。使い切ってからの納税は延滞リスクに直結します。税額の目安は 空き家売却の税金シミュレーション で試算できます。
e-Taxでの空き家売却の確定申告
💡 この章の要点: 国税庁「確定申告書等作成コーナー」で画面の質問に答えれば、譲渡所得の内訳書〜第三表まで自動作成される。マイナンバーカード+スマホで自宅から提出可能。添付書類(確認書等)は別途郵送 or イメージデータ送信。
e-Tax申告の手順
- 国税庁「確定申告書等作成コーナー」にアクセス
- 「所得税」→「譲渡所得(土地・建物)」を選択
- 画面の案内に沿って入力: - 売却物件の情報(所在地・売却額・売却日) - 取得費(不明なら概算取得費を選択) - 譲渡費用(仲介手数料・解体費等。買取なら少額でOK) - 特例の選択で「被相続人の居住用財産(空き家)の特例」を選ぶ
- 自動計算された申告書を確認(特例適用条文「措法35条3項」が入っているか見る)
- マイナンバーカード(スマホ読み取り)で送信
添付書類の提出方法
- イメージデータ送信: PDF化して e-Tax で送信(確認書等も可)
- 郵送: 申告書等送信票と一緒に税務署へ郵送
- 原本が必要な書類: 自治体・税務署の案内に従う
e-Tax のメリット
- 24時間提出可能: 税務署の開庁時間・混雑と無関係に出せる
- 計算ミスが起きにくい: 内訳書から第三表への転記を自動でやってくれる
- 控えが残る: 送信後に届く受信通知がメッセージボックスに保管され、翌年以降の参照も楽。書面での提出は2025年(令和7年)1月から控えへの収受日付印が押されなくなったため(国税庁)、提出の記録が自動で残るのはe-Taxだけになった
空き家売却の確定申告をしないとどうなる
💡 この章の要点: 無申告は ① 無申告加算税(最大30%)、② 延滞税(令和8年は最大年9.1%)、③ 3,000万円控除が使えない のトリプルパンチ。不動産売却は登記で税務署に把握されるため「バレない」はあり得ない。気づいた時点で期限後申告を。
ペナルティの内訳
| ペナルティ | 内容 |
|---|---|
| 無申告加算税 | 本税の15%(50万円まで)・20%(50万円超300万円以下)・30%(300万円超の部分)。調査通知前に自主的に期限後申告すれば 5% に軽減(国税庁No.2024) |
| 延滞税 | 納期限の翌日から、2ヶ月以内は年2.8%・2ヶ月超は年9.1%(令和8年の割合。率は毎年見直される。国税庁No.9205) |
| 重加算税 | 事実の仮装・隠蔽があると、無申告加算税に代えて 40% |
期限に1ヶ月遅れただけなら救済がある
期限後申告でも、次をすべて満たせば無申告加算税がかかりません(国税庁No.2024)。
- 法定申告期限から1ヶ月以内 に自主的に申告している
- 納付すべき税額を 法定納期限までに納付 している(振替納税の手続き済み含む)
- 過去5年間に無申告加算税・重加算税を課されていない
「3月15日を過ぎてしまった」と気づいたら、諦めるのではなく 4月15日までに出す ことに意味があります。
「税務署にバレない」はない
不動産の売却では 所有権移転登記 が必ず行われ、税務署は登記情報から売却の事実を把握できます。売却の翌年〜数年内に「お尋ね」文書が届き、無申告が発覚する流れが典型です。
最悪シナリオ: 控除も失う
3,000万円控除は期限内申告が原則です。無申告のまま税務調査となった場合、控除が認められず「控除なしの本税+加算税+延滞税」 を一括請求されるリスクがあります。1,300万円の譲渡所得なら、本来0円だったはずが 300万円超の支払い になり得ます。
忘れていた場合の対処
気づいた時点で 自主的に期限後申告 すれば、無申告加算税は軽減されます(調査通知前なら5%)。放置せず、税理士か税務署に即相談してください。
空き家売却の確定申告のよくある質問
- 1. 売却損でも申告した方がいいですか?
義務はありません が、税務署から「お尋ね」が来た際に説明が楽になるため、内訳書だけでも作成・保管しておくと安心です。なお空き家(非居住用)の売却損は他の所得と損益通算できないのが原則です(国税庁No.3203)。
- 2. 共有名義で売却した場合、申告は誰がする?
共有者それぞれが自分の持分について申告 します。1人がまとめて申告することはできません。3,000万円控除も各自で適用します(2024年以降の譲渡で相続人3人以上の場合は各2,000万円)。
- 3. 申告書の作成を丸投げしたい場合の費用は?
税理士報酬は譲渡所得の申告で 5〜15万円 が相場です(特例適用や取得費の検討が複雑だと加算)。数百万円の控除がかかるなら十分に元が取れます。
- 4. 取得費の書類がどうしても見つからない場合は?
概算取得費(売却額の5%)で申告 します(国税庁No.3258)。通帳の出金記録・住宅ローンの記録など間接資料で実額を検討できた事例もあるため、金額が大きい場合は諦める前に税理士へ相談を。
- 5. 確認書の申請が申告期限に間に合わなそう…
市区町村へ 早急に申請しつつ、税務署に事情を相談 してください。書類が揃い次第の提出方法を案内してもらえます。そもそも売却後すぐに確認書を申請しておくのが予防策です。
- 6. ふるさと納税や医療費控除と一緒に申告できますか?
できます。1つの確定申告書にまとめて記載します。譲渡所得(分離課税)と給与所得・各種控除(総合課税)は申告書内で区分されます。
- 7. 固定資産税の精算金はどう申告すればいいですか?
決済時に買主から受け取った精算金(未経過分の日割り相当額)は、譲渡価額(収入金額)に含めて記入 します(国税庁 質疑応答事例)。売買契約書の金額だけを書くと収入の計上漏れになるため、決済時の精算書で金額を確認してください。
- 8. 相続税を払っています。譲渡所得の申告で考慮されますか?
「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」(取得費加算の特例)が使える場合があります(国税庁No.3267)。相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までの売却が対象で、納めた相続税額のうち一定額を取得費に加算できます。ただし空き家の3,000万円控除とは 併用できません。どちらが有利かを試算してから書類を作成してください。詳細は 取得費加算の特例 を参照。
- 9. 税務署の窓口に持参すれば、控えに受付印を押してもらえますか?
2025年(令和7年)1月以降は押されません。国税庁は申告書等の控えへの収受日付印の押なつを廃止し、提出時は正本(提出用)のみを出す扱いに変わりました。提出した事実を残したい場合の手当ては次のとおりです(国税庁)。
- e-Tax: 送信後の受信通知がメッセージボックスに保管される
- 窓口に持参: 希望すれば、収受した日付と税務署名を記載したリーフレットがもらえる(当分の間の対応)
- 郵送: 切手を貼った返信用封筒を同封すれば、同じリーフレットが返送される
控えそのものは自分でコピーを取って保管します。譲渡所得の申告は数年後に「お尋ね」が来ることもあるため、提出日の分かる記録と控えの写しを一緒に残してください。
動くなら早いほうが選択肢が多い
空き家には「特定空家指定で固定資産税が最大6倍」「相続から3年以内の譲渡で3,000万円特別控除」など、期限のある制度が複数あります。 売却を決める前でも、いま無料査定を取っておくだけで判断材料が増えます。
まとめ — 「売って終わり」ではなく「申告して終わり」
最後にもう一度、空き家売却の確定申告のポイントを整理します。
- 申告要否: 利益あり or 特例利用なら必須(税額0円でも)
- 期間: 売却した翌年の2月16日〜3月15日
- 最大の関門: 被相続人居住用家屋等確認書(市区町村)— 売却後すぐ申請
- 内訳書のつまずき: 取得費不明は概算5%、固定資産税の精算金は収入に算入
- 買取で売った人: 決済日に契約書・精算書・領収書を確保。仲介手数料の欄が空でも正しい
- 無申告のリスク: 加算税・延滞税 + 3,000万円控除の喪失。1ヶ月以内の自主申告なら救済あり
- 不安なら: 税理士(5〜15万円)or 税務署の無料相談
制度の適用可否や有利判定は個別事情で変わります。最終的な判断は税務署・税理士に確認したうえで 申告してください。これから売却する方は、申告に必要な書類を売却の段階から保管しておくことが、翌年の自分を助けます。
関連: 空き家の税金まるわかり / 空き家売却の税金シミュレーション / 空き家3,000万円特別控除 / 取得費加算の特例
売却から申告まで見据えた進め方を無料でご案内
売却時の書類の残し方から控除の要件確認まで、査定とあわせてご相談いただけます。査定は無料・秘密厳守。
- 査定も相談も無料。売ると決める前の段階でも、買取可否と概算金額が分かります
- 現状渡しでOK。片付けも解体も不要で、撤去・解体費は運営側の負担です
- 仲介手数料0円。契約から決済まで最短数日で、遠方からでも手続きを進められます
- 弁護士・税理士・司法書士の3士業と連携。再建築不可、共有持分、相続未登記、事故物件も相談できます
しつこい営業はありません。





