空き家を賃貸に出す|リフォーム費・サブリース・DIY型の比較【2026】
「空き家を売るのは惜しい。賃貸に出して収入を得たい」「リフォーム費が心配だが、サブリースなら手間ゼロ?」——空き家の 賃貸活用 は、立地が良い物件で収益化できる選択肢ですが、3つの方法で大きく異なります。
この記事では、空き家賃貸の 3つの方法(通常賃貸・サブリース・DIY型)を収支・初期費用・リスクで比較し、リフォーム費の相場、3,000万円控除との関係、賃貸経営の落とし穴 まで整理します。
結論を先にお伝えすると、空き家賃貸で押さえるべきポイントは3つです。
- 3つの方法: 通常賃貸・サブリース(手間なし・手取り減)・DIY型(初期費用なし・借主依存)
- リフォーム費: 通常賃貸で100〜500万円、DIY型ならゼロ
- 税制注意: 賃貸に出すと 3,000万円特別控除と併用不可
「とりあえず賃貸」は損する可能性大。物件特性と自分の手間許容度で判断します。
空き家賃貸、何で判断する? — 状況別ジャンプガイド
| 知りたいこと | おすすめの読み始め |
|---|---|
| 3つの方法を比較 | 3つの方法比較表 |
| 通常賃貸の詳細 | 通常賃貸の方法 |
| サブリースの落とし穴 | サブリースの方法 |
| DIY型賃貸とは | DIY型賃貸の方法 |
| リフォーム費の相場 | リフォーム費の相場 |
| 税金面の注意 | 税制の注意点 |
空き家賃貸の3つの方法 — 通常・サブリース・DIY型

💡 TL;DR: 通常賃貸(手取り多・手間多)、サブリース(手間少・手取り減)、DIY型(初期費用ゼロ・借主が自由リフォーム)の3方式。物件状態・所有者の手間許容度・初期投資余力で選ぶ。
3方式の基本比較
| 項目 | 通常賃貸 | サブリース | DIY型 |
|---|---|---|---|
| 月収(相場家賃) | 100% | 70〜85% | 60〜80% |
| 初期費用 | 100〜500万 | 100〜500万 | ほぼゼロ |
| 管理の手間 | 多 | ゼロ | 少 |
| 空室リスク | あり | なし(業者負担) | あり |
| 滞納リスク | あり | なし | あり |
| 借主との直接対応 | 必要 | 不要 | 必要 |
| 原状回復責任 | 借主 | 業者経由 | 借主免除も可 |
5年運用の手取りシミュレーション
立地良・月家賃8万円の物件:
| 方式 | 5年家賃収入 | 初期費用 | 管理費 | 手取り |
|---|---|---|---|---|
| 通常賃貸 | 480万円 | 300万 | 50万 | +130万円 |
| サブリース(80%) | 384万円 | 300万 | 0 | +84万円 |
| DIY型賃貸(70%) | 336万円 | 30万 | 30万 | +276万円 |
→ DIY型は初期費用が圧倒的に少なく、手取り効率が高い。
空き家賃貸1:通常賃貸 — 安定収入と手間のバランス

💡 TL;DR: 通常賃貸(普通借家契約)は 月3万〜10万円 の家賃収入。リフォーム費 100〜500万円 が前提。自主管理 or 不動産会社委託(家賃の5〜10%)。借地借家法で借主の権利が強い。
通常賃貸の流れ
- リフォーム(水回り・クロス・床) 100〜500万円
- 不動産会社に賃貸募集依頼
- 入居者審査・契約
- 入居・家賃収入開始
- 入居中の 管理(故障対応・家賃徴収)
- 退去時の 原状回復・次の入居者募集
リフォーム費用の相場(賃貸用)
| 範囲 | 費用 |
|---|---|
| 最低限(水回り更新のみ) | 100〜200万円 |
| 標準(水回り + クロス + 床) | 200〜400万円 |
| 大規模(間取り変更含む) | 400〜800万円 |
自主管理 vs 不動産会社委託
| 項目 | 自主管理 | 委託 |
|---|---|---|
| 管理費 | ゼロ | 家賃の 5〜10% |
| 入居者募集 | 自分で | 業者対応 |
| 故障対応 | 自分で | 業者経由 |
| 家賃徴収 | 自分で | 業者経由 |
| トラブル対応 | 自分で | 業者対応 |
通常賃貸のリスク
- 空室リスク(地方は1〜2割が空室期間)
- 家賃滞納リスク(保証会社加入で軽減)
- 借主トラブル(騒音・近隣クレーム)
- 借地借家法で立退き困難(更新拒絶も限定的)
空き家賃貸2:サブリース — 手間ゼロだが手取り減

💡 TL;DR: サブリースは 業者が借主となり所有者へ毎月固定額 。手取りは相場家賃の 70〜85%。空室・滞納リスクなし。ただし 30年保証 などの長期契約で契約見直しトラブルあり。
サブリースの仕組み
[所有者] → [サブリース業者(=借主)] → [入居者(借主の借主)]
↑ ↑
毎月固定額 業者リスク負担
サブリースのメリット
- 空室・滞納リスクなし(業者が負担)
- 入居者対応・管理ゼロ(全部業者)
- 安定した月額収入
- 確定申告も簡素
サブリースのデメリット
- 手取りが 70〜85%程度 (業者の利益・リスク料)
- 長期契約縛り(30年契約等)
- 契約見直しトラブル(数年後に家賃減額要求)
- 解約条件が厳しい
注意:サブリース問題
メディアでも報道された「サブリースの30年保証で家賃が突然減額された」事例多数。
- 当初家賃8万円保証 → 5年後に「市場家賃下落」を理由に6万円に減額
- 所有者は契約継続 or 訴訟の二択
- 業者の倒産リスクも
サブリース契約のチェックポイント
- 家賃見直しの条件(何年ごと・何%まで)
- 解約条件(中途解約金・通知期間)
- 業者の経営状況(財務体質・実績年数)
- クーリングオフ(契約後8日以内なら無条件解約可)
空き家賃貸3:DIY型賃貸 — 初期費用ゼロ・借主リフォーム
💡 TL;DR: DIY型賃貸は 借主が自費でリフォーム → 賃貸契約。所有者の初期費用 ほぼゼロ。家賃は相場の60〜80%だが、リフォーム費負担なしで実質手取り高い。
DIY型賃貸の仕組み
- 物件は 現状有姿(リフォームなし) で貸す
- 借主が自分の好みでリフォーム 可
- 退去時の 原状回復不要(契約により)
- 家賃は通常賃貸より 20〜40%安め
DIY型のメリット
- 初期費用ほぼゼロ(掃除程度のみ)
- 借主が自分でリフォーム → 物件価値が上がる
- 退去時の原状回復不要で楽
- リフォーム好きの借主が長期入居傾向
DIY型のデメリット
- 家賃が安い(相場の60〜80%)
- 借主のリフォーム品質に依存
- 借主退去後の活用がリフォーム次第
- 契約書の特約条項が複雑
DIY型契約の特約事項
- リフォーム範囲(構造変更・水回り・電気工事の可否)
- 退去時の状態(原状回復不要 or 部分的に必要)
- 撤去責任(借主が設置した造作物の処理)
- 修繕負担(設備故障時の修理は誰の負担か)
DIY型に向くケース
- 物件状態が悪く、所有者がリフォーム費捻出できない
- 借主が DIY 好き(若い夫婦・芸術家・職人等)
- 短期売却予定がなく、長期保有予定
空き家賃貸のリフォーム費相場

💡 TL;DR: 賃貸用リフォームの相場: 水回り更新(100〜200万)、クロス・床全面(50〜150万)、外壁・屋根(100〜300万)、間取り変更(200〜500万)。家賃で回収可能か の試算が判断軸。
部位別の相場
| 部位 | 費用 |
|---|---|
| キッチン交換 | 50〜200万円 |
| バス・トイレ・洗面所(水回り3点) | 100〜250万円 |
| クロス張替え(全部屋) | 30〜80万円 |
| 床張替え(全部屋) | 40〜100万円 |
| 外壁塗装 | 80〜150万円 |
| 屋根葺き替え | 100〜200万円 |
| 間取り変更(LDK化等) | 200〜500万円 |
| 耐震補強 | 100〜300万円 |
リフォーム費の回収シミュレーション
リフォーム費 300万円・月家賃 7万円(リフォーム前は5万円)の場合:
- 家賃UP分: 2万円/月 = 年24万円
- 回収期間: 300万 ÷ 24万 = 12.5年
立地・物件状態次第で、リフォーム費を回収できないリスクもあります。
リフォーム vs 売却の手取り比較
| 選択肢 | 5年手取り |
|---|---|
| リフォームして賃貸(月7万・回収中) | 家賃420万 − リフォーム300万 = +120万 |
| 現況売却(800万円) | +800万円 |
→ 売却の方が圧倒的に手取り多いケースも。両方の試算で判断。
空き家賃貸と税制の注意点
💡 TL;DR: 賃貸に出すと 3,000万円特別控除 との併用不可。賃貸収入は 不動産所得 で確定申告必要。固定資産税は住宅用地特例維持。住宅ローン控除はリフォーム費の一部に適用可能。
注意1:3,000万円特別控除との関係
相続空き家を売却する時の3,000万円特別控除は、「相続後に空き家のまま」 が要件。
- 賃貸に出す → 「空き家のまま」要件不適合 → 控除適用不可
- 控除の節税効果(最大600万円)を失う
賃貸 or 売却の判断は要件確認後に。
注意2:不動産所得の確定申告
賃貸収入は 不動産所得 として確定申告が必要。
- 月家賃 × 12ヶ月 = 年収入
- 経費(固定資産税・修繕費・管理費)を差し引いた金額が課税対象
- 青色申告(65万円控除)が有利だが、開業届+帳簿付け必要
注意3:固定資産税の住宅用地特例
賃貸でも住宅用地特例は維持(賃貸も「住宅利用」とみなされる)。
- 固定資産税が安いまま
- 特定空き家認定リスクも回避
注意4:相続税の小規模宅地特例
賃貸として相続した場合、貸付事業用宅地 の特例(200㎡まで50%減額)が使える可能性あり。要件は税理士に確認。
注意5:住宅ローン控除
リフォーム費を リフォームローン で賄った場合、住宅ローン控除の対象になる場合あり(条件あり)。
空き家賃貸のよくある質問
- 1. 賃貸に出すと売却できなくなりますか?
- できます。賃貸中の物件も売却可能(オーナーチェンジ物件として)。ただし、買主が限定的(投資家中心)で、相場の80〜90%程度になりがち。
- 2. サブリース業者の選び方は?
- 経営年数10年以上・上場企業 or 大手 が安心。「30年保証」「絶対安心」を強調する業者ほど契約見直しリスクあり。サブリース問題のニュースを事前にチェック。
- 3. DIY型賃貸の借主が見つかりにくい?
- 首都圏では一定の需要あり(リノベ好き・若い夫婦・職人等)。地方は需要少なめだが、SNS・専門ポータルで募集可。
- 4. 民泊との違いは?
- 民泊は年180日制限・短期宿泊・観光地中心。賃貸は長期居住・全国どこでも可。収益性は民泊の方が高いが、規制も多い。
- 5. 賃貸に出して固定資産税が安くなりますか?
- 同じ。住宅用地特例は所有者居住も賃貸も同じく適用。ただし、家賃収入で固定資産税負担が相殺できるメリットあり。
- 6. 賃貸経営の確定申告は自分でできますか?
- できますが、青色申告は複雑。税理士依頼が報酬 年5〜15万円。物件1〜2件なら自分で対応も可。 最後にもう一度、空き家賃貸のポイントを整理します。 「とりあえず賃貸」は損する可能性大。物件特性 + 自分の手間許容度 + 売却した場合の手取り を踏まえて判断します。 関連: 空き家活用の選択肢8つ / 空き家バンクとは|登録方法・成約率 / 空き家を高く売る7つのコツ





