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管理 - 空き家管理代行サービス|料金相場・選び方・自主管理との比較【2026】
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空き家管理代行サービス|料金相場・選び方・自主管理との比較【2026】

「遠方の実家を相続したが、月1回見に行くのはもう限界」「草刈り・換気・通水を誰かに頼みたい」——そんな所有者の受け皿が 空き家管理代行サービス です。全国の空き家は約900万戸・空き家率13.8%(総務省・住宅・土地統計調査2023)。管理を外部に任せる選択は、もう珍しいものではありません。

この記事では、空き家管理代行の 実際の料金(公式サイトで料金を公開している実在5サービス)、サービス内容、業者の3種類、契約前に見るべき条項、自主管理との比較、そして「いつまで管理を続けるか」の判断まで、所有者目線で整理します。

結論を先にお伝えすると、押さえるべきポイントは3つです。

  • 料金の実勢: 屋外のみの見回りは 月2,750〜4,400円、室内の換気・通水込みは 月6,600〜9,900円前後(実在5サービスの公開料金・2026年8月時点)。草刈りなどは別料金
  • 一番の分かれ目は距離: 遠方なら交通費だけで委託費を上回りやすく、片道1時間圏内なら自主管理でも回る
  • 管理費に終わりはない: 使う・貸す・売るのいずれかの出口が来るまで払い続ける固定費。委託の検討は出口の検討とセット

もう一つ、前提が2023年に変わりました。特定空き家の前段階である「管理不全空き家」でも、勧告を受けると固定資産税の住宅用地特例が外れるようになったのです(国土交通省)。「誰も見ていない空き家」の代償は、一段手前に繰り上がっています。

空き家管理代行、何を知りたい? — 状況別ジャンプガイド

今の状況 おすすめの読み始め
まず料金を知りたい 実在サービスの公開料金
何をしてくれるのか知りたい サービス内容
どの業者がいいか迷う 業者の3種類と選び方
自分でやるのと比べたい 自主管理との比較
特定空き家認定が怖い 特定空き家・管理不全空き家との関係
契約で失敗したくない 契約前チェック
実際の使い勝手を見たい 委託したモデルケース
続けるか売るか迷っている 累計コストの時間軸

空き家管理代行の料金 — 実在サービスの公開料金と費用の内訳

空き家管理代行の料金相場と内訳のイメージ

💡 この章の要点: 屋外のみの最小プランは 月2,750〜4,400円、室内の換気・通水まで任せる標準プランは 月6,600〜9,900円前後(実在5サービスの公開料金・2026年8月時点)。草刈り・剪定・緊急対応は別料金 が基本で、年間総額はこの別料金部分で大きく変わる。

「相場は月5,000円くらい」と書いた記事は多いのですが、根拠が示されていることはまれです。ここでは、公式サイトで料金を公開している実在のサービス5つをそのまま並べます(2026年8月時点の公開料金)。

実在サービスの公開料金

サービス(対応エリア) プラン 月額 主な内容
NPO法人 空家・空地管理センター 屋外のみ 2,750円(税込) 月1回巡回。外観・草木の目視、ポスト掃除、写真付き報告、近隣クレーム一次対応
同上 屋外+室内 6,600円(税込) 上記+換気・通水・室内目視・庭のゴミ処理
郵便局の空き家みまもり(日本郵便) 基本 4,280円(税込) 月1回。外観・庭木雑草・郵便受け・不法投棄・施錠・越境物の7項目確認、写真付き報告(最大5枚)
同上 +通風・通水 +5,000円(税込) 室内の通風・通水をオプション追加
ダスキン(定期巡回は兵庫・大阪・奈良・神奈川) 定期巡回 4,400円(税込) 月1回。外観・玄関周りの整理、ゴミ・小雑草の回収、写真付き報告
AKIYA LINK(首都圏・静岡県東部) ライト 3,800円(税別) 月1回。外観点検・室内換気・簡易清掃・ポスト整理・写真付き報告
同上 スタンダード 6,800円(税別) 上記+通水・雨漏り確認
同上 プレミアム 11,800円(税別) 月2回巡回+異常時優先対応
太陽ハウス(千葉県松戸・柏・流山) 安心管理プラン 9,900円(税込) 外観チェック・換気・通水・雨漏り確認・郵便物整理・庭木確認・報告書

5サービスを見比べると、料金を分けている軸が読み取れます。

  • 屋外だけか、室内に入るか: 屋外のみは月3,000〜4,000円台、室内の換気・通水が入ると月7,000〜9,000円台に上がる(郵便局も屋外4,280円+通風・通水5,000円で計9,280円)
  • 月1回か、月2回か: 頻度が倍になると月額もほぼ倍になる
  • 担い手とエリア: この中ではNPOが安く、地域の不動産会社が手厚め・高めに見える。ただし料金体系は事業者ごとの差が大きい

月額のほかに、契約時の事務手数料がかかる場合があります(上記のAKIYA LINKは5,500円・税込)。

別料金になりやすい作業

月額に含まれるのは「見回りと最低限の手入れ」までです。次の作業は、都度見積もりの別料金になるのが一般的です。

  • 草刈り・除草: 面積と草丈で金額が変わるため、定額に含めにくい(郵便局の草刈オプションも都度見積もり。実在例では、ダスキンの雑草対策が敷地30㎡まで1回9,900円・税込×年3回)
  • 庭木の剪定・越境枝の処理: 木の高さ・本数次第
  • 蜂の巣駆除・害虫害獣対応: 発生してからの緊急対応
  • 台風・地震後の臨時巡回: 上位プランに優先対応が含まれる場合もある
  • 雪下ろし(豪雪地帯): 冬季の大きな変動要因
  • 修繕工事: 管理会社の役割は発見と手配まで。工事費は別

年間コストの見積もり方

年間コスト = 月額 × 12 + 別料金作業(草刈り・剪定・臨時対応など)

例: 室内込み月6,600円(税込)のプランなら
    月額部分       = 79,200円/年
    + 夏場の草刈りや台風後の臨時巡回が上乗せ

月額の安さだけで選ぶと、別料金部分で総額が逆転することがあります。見積もりの段階で「草が伸びたらいくらか」「台風の後に見てもらうといくらか」まで聞いておくと、年間の支出が読めるようになります。

空き家管理代行のサービス内容 — 巡回当日に行われることと、してくれないこと

💡 この章の要点: 標準的な巡回は 外観点検・換気・通水・ポスト整理・写真付き報告 のセット。逆に 修繕工事・大掛かりな庭仕事 は範囲外。管理代行は「劣化を遅らせ、異変に早く気づく」ための仕組みと理解すると、過不足なく使える。

月に1回・数千円で、実際には何が行われるのか。公開されているプラン内容を突き合わせると、巡回当日の作業はおおむね次の流れです。

巡回当日の流れ(標準的なプランの例)
1. 到着・外周チェック(屋根・外壁・基礎のひび、雨樋、不法投棄の有無)
2. ポストの整理(チラシ処分・郵便物の確認)
3. 開錠して窓を開け、滞在中は換気
4. 通水(各蛇口から水を流し、排水口に水をため直す)
5. 室内の目視(雨漏り跡・カビ・小動物侵入の痕跡)
6. 庭の確認(草の伸び・隣地への越境・ゴミ)
7. 施錠・写真撮影 → 後日、写真付き報告書をメールで送付

換気と通水は何のためにやるのか

  • 換気: 閉め切った家は湿気がこもり、カビと木部の傷みが進む。定期的に空気を入れ替えることで進行を遅らせる
  • 通水: 排水口の下には、水をためて下水の臭気や虫を止める仕組み(排水トラップ)がある。長く水を流さないとこの水が蒸発し、悪臭と虫の侵入経路になる
  • 外観点検: 瓦のずれや雨樋の詰まりは、放置すると雨漏りから構造材の腐食へ進む。早く気づくほど修繕が小さく済む

管理代行が「してくれないこと」

  • 修繕工事そのもの: 見つけて報告し、業者の手配までが範囲。工事費は別途所有者負担
  • 荒れた庭の再生: 定期的な除草は頼めても、荒れ切った庭の造園やり直しは別工事
  • 老朽化を止めること: 換気・通水は劣化を遅らせるが、築年数が進むこと自体は止められない

最後の1点は、あとで「いつまで管理を続けるか」を考えるときに効いてきます。管理代行は現状維持の装置であって、家の価値を上げる装置ではありません。

契約前に確認しておく仕様

  • 月何回の巡回か(前章の表で頻度を公開しているプランは、いずれも月1回が基準)
  • 室内に入るプランか、屋外のみか
  • 報告書の形式(写真の枚数・気づきコメントの有無)
  • 緊急時・災害時の対応と追加料金
  • 近隣からの連絡の受け口になってくれるか

空き家管理代行業者の3種類 — 不動産会社・NPO・シルバー人材

💡 この章の要点: 担い手は ① 不動産会社系(売却・賃貸への接続が強い)、② NPO法人(中立・専門家相談のネットワーク)、③ シルバー人材センター(公的・屋外作業が得意)の3系統。将来どうしたいか(売る・貸す・持ち続ける)で選ぶと外しにくい。

3系統の比較

系統 特徴 向く人
不動産会社系 巡回+報告に加えて、売却・賃貸の相談窓口を兼ねる。報告書が整っていることが多い 数年内に売却・賃貸を考えている
NPO法人 空き家問題への取り組みとして運営。弁護士・税理士などの相談窓口を持つ団体もある 売り込み抜きで、長期保有の相談もしたい
シルバー人材センター 多くの市区町村に設置された公的団体。草刈り・見回りなど屋外作業の受け皿 最低限の見回り・除草だけ頼みたい

それぞれの注意点

  • 不動産会社系: 管理契約が売却営業の入り口を兼ねている場合がある。提案は判断材料として聞きつつ、決めるのは自分と切り分ける
  • NPO法人: 全市区町村をカバーしているわけではない。まず対応エリアの確認から
  • シルバー人材センター: 引き受け内容と料金はセンターごとに異なり、緊急対応まで整っているとは限らない。実在例では、札幌市シルバー人材センターの空き家見回りが1回4,809円(外側からの目視確認・画像付き報告)

探し方は「物件のある市区町村」起点

業者の当てがない状態からでも、次の順で2〜3社の比較まで進めます。

  1. 自治体の空き家相談窓口 に電話する(地元の管理事業者・NPOの情報を持っていることが多い)
  2. シルバー人材センターの窓口 で見回り・除草を引き受けているか聞く
  3. 地元の不動産会社 に「管理と、将来の売却をセットで」相談する
  4. 候補2〜3社に同じ条件で見積もりを取り、報告書のサンプルをもらう

問い合わせ自体は電話・Webで完結できるため、遠方からでも始められます。

空き家管理代行と自主管理の比較 — コスト・時間・品質

空き家管理代行と自主管理の比較 — コスト・時間・品質のイメージ

💡 この章の要点: 自主管理の費用は「ゼロ」ではなく、交通費と丸1日の休日 で払っている。距離が遠いほど委託が有利になり、片道1時間圏内なら自主管理、県をまたぐなら委託 が大まかな線引き。

「自分でやればタダ」は、家の近くに住んでいる人だけに成り立つ計算です。距離がある場合に実際は何を払っているのか、仮の数字を置いて確かめてみます。

遠方の実家に月1回通う場合(仮定を置いた試算)

仮定: 実家まで片道250km、車で月1回通う場合
  高速代+燃料代: 往復 約10,000円と仮定
  拘束時間      : 移動+作業で丸1日

年間: 交通費 約12万円 + 休日12日

同じ物件を室内込み月6,600円(税込)のプランに任せると、月額部分は年79,200円。交通費の仮定次第ですが、県をまたぐ距離なら 現金支出でも委託のほうが安くなりやすい うえ、休日12日がそのまま手元に戻ります。

比較表

項目 自主管理 管理代行
現金支出 交通費(距離次第で年数万〜十数万円) 月額×12+別料金作業
時間 1回あたり移動込みで半日〜丸1日 ほぼゼロ(報告書の確認のみ)
頻度の安定 天候・仕事・体調で飛びやすい 契約どおり毎月実施される
異変への気づき 帰省の間隔ぶん遅れる 月1回+写真の記録が残る
近隣との関係 顔を見せられるのは強み クレームの一次対応を任せられる

自主管理でやれる人

  • 物件まで 片道1時間圏内 に住んでいる
  • 月1回の訪問(換気・通水・草の確認)を 続けられる見込みがある
  • 庭仕事が苦にならない、または敷地が小さい

自分でやる場合の季節別の作業と道具は 空き家の自主管理チェックリスト にまとめています。

委託を検討すべき人

  • 実家まで 県をまたぐ距離 がある
  • 仕事・子育て・体力の事情で 訪問の間隔が3ヶ月以上空きがち
  • すでに近隣から 草木や外観について連絡を受けたことがある(訪問ペースが追いついていないサイン)

空き家管理代行と特定空き家・管理不全空き家リスクの関係

空き家管理代行と特定空き家リスク回避の関係のイメージ

💡 この章の要点: 2023年12月施行の改正空家法で、特定空き家の前段階である「管理不全空き家」でも、勧告を受けると固定資産税の住宅用地特例(200㎡以下は課税標準1/6)が外れるようになった。定期巡回は、認定の入り口である「管理されていない状態」を作らないための手段になる。

管理をお金を払ってまで外注する理由は、手間の解消だけではありません。放置に対する行政の目が、2023年の法改正で一段厳しくなったからです。

法改正で何が変わったか(2023年12月13日施行)

空家等対策の推進に関する特別措置法の改正(国土交通省)の要点です。

  • 特定空き家の4類型: 「倒壊等著しく保安上危険となるおそれ」「著しく衛生上有害となるおそれ」「著しく景観を損なっている」「周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切」な状態
  • 管理不全空き家(新設): 放置すれば特定空き家になるおそれのある空き家。市区町村が指導・勧告できる。判定基準と勧告後の解除手順は管理不全空き家とはで解説
  • 勧告の効果: 管理不全空き家の段階でも、勧告を受けると敷地が固定資産税の住宅用地特例の対象から外れる
  • 特定空き家への措置: 助言・指導 → 勧告 → 命令 → 行政代執行と進む。命令違反には50万円以下の過料があり、代執行された解体の費用は所有者に請求される

住宅用地特例が外れるとどうなるか

住宅の敷地には、固定資産税の課税標準を下げる特例があります(総務省)。

  • 200㎡以下の部分: 課税標準が評価額の 1/6
  • 200㎡を超える部分: 同 1/3

「特定空き家で固定資産税が最大6倍」と言われるのは、この1/6が外れるためです。実際の税額の動きは負担調整措置などが絡んで土地ごとに異なりますが、住宅用地の大きな減額を失うことに変わりはありません。認定の基準と流れは 特定空き家とは|認定基準・固定資産税6倍・回避方法 で詳しく解説しています。

定期管理が効く理由

4類型を見ると、いずれも「誰も手を入れていない状態」が進行した先にあります。

  • 草木の繁茂・ゴミの堆積 → 衛生・景観の類型に近づく
  • 屋根・外壁の傷みの放置 → 保安上危険の類型に近づく
  • 近隣からの苦情の放置 → 周辺の生活環境の類型に近づく

月1回の巡回と写真付き報告は、こうした状態になる前に気づいて手を打つための仕組みです。管理していれば認定されないという保証まではありませんが、認定の入り口である「管理されていない状態」を避けやすくなります。放置の先に何が起きるかの全体像は 空き家を放置するリスク7つ を参照してください。

契約前チェック — 管理代行の落とし穴と見るべき契約条項

空き家管理代行のデメリットと落とし穴のイメージ

💡 この章の要点: つまずきどころは 報告書の質・鍵の管理・損害の扱い・解約条件 の4つに集約される。初回の報告書で品質を判定 し、契約書では 賠償と解約の条項 を先に読む。

月数千円の契約とはいえ、鍵を預けて留守宅に入ってもらう契約です。委託でつまずくときは、だいたい次のどれかの形をしています。

  • 報告書が薄い: 写真数枚+定型文だけで、状態の変化が読み取れない
  • 担当者で品質が変わる: 同じ会社でも巡回の丁寧さに差が出る
  • 緊急時に動けない: 台風の翌日に見てほしくても、臨時対応の取り決めがなく待たされる
  • やめるときに揉める: 解約の予告期間や違約金を確認しておらず、売却が決まってから慌てる

契約書で見るべき条項

条項 確認すること
報告義務 頻度・写真付きかどうか・報告が遅れた場合の扱い
鍵の管理 保管方法(社内金庫・キーボックス等)。預けたくない場合の代替手段
損害賠償 作業中の破損・鍵紛失時の責任の所在。賠償責任保険への加入の有無
免責の範囲 災害・盗難など「管理していても防げない事象」の扱い
解約条件 予告期間・違約金の有無・契約期間の縛り(自動更新かどうか)
料金改定 値上げの条件と通知方法
再委託 実作業を別会社に出す場合があるか

とくに 損害賠償と解約 の2つは、トラブルになってから読むのでは遅い条項です。売却が視野にあるなら、「売れたらすぐやめられるか」を契約前に聞いてしまうのが確実です。

品質は初回の報告書で判定する

  • 契約前に 報告書のサンプル を見せてもらう
  • 初回巡回の報告書で、写真の枚数と「気づき」コメントの有無 を確認する
  • 可能なら初回だけ 現地で立ち会う(巡回の丁寧さがそのまま分かる)
  • 物足りなければ乗り換える。契約期間の縛りがなければ、最初の1〜2回で見切る つもりで始めてよい

実例: 県外在住・年4回帰省の実家を管理代行に切り替えたモデルケース

💡 この章の要点: 帰省の間隔が3ヶ月を超えると、草木の伸びと湿気のダメージが訪問ペースを追い越す。委託後は月1回の巡回で状態が安定する一方、報告書で劣化の進行も見えるようになり、売却の検討が始まる。これが典型的な経過。

時系列で見たほうが早いので、よくある状況を組み合わせた架空のモデルケースを置きます。

設定: 母が施設に入所し、築45年の実家が空き家に。長女は県外在住(片道250km)で、盆・正月・春・秋の年4回帰省し、換気と草取りをしていた、という状況です。

時系列で何が起きたか

時期 起きたこと
1年目 年4回の帰省で管理。帰るたびに草取りと換気で1日が終わる
2年目の夏 隣家から「枝が越境している」と連絡。前回の帰省から3ヶ月、庭は膝丈の草
直後 市の空き家相談窓口に電話。紹介された事業者と、Web検索で見つけた1社に見積もり依頼
翌月 室内込み・月6,600円(税込)の巡回プランで契約。越境枝の剪定は別料金で手配
以後 月1回の写真付き報告が届く。台風の翌週は臨時巡回を依頼(別料金)
1年後 年間支出は巡回費79,200円/年+剪定・臨時対応で計10万円前後。帰省は年2回の「様子見」に

このケースから読み取れること

  • 破綻は草木から始まる: 換気・通水の不足は外から見えないが、草木の越境は近隣からの連絡で表面化する。年4回ペースの限界は夏に来る
  • 窓口は市区町村が起点: 事業者の当てがなくても、自治体の空き家相談窓口から2社比較までは進める
  • 費用は月額だけでは終わらない: 剪定や臨時巡回が載って、このケースでは年の総額が巡回費の約1.3倍になった。見積もり時に別料金の目安まで聞いておく理由がここにある
  • 委託で時間は戻るが、家は古くなり続ける: 報告書には外壁のひびや雨樋の傷みが記録されていく。「直すか、持ち続けるか、売るか」という問いは、委託しても消えない

このケースのように親の施設入所で実家が空いた場合、管理代行は「残す」を選んだときの手段です。残す、貸す、売るのどれにするか、親名義のまま売るときの本人の意思確認と委任の手続きは親が施設に入ったあとの実家の扱いで整理しています。

管理を続けるか、売ってしまうか — 累計コストの時間軸で考える

💡 この章の要点: 管理費は 出口(使う・貸す・売る)が来るまで続く固定費。年12万円の維持費なら 10年で120万円。その間も建物の築年数は進む。使う予定が具体化していないなら、維持費の累計と売却の手取りを並べて比較する のが合理的。

モデルケースの最後の問いを引き取ります。管理代行は快適ですが、「いつまで払うのか」の答えは契約書のどこにも書いてありません。

維持費の累計を出してみる

管理委託費だけでなく、持っている限りかかる費用を合計します。

年間維持費 = 管理委託費 + 固定資産税 + 火災保険料 + 臨時対応・小修繕

仮に年間維持費が12万円なら:  5年で 60万円 / 10年で 120万円
仮に年間維持費が20万円なら:  5年で100万円 / 10年で 200万円

固定資産税は物件によって異なり、火災保険は空き家だと住宅より条件が厳しくなりがちです(詳細は 空き家の火災保険 を参照)。自分の物件で一度この式を埋めてみると、「なんとなく持ち続ける」ことの値段が数字になります。

持ち続けるのが合理的な場合と、そうでない場合

状況 判断の方向
数年内に自分や家族が 使う予定が具体的にある 管理代行で維持する価値がある
賃貸・活用の 当てが実際にある 維持しつつ活用の準備を進める
立地が良く 土地の資産性が高い 維持コストを土地の価値が正当化しうる
使う予定がなく「とりあえず持っている」 維持費の累計が一方的に積み上がる。売却の比較検討を
建物の傷みが進み 修繕見積もりが跳ね始めた 管理で支えられる限界。解体か現況売却の比較へ

売る側の検討を先送りしない理由

  • 維持費は待ってくれない: 迷っている1年にも管理費・税金・保険料は出ていく
  • 建物の築年数は進み続ける: 管理は劣化を遅らせるだけで、市場での「築古」化は止められない
  • 相続登記は義務になった: 2024年4月から、相続で不動産を取得したと知った日から3年以内の登記が義務化され、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象(法務省)。名義が親のままでは売却もできないため、持ち続けるにしても登記だけは先に済ませておく

比較の材料は順にそろえられます。物件の相場観をつかむなら 空き家の売却相場2026、売ると決めたときの段取りは 空き家売却の流れ7ステップ、建物の傷みが激しいなら 空き家は解体すべき?売却すべき? が使えます。

なお、遠方在住・残置物あり・築古という「管理代行を検討する人」の条件は、そのまま 買取(業者が直接買う方式)が向く条件 でもあります。現状渡しで引き取ってもらえるため、家財を片付けに通わずに管理から降りられるルートです。

空き家管理代行のよくある質問

1. 月1回の点検で十分ですか?

実在サービスの標準は月1回 です(本文で挙げたサービスのうち、頻度を公開しているものはいずれも月1回が基準プラン)。湿気の多い時期や豪雪地は月2回プランの検討を。逆に間隔を空けすぎると、管理不全空き家のリスク側に近づきます。

2. 鍵を預けるのが不安です

契約書で 保管方法(社内金庫・キーボックス等)と紛失時の責任 を確認してください。預けたくない場合に現地キーボックス等で対応できるかは事業者によるため、契約前に相談を。

3. 契約期間と解約条件は?

事業者ごとに異なるため、予告期間・違約金・自動更新の有無 を契約書で確認します。売却の可能性があるなら「売れたらすぐ解約できるか」を先に聞いておくと安心です。

4. 草刈りは月額に含まれますか?

含まれないことが多い です。面積・草丈で手間が変わるため、都度見積もりが一般的。夏場に必ず発生する費用なので、契約前に「うちの庭だと1回いくらか」の目安を聞いておきましょう。

5. マンションの一室でも頼めますか?

頼めます。本文で挙げたNPOにはマンション一室向けプラン(月6,600円・税込)があります。共用部は管理組合の領分なので、専有部の換気・通水・ポスト整理・室内目視が中心になります。

6. 報告書はどのくらい詳しいものですか?

事業者と担当者による差が大きい部分です。写真付きが最低ライン で、外観・庭・室内・ポストの状態と「気づき」コメントがあるものを標準と考えてください。契約前にサンプルを見せてもらうのが確実です。

7. 管理代行を頼まないとどうなりますか?

放置が進むと、管理不全空き家 → 特定空き家 のルートに乗ります。勧告で固定資産税の住宅用地特例が外れ、命令違反には過料、行政代執行まで進めば解体費用が所有者に請求されます(国土交通省)。自主管理が続かないと分かった時点で、代行か売却かの検討を始めるのが安全です。

8. 遠方で一度も現地に行けなくても契約できますか?

遠方の所有者はこの種のサービスの主要な利用者で、問い合わせから見積もりまでは電話・Webで完結 できます。鍵の受け渡し(郵送・現地キーボックス等)と契約手続きの方法は事業者によるため、最初の問い合わせで確認してください。

9. 空き家管理サービスの料金相場はいくらですか?比較するときは何を見ればいいですか?

本文で挙げた実在5サービスの公開料金(2026年8月時点)で見ると、相場は次の3段階に分かれます。

プラン 月額の実勢 年間の月額部分
屋外のみ・月1回 2,750〜4,400円 約3.3万〜5.3万円
室内の換気・通水込み・月1回 6,600〜9,900円前後 約7.9万〜11.9万円
月2回巡回 11,800円(税別)の例 約14万円

年間の総額は、これに草刈り・剪定・臨時巡回の別料金が載ります。複数サービスを比較するときは、次の4点をそろえてから月額を見比べてください。

  • 屋外のみか、室内に入るか: ここが違うと月額が2倍以上ずれる。同じ区分どうしで比べる
  • 巡回の頻度: 月1回が基準。月2回プランは月額もほぼ倍
  • 別料金の目安: 「うちの庭の草刈りは1回いくらか」「台風後の臨時巡回はいくらか」を見積もり時に聞く
  • 初期費用と解約条件: 契約時の事務手数料の有無、解約の予告期間・違約金

動くなら早いほうが選択肢が多い

空き家には「特定空家指定で固定資産税が最大6倍」「相続から3年以内の譲渡で3,000万円特別控除」など、期限のある制度が複数あります。 売却を決める前でも、いま無料査定を取っておくだけで判断材料が増えます。

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まとめ — 管理代行は「時間を買う」手段、売却は「管理から降りる」手段

最後にもう一度、空き家管理代行のポイントを整理します。

  • 料金の実勢: 屋外のみ月2,750〜4,400円、室内込み月6,600〜9,900円前後(実在5サービスの公開料金)。草刈り・剪定・臨時対応は別料金
  • 業者の選び方: 不動産会社系・NPO・シルバー人材の3系統から「将来どうしたいか」で選ぶ
  • 距離が判断軸: 片道1時間圏内なら自主管理も回る。県をまたぐなら委託が安くつきやすい
  • 法改正の重み: 管理不全空き家の勧告でも住宅用地特例が外れる(2023年12月施行)
  • 契約前チェック: 報告書・鍵・損害賠償・解約条件の4点を契約書で確認
  • 出口とセットで考える: 管理費は出口が来るまで続く固定費。使う予定がないなら、維持費の累計と売却の手取りを並べて比較する

「あと何年、この家に年10万円強を払い続けるのか」。この問いに答えるには、いま売ったらいくらになるかの目安が要ります。まずは数字を手元に置くところからです。

関連: 特定空き家とは|認定基準・固定資産税6倍・回避方法 / 空き家の自主管理チェックリスト / 空き家を放置するリスク7つ / 空き家売却の流れ7ステップ

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