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活用 - 古民家再生に使える補助金|種類と探し方、使っても回収できるかの判断【2026】
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古民家再生に使える補助金|種類と探し方、使っても回収できるかの判断【2026】

「古民家再生 補助金」で検索すると、県や市の制度と業者のコラムが混ざって出てきます。読んでいくと、どれも「自治体によって違う」で終わり、自分の家に使える制度があるのか、いくら戻るのかが見えてきません。

見えてこない理由は単純で、国全体で使える「古民家再生補助金」という制度が存在しないからです。あるのは、文化財の制度、景観と歴史まちづくりの制度、宿泊や飲食に使うときの国の事業、自治体が古民家専用に設けた改修補助の4系統で、それぞれ申請できる人と出る費目が違います。

先に結論を3点にまとめます。

  • 古民家だから乗れる制度は、家の「肩書き」か「使い方」で決まります。登録有形文化財、伝建地区、景観重要建造物のような肩書きがあれば文化財と景観の系統、宿泊や飲食に使うなら農泊と観光庁の系統、どちらもなければ自治体の古民家専用枠を探します
  • 個人が一人で申請できる制度は少ないです。農泊も観光庁の事業も地域協議会や事業者としての申請で、自治体の古民家専用枠にも「10年以上の活用」「市町と県の両方から補助を受ける」といった条件が付きます
  • 補助は工事費の一部で、残りは自己負担です。しかも着工前の交付決定、活用の継続義務、報告、所得税の扱いまで含めて初めて「回収できるか」が計算できます

計算して合わないなら、直さずに現況のまま売る道があります。その比較表まで、この記事で書きます。

古民家再生の補助金 状況別ガイド

古民家再生の補助金 状況別ガイドのイメージ

💡 この章の要点: 古民家の補助金で迷う人は、家に文化財や景観の肩書きがある人、宿泊や店舗に使いたい人、住むか貸すために直したい人に分かれます。自分の状況に近い章から読むと、使える系統が先に絞れます。

あなたの状況 先に読む章
国の「古民家再生補助金」を探している 4つの系統
登録有形文化財か、保存地区の中の家 文化財の制度に乗る家
景観重要建造物か、歴史まちづくり計画のある町の家 景観法と歴史まちづくり法
宿泊、飲食、体験施設にしたい 地域の枠組みで申請する国の事業
住むか貸すために直したい。県や市の古民家専用の補助を知りたい 自治体の古民家専用の改修補助
耐震補助を使いたいが、伝統構法の家 伝統構法の家と耐震補助
補助を使って元が取れるか決めたい 補助を使っても回収できるか
空き家リフォーム一般の補助(省エネ、自治体の空き家改修、3,000万円控除)を知りたい 空き家のリフォームの補助金章
直さず壊す。古材や解体時の制約を知りたい 古民家の解体、解体補助金

「古民家再生補助金」という国の制度はない。使えるのは4つの系統

「古民家再生補助金」という国の制度はない。使えるのは4つの系統のイメージ

💡 この章の要点: 国全体で使える古民家専用の補助金はありません。使えるのは文化財、景観と歴史まちづくり、宿泊や飲食に使うときの国の事業、自治体の古民家専用枠の4系統です。空き家リフォーム一般の補助(自治体の空き家改修補助、住宅省エネ2026キャンペーン、耐震補助)は古民家にも使えますが、空き家のリフォームに任せて、この記事では古民家だから乗れるものだけを扱います。

「古民家」に法律上の定義はありません。この記事では、兵庫県と長野県の制度が対象要件に書く伝統的木造建築技術の家を指します(兵庫県、長野県)。

  • 構法: 軸組構法で造られている
  • 接合: 接合金物に頼らない伝統的な継ぎ手と仕口
  • 壁: 筋かいなどの斜材を多用せず貫を用い、主要な壁は土塗り壁などの湿式工法
  • 屋根: 和瓦か茅葺きなどの伝統的な素材
  • 築年: 兵庫県はおおむね昭和25年の建築基準法施行日前、長野県は原則昭和20年以前

この定義に合う家が使える制度を、申請できる人と出る費目で並べると、4系統に分かれます。

系統 申請できるのは 何に出るか 率と上限の例(確認できたもの) あとから効く条件
文化財(登録有形文化財、伝建地区) 所有者、管理団体。伝建地区は市町村の補助を所有者が受ける 登録は修理の設計監理料。伝建は修理と修景の工事費 登録の設計監理は国が50%。伝建は市により修理8/10以内、かやぶき9/10以内など 現状変更の届出や許可。再補助の間隔
景観法、歴史まちづくり法 指定を受けた建造物の所有者。歴史的風致形成建造物は所有者が指定を提案できる 市町村の修理補助(歴史的風致形成建造物は街なみ環境整備事業)。相続税の評価減 相続税は評価額の30%控除(国税庁質疑応答) 増築、改築、移転、除却の許可か30日前の届出。管理義務
宿泊、飲食、体験に使う国の事業 地域協議会、市町村、DMO、民間事業者等。個人の相続人が単独では乗りにくい 古民家等を活用した滞在施設や飲食施設の整備費 農泊の整備事業は1/2で上限2,500万円。観光庁は1/2で最大2億円 公募期間(今年度は締切済み)、交付決定前の着手不可、インバウンド前提
自治体の古民家専用の改修補助 所有者、または所有者の同意を得た活用者 地域交流拠点や賃貸住宅にする改修工事費 兵庫県は改修費の区分ごとに250万〜1,000万円。高砂市は1/3で上限500万円 10年以上の活用、3年ごとの報告、耐震、市町と県の両方から補助

一般の空き家リフォーム補助との線引き

古民家も住宅なので、空き家一般の補助は同じように使えます。

  • 自治体の空き家改修補助: 空き家対策総合支援事業などで国が市区町村を支援し、所有者は市区町村の窓口で申請する
  • 住宅省エネ2026キャンペーン: 断熱、窓、給湯の改修。予算到達で受付終了、工事前写真と登録事業者による申請が要件
  • 耐震診断と耐震改修の補助: 旧耐震の住宅が対象で、補助率と上限は自治体ごと
  • 相続空き家の3,000万円特別控除: 昭和56年5月31日以前の家屋を相続して売るときの控除

4つの中身、締切、調べ方は空き家のリフォームの補助金章に出典付きでまとめてあります。ただし耐震補助だけは、伝統構法の家で別メニューになる市があるので、あとの章で福井市の例を見ます。

文化財の制度に乗る家。登録有形文化財と伝統的建造物群保存地区

💡 この章の要点: 登録有形文化財の国庫補助は、修理工事の設計監理料に50%で、工事費そのものは対象外です。代わりに家屋の固定資産税が1/2、相続税の評価額30%控除が付きます。伝建地区では市町村が修理と修景の工事費を補助し、長野市の戸隠はかやぶきの修理に9/10以内、松江市は修理8/10以内で上限800万円です。

古民家が文化財の肩書きを持っていると、補助の中身が一般の住宅と変わります。ただ、「文化財だから修理費が出る」と思って調べると、国の補助の対象が想像と違うことに気づきます。

登録有形文化財。国の補助は設計監理料で、工事費は出ない

文化庁が所有者向けに出している補助事業の手引(令和4年12月)は、登録有形文化財建造物の国庫補助をこう整理しています(文化庁 手引)。

事業 補助事業者 補助率 補助対象経費 対象外
設計監理事業 所有者、管理団体 50%(再生・過疎・沖縄の加算あり) 修理工事の設計監理料 工事経費
公開活用事業 所有者、管理団体 50% 活用設備、安全対策の工事経費、環境整備費、設計監理料 修理工事の経費

つまり、雨漏りした屋根を直す工事そのものに国のお金は出ません。出るのは、文化財建造物保存修理技術者の技術指導を受けて行う設計監理の費用です。公開活用事業は、公開のための活用設備や安全対策の工事が対象で、修理工事は外れます。

手引には申請の経路も書かれています。

  • 相談先: 建造物が所在する市区町村の文化財担当部局。事業を行いたい年度の前年度が相談の目安
  • 申請の経路: 地方公共団体を経由して文化庁へ提出する
  • 要件の確認: 文化財担当部局と相談し、実施の見込みが確定してから申請書を作る

工事費が出ない代わりに、税で差が付きます。

  • 固定資産税と都市計画税: 登録有形文化財である家屋は1/2課税(地方税法349条の3第11項、文化庁 税制)
  • 相続税: 家屋とその敷地の評価額から30%を控除(国税庁 通達24-8、89-2)
  • 義務: 外観を変える修繕や移築などの現状変更は30日前までの届出(文化財保護法64条)

登録の基準や解体時の手続きは古民家の解体に書いてあります。

伝統的建造物群保存地区。市町村の補助で修理と修景の工事費が出る

城下町や宿場町の町並みは、市町村が伝統的建造物群保存地区として定め、条例で現状変更を規制します(文化財保護法143条)。国が選定した重要伝統的建造物群保存地区は、令和8年9月4日現在で107市町村130地区、約30,770件の建造物と環境物件が特定されています(文化庁)。

文化庁のページは、国の関わり方を「市町村が行う修理・修景事業、防災設備の設置事業、案内板の設置事業等に対して補助し、税制優遇措置を設ける等の支援」と書いています。

  • 窓口: 所有者から見ると補助金の窓口は市町村で、国はその市町村を支える
  • 補助率: 文化庁のページにはなく、市町村の要綱で決まる。長野市と松江市は要綱で率と上限を公開している
市 対象 補助率 上限
長野市(戸隠) 伝統的建造物の修理(かやぶき) 9/10以内 上限なし
長野市(戸隠) 伝統的建造物の修理(かやぶき以外、外観に関わる経費) 8/10以内 上限なし
長野市(戸隠) 伝統的建造物以外の修景(外観) 6/10以内 建築物500万円、工作物100万円
松江市 伝統的建造物の修理(建築物) 8/10以内 800万円
松江市 履歴調査、修理計画設計 8/10以内 50万円
松江市 伝統的建造物以外の建築物の修景 6/10以内 600万円

出典は長野市と松江市 要綱(令和8年4月1日施行)です。

登録有形文化財と違い、工事費そのものに高い率で出るのが伝建地区の特徴です。

ただし、表の外に条件があります。

  • 対象の範囲: どちらの市も外観に関わる経費が中心で、間取りの変更や内装、設備は対象にならない
  • 準備の時期: 長野市は事業実施の前年度から準備が要り、令和9年度以降の分は令和8年3月31日までに申出書を出すとしている
  • 再補助の間隔: 松江市は、補助を受けた建築物は完了日から5年間は対象にしない
  • 用語: 「修理」は伝統的建造物を修理基準に従って直すこと、「修景」は伝統的建造物以外の建物の外観を修景基準に合わせること。自分の家がどちらに当たるかで率と上限が変わる

税の扱いは次のとおりです(文化庁 税制)。

  • 固定資産税: 重要伝統的建造物群保存地区内の伝統的建造物のうち一定の家屋は非課税(地方税法348条2項8号の2)。「一定の家屋」の範囲は市区町村の税務担当で確かめる
  • 相続税: 評価額の30%控除
  • 除却: 保存地区内の除却に許可が要る話は古民家の解体で扱っている

景観法と歴史まちづくり法。指定を受けると届出義務と相続税の評価減が付く

💡 この章の要点: 景観重要建造物は景観行政団体の長が、歴史的風致形成建造物は市町村長が指定します。どちらも国の補助金が所有者に直接出る制度ではなく、市町村の修理補助の対象になることと、相続税の評価額30%控除が実利です。代わりに増築、改築、移転、除却に許可か30日前の届出が要り、管理義務が付きます。

文化財の肩書きがなくても、町並みの中にある古民家が受けられる指定が2つあります。どちらも補助金の名前ではなく、補助の入口を開く指定です。

景観重要建造物。許可制と管理義務が付く

景観法は、景観行政団体の長が景観計画区域内の良好な景観の形成に重要な建造物を景観重要建造物として指定できるとし、指定の前に所有者の意見を聴くことを求めています(景観法19条)。

指定されると、所有者に3つのことが起きます。

  • 現状変更の許可: 増築、改築、移転若しくは除却、外観を変更する修繕や模様替、色彩の変更は、景観行政団体の長の許可が要る(同22条)
  • 管理義務: 所有者と管理者は良好な景観が損なわれないよう適切に管理する(同25条)。管理が適当でないときは命令や勧告がある(同26条)
  • 相続税: 国税庁の質疑応答事例は、伝統的建造物と同程度の規制を受けることから、家屋とその敷地の評価額から30%を控除して評価するとしている(国税庁)

相続税の扱いは通達の本文ではなく質疑応答事例で、照会の事実関係を前提にした一般的な回答と注記されています。実際の適用は税理士か税務署に確かめてください。

  • 修理補助: 景観法が直接定めるものではなく、自治体の事業として設けられる
  • 兵庫県の例: 古民家再生促進支援事業では景観重要建造物を「歴史的建築物」として扱い、一般の古民家より補助の上限が高い(あとの章で見る)

歴史的風致形成建造物。所有者が指定を提案できる

歴史まちづくり法(地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律)は、市町村が作る歴史的風致維持向上計画を国が認定し、計画に基づく事業を支援する法律です。

  • 認定数: 令和8年5月22日時点で102計画(国土交通省)
  • 指定: 認定を受けた市町村の重点区域で、市町村長が歴史的な建造物を歴史的風致形成建造物に指定できる(歴史まちづくり法12条)
  • 除かれる建物: 重要文化財や伝建地区内の伝統的建造物。文化財の肩書きがない古民家のために用意された指定と言える
項目 内容 条文
指定する人 市町村長。認定計画の期間内に限る 12条
所有者からの提案 所有者は自分の建造物の指定を提案できる。ほかに所有者がいれば全員の合意が要る 13条
届出 増築、改築、移転又は除却は、着手する日の30日前までに市町村長へ届け出る 15条
管理義務 所有者等は保全に支障を来さないよう適切に管理する 16条
解除 滅失や毀損で理由が消滅したときは解除 17条

支援の中身は国土交通省のパンフレットに書かれています(国土交通省 パンフレット)。

  • 修理の補助: 街なみ環境整備事業で、歴史的風致形成建造物の買取、移設、修理・復元が補助対象に追加された。所有者は市町村の事業を通じて補助を受ける
  • 相続税: 歴史的風致形成建造物である家屋とその敷地は3割の評価減。国税庁の質疑応答事例も、登録有形文化財に準じて30%控除としている(国税庁)
  • 用途の特例: 歴史的風致維持向上地区計画の区域では、用途制限の特例で歴史や伝統を活かした物品販売や飲食の建物が立地できる場合がある

所有者が提案できる点は、文化財の制度と違います。認定のない町では使えない系統なので、国土交通省の認定一覧か市町村の都市計画担当で先に確かめます。

宿泊、飲食、体験施設にするなら、地域の枠組みで申請する国の事業

💡 この章の要点: 古民家を宿や店にするときの国の事業は、農林水産省の農泊推進型(整備は1/2で上限2,500万円)と観光庁の地域資源を活用した観光まちづくり推進事業(1/2で最大2億円)です。どちらも地域協議会や事業者としての申請で、令和8年度の公募は2026-10-05時点で締切済み、交付決定前の着工は補助対象外です。

住むためではなく、古民家を宿泊や飲食に使うなら、国の事業に古民家の名前がはっきり出てきます。ただし申請の主体が個人の所有者ではありません。

農泊推進型。地域協議会が主体で、整備は1/2で上限2,500万円

農林水産省の農山漁村振興交付金(農泊推進型)は、令和8年度予算の資料で「古民家を活用した滞在施設の整備等を一体的に支援」すると書いています(農林水産省 令和8年度予算資料)。

事業 内容 交付率 上限と期間
推進事業(農泊地域創出) 推進体制の整備、観光コンテンツの造成、Wi-Fi等の環境整備 定額 1,000万円、上限2年
整備事業① 古民家等を活用した滞在施設、飲食施設、体験・交流施設等の整備 1/2 2,500万円/事業期間、上限2年
整備事業② 農家民泊等における小規模な改修 1/2 1,000万円/経営者かつ5,000万円/地域、1年

対象者と公募の状況は次のとおりです。

  • 対象者: 地域協議会、市町村、地域協議会の中核となる法人、地域協議会と農家民泊経営者等との連携体、民間企業等(農林水産省 概要)
  • 個人の立ち位置: 推進事業は地域協議会が主体で、古民家を1軒持っている個人が単独で申請する形にはなっていない。地域に協議会があるかを自治体の農政担当か観光担当に聞くのが入口
  • 令和8年度の公募: 1月23日から2月12日(公募)と、第2次の6月15日から7月2日(第2次公募)。2026-10-05時点でいずれも終了

使うなら来年度の公募に向けて、年内に協議会との話を始めることになります。

観光庁の事業。1/2で最大2億円だが、インバウンド前提で単年度

観光庁の「地域の観光資源充実のための環境整備推進事業(地域資源を活用した観光まちづくり推進事業(補助))」は、地域の歴史的資源(古民家等)、食、自然、文化の資源に関する施設整備を支援します(観光庁 公募)。

  • 補助率と上限: 1/2、最大200百万円(2億円)。上限は1申請者あたり(事業概要、Q&A)
  • 補助対象: 地方公共団体、DMO、民間事業者等。Q&Aでは個人(事業者)の申請も可とされ、法人格は問わない
  • 公募期間: 令和8年3月12日から4月22日12:00締切。2次公募の予定はない
  • 期間: 単年度で繰越不可。令和9年2月末までに精算。令和9年度以降の継続は未定
  • 着手: 交付決定前の行為は補助対象外で、事前着手の方法はない。設計のみの申請は不可
  • 所有権: 所有者と申請者が異なる場合も、所有者の合意のもとで対象
  • 計画: インバウンドを対象とした事業計画が必要

規模の大きい事業で、1軒の古民家を直すというより、地域のストーリーに基づく体験の拠点を作る事業です。

  • 1軒でも入口はある: Q&Aは「単体の新築や1施設のみの施設整備」も、地域のストーリーに基づく体験に必要なら対象になり得るとしている
  • 合わない時間軸: インバウンドを対象にした計画と年度内の完了が条件で、相続した家をゆっくり直す進め方には合わない

建築基準法の適用除外は、自治体の条例しだい

宿泊や飲食に用途を変えると、建築基準法の規定が古民家に合わない場面が出ます。国土交通省は平成30年3月16日に「歴史的建築物の活用に向けた条例整備ガイドライン」を出しています(国土交通省)。

  • 国宝等: 建築基準法の適用除外規定がある
  • それ以外の歴史的建築物: 適用除外にするには、地方公共団体が文化財保護法に基づく条例か独自の条例を定める必要がある
  • 条例の数: 策定時点で独自条例は11団体
  • 目的: 古民家等の歴史的建築物を活用した観光まちづくりに取り組む地方公共団体を支援する

つまり、古民家を宿にするときの建築基準法の扱いは、その自治体に条例があるかで変わります。補助金を探すのと同時に、建築担当に「歴史的建築物の条例があるか」を聞いておきます。

活用の目的と、使える支援の対応

ここまでの系統を、古民家をどう使うかで並べ直します。

活用の目的 使える支援の系統 申請の主体 主な条件
自分で住む 自治体の古民家専用枠(居住向けがある場合)、一般の空き家改修補助、耐震補助、省エネ補助 所有者 居住の継続、交付決定前の着工不可
貸す 自治体の古民家専用枠(兵庫県は歴史的景観形成地区等の賃貸住宅) 所有者、または同意を得た活用者 10年以上の活用、報告
地域の交流拠点、店舗 自治体の古民家専用枠、歴史まちづくりの用途特例 所有者、活用者 10年以上の活用、耐震
宿泊、飲食、体験(農山漁村) 農泊推進型 地域協議会、中核法人、民間企業等 公募期間、協議会への参加
宿泊、飲食、体験(観光地) 観光庁の事業、歴史まちづくり計画の重点区域なら都市局の環境整備 地方公共団体、DMO、民間事業者等 インバウンド前提、単年度
文化財として残す 登録有形文化財の設計監理補助、伝建地区の修理補助 所有者 現状変更の届出や許可、再補助の間隔

住むか貸すだけなら、残る候補は自治体の古民家専用枠です。

自治体の古民家専用の改修補助。兵庫県の例で条件を読む

💡 この章の要点: 兵庫県の古民家再生促進支援事業は、県と市町の2段構えで、改修費500万円以上の工事に250万〜1,000万円を出します。条件は10年以上の活用と3年ごとの報告、改修後の耐震性、令和9年3月31日までの完了で、改修工事費補助の令和8年度受付は終了しています(2026-10-05時点)。条件の読み方は、他の自治体の制度でも同じです。

古民家専用の改修補助を設けている自治体は限られ、金額も条件も自治体ごとに違います。この記事では、検索上位にも出てくる兵庫県の制度を、県内の市の要綱まで読んで条件の型を取り出します。読者の家が兵庫県にない場合も、何を確かめるべきかは同じです。

兵庫県。建物調査は無料、改修工事費補助は県と市町の両方

兵庫県の古民家再生促進支援事業は、3つの段階でできています(兵庫県)。

  • 建物調査: 所有者の申請で専門家を派遣し、構造、仕上げ、破損状況、修繕すべき部分、建物の価値、法規制を調べる。所有者の費用負担なし
  • 再生提案: 調査した古民家のうち再生を推奨するものについて、間取りやパース、修繕内容、工事の概算費用を提案する。費用負担なし
  • 改修工事費補助: 地域活動や交流の拠点、宿泊体験施設、店舗などの地域交流拠点か、歴史的景観形成地区等にある賃貸住宅として再生する工事に補助する

対象となる古民家は、おおむね昭和25年の建築基準法施行日前に建てられた伝統的木造建築技術の住宅か、歴史的建築物(景観重要建造物、景観形成重要建造物等、指定文化財か登録文化財、重伝建地区内の伝統的建造物、ひょうごの近代住宅100選)です。

改修工事費補助の額は、改修費の区分で決まります。

対象経費(改修費)の区分 古民家 古民家のうち歴史的建築物
500万円未満 対象外 対象外
500万円以上1,000万円未満 250万円 250万円
1,000万円以上1,500万円未満 400万円 500万円
1,500万円以上2,000万円未満 500万円 500万円
2,000万円以上3,000万円未満 500万円 850万円
3,000万円以上 500万円 1,000万円

工事費1,000万円で古民家なら400万円、つまり4割が県の補助です。ただし同じページに、金額の前に読むべき条件が並んでいます。

  • 市町からも補助を受けること: 古民家のある市町にも改修工事費補助の制度があり、そこからも補助を受けることが条件。市町に制度がなければ県の補助は使えない。市町の補助額が県の表より少ない場合は、市町の額が上限になる
  • 10年間以上の活用と報告: 改修後10年間以上、地域交流拠点等として活用し、事業完了の翌年度と、その後3年ごとに活用状況を報告する
  • 耐震性: 改修後に一定の耐震性を確保する(実施要領4条と別表第一)
  • 完了期限: 令和9年3月31日までに改修工事と工事代金の支払いを完了する。間に合わなければ補助金は交付されない
  • 所得税: 補助金は一時所得として所得税の課税対象となる場合がある。国庫補助金等の総収入金額不算入の申告は税務署か税理士に相談
  • 受付状況: 建物調査と再生提案は令和8年4月13日から12月25日が申請期間。改修工事費補助は「令和8年度の申込受付は終了しました」と表示されている(2026-10-05時点)

市町の制度。同じ県の中でも率と上限が違う

県の補助は市町の補助と組み合わせて使うので、市町側の要綱を読むと自己負担が見えます。兵庫県内の3市を並べます。

市 改修工事費補助 調査費の補助 固有の条件
高砂市 対象経費の1/3。古民家は上限500万円、歴史的建築物は上限1,000万円(対象経費500万円以上) フィジビリティ調査費に定額50万円(調査費合計100万円以上) 予算は案件が出てからの措置で、申請は翌年度以降
三木市 県と同じ区分で250万〜1,000万円 フィジビリティ調査費50万円(合計100万円以上) 改修工事の完了日から10年以上の活用。交付決定の通知後でなければ着手できない
加西市 別表の率と限度額(要綱) 記載なし 空き家は6か月以上使われていないもの。所有者以外が改修する場合は所有者の同意4点が要る

出典は次の3つです。

加西市の要綱にある「所有者以外が改修する場合」の条件は、相続した古民家を人に貸して直してもらう場面に直結します。

  • 賃借期間: 10年以上の賃借期間を担保する
  • 同意: 改修に対する所有者の同意
  • 原状回復: 賃借期間が終わったあとの原状回復義務を免除する
  • 買取請求権: 借主の買取請求権を放棄する

所有者から見ると、10年は家を取り戻せず、終わっても元の姿には戻らず、ただし買い取れとも言われない、という契約です。補助が借主に出るからこそ、所有者側の縛りが明文化されています。

加西市はさらに、土砂災害特別警戒区域、地すべり防止区域、急傾斜地崩壊危険区域、災害危険区域にある古民家を対象外にし、国、県、市の他の同様の補助金との併用を認めていません(県の改修工事費補助は除く)。

長野県。出るのは補助金ではなく専門家の調査

長野県のふるさと古民家再生支援事業は、名前に「支援」とありますが、中身は専門家派遣による古民家調査です(長野県)。

  • 調査の内容: 建物各部の構造、仕上げ、特徴、増改築の有無、敷地条件、破損状況
  • 対象: 原則として昭和20年以前に建てられた伝統的木造建築技術の住宅で、文化財保護法等による国の支援が受けられないもの
  • 令和8年度: 4月22日から先着10件で募集し、10月1日に募集終了
  • 改修工事費への補助: ページに記載なし

「国の支援が受けられないもの」という条件は、文化財の肩書きがある家はそちらの制度を使えという線引きです。制度は重ねられないことがある、という一例として覚えておくと、他の自治体の要綱も読みやすくなります。

申請の流れ。順番を間違えると補助が消える

兵庫県と県内の市、福井市のチラシに共通する順番を一つの図にします。

[1] 市区町村の担当課に事前相談(古民家の改修補助があるか、今年度の受付状況)
      → 兵庫県の場合は、ひょうご住まいサポートセンターの建物調査・再生提案へ
[2] 活用計画と見積もりを固める(用途、10年の活用、耐震の確保、工期)
[3] 交付申請 → 交付決定の通知を受け取る
      ※ 通知が届く前に工事契約すると「事前着手」で補助対象外
[4] 工事契約 → 着工 → 完了 → 工事代金の支払い(年度内の期限あり)
[5] 実績報告 → 額の確定 → 請求 → 入金
[6] 翌年度と3年ごとに活用状況を報告(兵庫県の場合、10年間)

[3]の前に業者と契約してしまう失敗が、どの自治体のチラシにも注意書きで載っています。相続した家を早く直したい気持ちと、交付決定を待つ時間は、たいてい衝突します。

伝統構法の家は一般の耐震補助に乗りにくいのか。福井市の例

💡 この章の要点: 福井市は、伝統的構法の木造住宅に一般の耐震改修とは別のメニューを設けています。筋かいで固める在来工法と違い、揺れを吸収する柔構造なので、伝統診断法で診断し、面格子壁や制振ダンパーで補強します。補助は上限190万円(自己負担47.5万円)で、自ら居住する個人所有が条件です。省エネ補助と伝統構法の相性は、一次情報が見つからなかったので書きません。

耐震補助は空き家一般の制度ですが、伝統構法の家では診断の方法から変わることがあります。全国の自治体を確かめたわけではありません。

ここでは、別メニューを公開している福井市の案内(Ver.2026.4.1)を読みます。

なぜ別メニューになるのか

福井市の案内は、違いをこう説明しています。

  • 構造の違い: 伝統的構法の住宅は、筋かいなど耐力壁による剛構造で地震に抵抗する在来工法と異なり、揺れを住宅の各部分で吸収する柔構造になっている
  • 診断の違い: 伝統診断法による耐震診断で、評価指標が30を超える住宅が対象
  • 補強の違い: 面格子壁や制振ダンパーを建物の要所に設置し、柔構造の特徴を生かしながら安全性を高める
  • 監理: 伝統耐震診断士による工事監理が要る

つまり、一般の耐震診断(上部構造評点)で「耐震性なし」と出た伝統構法の家に、在来工法の補強を当てると、家の性質に合わないことがあります。福井市はその家のために診断法と補強法の両方を分けています。

補助の中身

項目 内容
対象住宅 昭和56年5月31日以前に着工した伝統的構法の一戸建て木造住宅で、伝統診断法の評価指標が30を超えるもの
申込できる人 個人で所有し自ら居住、市税を完納。1所有者につき1回
補助額 耐震改修(伝統的構法)は190万円まで(自己負担47.5万円)。高齢者世帯(単身または夫婦で一方が65歳以上)は上限237.5万円(自己負担なし)
対象外 設計費、工事監理費
目標 上部構造評点1.0以上相当となる工事
着手 交付決定通知が届く前に工事契約すると事前着手となり補助を受けられない

「自ら居住」が条件なので、相続した空き家を貸すために耐震改修する場合は、この補助の形には乗りません。他の自治体に同じメニューがあるかは、国土交通省の耐震支援制度検索か、市区町村の建築担当に「伝統的構法の耐震診断の補助があるか」と聞いて確かめます。調べ方は空き家のリフォームの耐震補助の項と同じです。

省エネ補助との関係は書けない

住宅省エネ2026キャンペーンの断熱改修が伝統構法の土壁や木製建具とどう噛み合うかは、一次情報で確認できませんでした。要件は公式サイトと登録事業者に確かめてください。制度の全体は空き家のリフォームに出典付きでまとめています。

補助を使っても回収できるか。条件の表と計算式

💡 この章の要点: 補助金は工事費の一部で、残りの自己負担に加えて、10年の活用義務、報告、交付決定前の着工不可、所得税が付きます。回収は「補助後の自己負担と保有コスト」を「活用で得る収入か、直したあとの価値」と比べて決めます。合わないなら、直さず現況のまま売る道が比較の片側に残ります。

ここまでの制度に共通する条件を一つの表にまとめ、回収の計算式に落とします。

あとから効く条件の一覧

条件 どの制度に出てくるか 所有者に起きること
用途の制限 兵庫県(地域交流拠点か歴史的景観形成地区等の賃貸住宅)、農泊(滞在施設等)、観光庁(体験の拠点) 「自分で住む」には出ない制度が多い
活用の継続義務 兵庫県と県内の市(10年以上)、加西市の賃借期間(10年以上) 10年間は売れない、用途を変えられない
報告 兵庫県(翌年度と3年ごと) 事務が10年続く
耐震性の確保 兵庫県(改修後に一定の耐震性)、福井市(評点1.0相当) 工事費が上がる方向に動く
着手時期 三木市、福井市、観光庁(交付決定前の契約や着手は対象外) 待つ時間が要る。年度内完了の期限と板挟みになる
年度の期限 兵庫県(令和9年3月31日)、観光庁(単年度で繰越不可) 工期が読めない古民家で間に合わないリスク
公募期間 農泊(1〜2月と6〜7月)、観光庁(3〜4月) 今年度分は締切済み。来年度の公募待ち
申請の主体 農泊(地域協議会等)、観光庁(事業者等) 個人の相続人が単独では乗りにくい
現状変更の規制 登録有形文化財(30日前届出)、伝建地区(許可)、景観重要建造物(許可)、歴史的風致形成建造物(30日前届出) 将来、建て替えや売却の自由度が下がる
再補助の間隔 松江市(完了から5年) 次の修理は自費になることがある
所得税 兵庫県(一時所得として課税対象の場合あり) 補助金の一部が税で戻る形になり得る
併用の制限 加西市(他の同様の補助と併用不可)、長野県(国の支援が受けられないもの) 制度を重ねて自己負担ゼロにはなりにくい

回収の計算式

金額は家ごとに違うので、式だけ置きます。

自己負担 = 工事費 − 補助金(交付決定額) + 設計監理料など補助対象外の費用
保有コスト = 固定資産税 + 維持費 + 活用の継続義務の期間に発生する修繕

[貸す、使う場合]
  回収年数 = 自己負担 ÷ (年間の収入 − 年間の保有コスト)
  → 回収年数が活用の継続義務(10年など)の中に収まるか

[住む場合]
  比較 = 自己負担 + 保有コスト  vs  同じ地域で住める家を買うか借りる費用
  → 直したあとの家の価値は、改修費の額どおりには上がらない前提で見る

[現況のまま売る場合]
  手取り = 買取価格 − 登記費用など
  → 補助を使う場合の「自己負担と10年の拘束」と、この手取りを並べる

工事費1,000万円の古民家に兵庫県の補助400万円が付いても、自己負担は600万円に設計監理料と税が乗ります。仮に貸して月5万円の家賃が入るとすれば年60万円で、保有コストを引く前でも10年で600万円です。活用の継続義務10年と、回収10年がちょうど重なる計算になり、その間は売れません。式に自分の数字を入れると、この重なりが見えます。

補助を使って直す道と、直さず現況で売る道の比較

比べる点 補助を使って直す 直さず現況のまま売る
所有者が先に払う費用 工事費の全額(補助は完了後の精算払い)、設計監理料 登記費用と印紙代程度
補助の有無 交付決定が出れば工事費の一部が戻る 補助は使わない。買主が直す
期間 事前相談、調査、交付決定、工事、実績報告。年度をまたぐことが多い 査定から決済まで
拘束 10年以上の活用、報告、用途制限、現状変更の規制 引き渡した時点で終わる
税 補助金が一時所得になる場合あり。文化財の肩書きがあれば固定資産税と相続税の軽減 譲渡所得。相続空き家なら3,000万円控除の対象になることがある
向く人 地域で使う計画と協議会があり、10年の時間と自己負担を出せる 遠方で通えない、相続人が複数で意見が割れる、年度内の工期が読めない

価格の目安は空き家の買取相場、買取と仲介の違いは買取と仲介の比較にあります。古民家を活かす買主を探す道として、空き家バンクもあります。

古民家再生の補助金でよくある質問

💡 この章の要点: 国の単一制度はなく、家の肩書きと使い方で系統が決まります。個人が単独で申請できる制度は自治体の古民家専用枠と文化財の設計監理補助が中心で、どれも交付決定前の着工は補助対象外です。

古民家の再生に国の補助金はありますか?

A. 「古民家再生補助金」という国の単一制度はありません。

  • 文化財の系統: 登録有形文化財は国が設計監理料の50%を補助(工事費は対象外)。伝建地区は市町村の修理・修景補助を国が支える(文化庁 手引)
  • 宿泊や飲食に使う系統: 農泊推進型(整備1/2で上限2,500万円)と観光庁の事業(1/2で最大2億円)。地域協議会や事業者が主体で、令和8年度の公募は終了
  • 自治体の系統: 兵庫県のように古民家専用の改修補助を持つ自治体がある。所在地の市区町村で確かめる
個人でも申請できますか?

A. 制度によります。

  • できる: 登録有形文化財の設計監理補助(所有者)、伝建地区の修理補助(所有者等)、自治体の古民家専用枠(所有者か同意を得た活用者)、福井市の伝統的構法の耐震改修(自ら居住する個人所有者)
  • 単独では乗りにくい: 農泊推進型(地域協議会、市町村、中核法人等)。観光庁の事業は個人(事業者)も可だが、インバウンド前提の事業計画と単年度完了が条件
補助を受けたあとに売ることはできますか?

A. 活用の継続義務がある制度では、期間内の売却や用途変更は補助金の返還につながることがあります。

  • 兵庫県と県内の市: 改修後10年以上の活用と3年ごとの報告が条件
  • 加西市の賃借の場合: 10年以上の賃借期間を担保し、買取請求権の放棄にも所有者が同意する
  • 文化財や景観の指定: 売却自体は可能だが、現状変更の届出や許可の義務は次の所有者に引き継がれる

売る可能性があるなら、補助を使う前に現況の査定を取って比べるほうが、あとで返還の計算をするより簡単です。

古民家をリフォームすると固定資産税はどうなりますか?

A. 改修で家屋の評価が見直される可能性はありますが、具体の変動は市区町村の税務担当でしか分かりません。この記事で確認できたのは肩書きによる軽減です。

  • 登録有形文化財の家屋: 固定資産税と都市計画税が1/2課税
  • 重伝建地区内の伝統的建造物のうち一定の家屋: 非課税
  • 出典: 文化庁 税制。相続税の評価減(30%)は登録有形文化財、伝統的建造物、景観重要建造物、歴史的風致形成建造物で確認できた

動くなら早いほうが選択肢が多い

古民家の補助金には「公募は年に1〜2回」「交付決定前の着工は対象外」「年度内に完了」と、時間の条件が重なります。補助を使うと決める前でも、いま無料査定を取っておくだけで、自己負担と10年の拘束を引き受けるか、現況のまま渡すかの判断材料が増えます。

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まとめ|古民家の補助金は、肩書きと使い方で系統を絞り、条件を読んでから決める

💡 この章の要点: 国の単一制度はなく、文化財、景観と歴史まちづくり、宿泊や飲食の国の事業、自治体の古民家専用枠の4系統。登録有形文化財の国庫補助は設計監理料で工事費は出ず、伝建地区は市町村が修理と修景の工事費を補助する。農泊と観光庁は地域の枠組みで申請し、今年度の公募は締切済み。自治体の専用枠は10年の活用と報告、耐震、年度内完了が付く。合わなければ現況のまま売る。

冒頭の「古民家再生補助金はあるのか」に戻ります。国の単一制度はありませんが、家に肩書きがあるか、宿や店に使うか、県や市に専用枠があるかで、乗れる制度は3つのどれかに絞れます。絞ったあとに読むのは金額ではなく条件で、その順番を逆にすると、交付決定前に契約してしまう失敗か、10年の拘束に気づかずに申請する失敗のどちらかが起きます。

  • 肩書きで決まる系統: 登録有形文化財は設計監理料50%と固定資産税1/2、相続税30%控除。伝建地区は市町村の修理補助(長野市戸隠はかやぶき9/10以内、松江市は8/10以内で上限800万円)。景観重要建造物と歴史的風致形成建造物は許可か届出と管理義務が付き、相続税は30%控除
  • 使い方で決まる系統: 農泊推進型は地域協議会等が主体で整備1/2で上限2,500万円。観光庁は1/2で最大2億円だがインバウンド前提の単年度
  • 自治体の専用枠: 兵庫県は県と市町の2段構えで250万〜1,000万円。10年以上の活用、3年ごとの報告、耐震、令和9年3月31日までの完了、所得税の扱い。令和8年度の改修工事費補助は受付終了
  • 伝統構法と耐震: 福井市は柔構造に合わせた別メニューで上限190万円。自ら居住が条件
  • 回収: 自己負担と保有コストを、収入か価値と比べ、活用義務の期間に収まるかを見る。収まらなければ現況のまま売る道を比較の片側に置く

市役所への問い合わせと、県や市の要綱の「条件」の節と、工事の見積もりと、現況の査定がそろえば、相続人が複数でも揉めずに決められます。残る問いは、その家を10年使う人が誰かで、それは補助金の表には書いてありません。

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補助を使うかどうか決める前でも大丈夫です。古民家の状態を伝えるだけで、建物を活かした買取ができるかと概算金額がわかります。査定・相談はすべて無料で、しつこい営業はありません。

  • 査定も相談も無料。補助金の申請を検討している段階でも、買取可否と概算金額が分かります
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